美容の極み

"メディカル情報をもしもの時の備えに。 医療情報をチェックチェック!"

Aug 04, 2009
学会出張、夏季休暇の為、明日から不定期配信となります

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1.弘高生が新型インフルに集団感染 全生徒の出校禁止
2.医療情報、冷蔵庫に保管 高齢化に対応、全国で導入相次ぐ
3.新型亜種のエイズウイルスを発見、仏在住のカメルーン出身女性が感染
4.新型インフルの耐性ウイルス見つかる、米国とメキシコ国境付近
5.組織型に応じた治療に期待 肺がん新薬が承認
6.精神科 薬の使い方に施設差
7.歯の完全再生、マウスで成功=食物かめる硬さ-「臓器置換」実現へ・東京理科大など
8.フェノールで肌を溶かす「奇跡の剥皮」、結局は大型事故に
9.血管再生医療 閉塞性動脈硬化症などに白血球を移植…
10.関西の製薬準大手3社、新薬の開発を加速 4~9月期
11.【薬食審医薬品第二部会】日本発抗癌剤「ミリプラチン」が登場へ
12.【経産省・08年度調査】大学発ベンチャーは約1800社‐バイオ系の赤字幅拡大
13.「簡易懸濁法」7割が導入-慢性期医療協会調査
14.“痕跡器官”とされた脾臓の役割解明
15.リハビリで呼吸機能改善 運動療法に栄養指導、教育 COPD患者らに効果
16.合併症を防ぐ糖尿病治療 -血糖コントロールの重要性-
17.夏バテの漢方治療にはこの4方剤で臨む
18.特集:VRE対策は京都に学べVol.2 6割の病院がVRE監視体制に参加した理由とは
19.CSFバイオマーカーで初期アルツハイマー病を予測する?
20.健康的な6つの生活習慣が心不全生涯リスク低下と関連:男性
21.高血圧予防には、リスクを低下する6つの生活習慣を:女性
22.Antidepressant Use in U.S. Has Almost Doubled
23.Surgical Masks Help Ward Off Flu, Maybe
24.Scientists ID First Human With Gorilla Strain of HIV
25.プレスリリース
1) FDA Approves New Cholesterol-Lowering Drug
2) 中外製薬、ロシュが進行性乳がん1次治療でAvastinとdocetaxelの併用療法の承認を取得
3) 扶桑薬品、「新生血管阻害剤OTS102」の胆道癌に対する第Ⅱ相臨床試験を開始
4) 東芝メディカルシステムズ 128スライス/回転 同時撮影可能な マルチスライスCT Aquilion™ CX Edition 発売
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1.弘高生が新型インフルに集団感染 全生徒の出校禁止
陸奥新報社2009年8月4日

県は3日、弘前高校の生徒が新型インフルエンザに集団感染していたと発表した。確定患者1人のほか、疑似症患者5人が確認されており、同校側は7日まで全校生徒の出校を禁止する措置を取ったほか、5日に予定していた中学生対象の学校説明会を中止した。6人は快方に向かっているという。
 県は3日、弘前高校の生徒が新型インフルエンザに集団感染していたと発表した。確定患者1人のほか、疑似症患者5人が確認されており、同校側は7日まで全校生徒の出校を禁止する措置を取ったほか、5日に予定していた中学生対象の学校説明会を中止した。6人は快方に向かっているという。
 同校と県保健衛生課によると、発症した6人を含む生徒211人が7月3031の両日仙台市の東北大学で行われたオープンキャンパスに参加。確定患者の生徒は31日から熱があり、1日に弘前市内の医療機関で簡易検査を受けA型陽性と判明、2日に県環境保健センターでの遺伝子検査で感染が確認された。
 また5人は1日から2日にかけて発熱やせきなどの症状があり、いずれもオープンキャンパスに参加していたことから、診察した医師が疑似症患者として県に届け出た。
 6人ともオープンキャンパスに参加していたため、県は集団発生監視(クラスターサーベイランス)の対象として、1例目の生徒について遺伝子検査を行った。県ではオープンキャンパスで感染したとみている。学校での集団感染は県内では初めて。
 さらに同校の別の生徒3人も高熱などを訴え、医療機関で治療などを受けたという。
 同校はこれまでに自校ホームページで7日までの出校禁止などを周知。3日には生徒の保護者あてに出校禁止などを伝える文書を発送した。
 同校の福地進教頭は「生徒が快方に向かい安心している。今後の対応は県や保健所に相談して判断したい」と語った。
 弘前保健所は発症した6人に対し、解熱後2日後まで自宅療養を要請。6人の家族、校外行事に参加した他の生徒、その家族に7日までの健康観察と外出自粛を求めている。
 一方、県が3日発表した週報(7月27日―8月2日)によると、青森市保健所管内でも2件の遺伝子検査を行ったが、いずれも陰性だった。


2.医療情報、冷蔵庫に保管 高齢化に対応、全国で導入相次ぐ
産経新聞社2009年8月4日

安心・安全は冷蔵庫に-。持病や服用薬などの医療情報を容器に入れて冷蔵庫に保管する「救急医療情報キット」の導入が、東京都港区や北海道夕張市など全国に広がっている。自宅で倒れるなど万一の際、迅速な救命活動に役立ててもらうのが狙い。高齢化が進む地域住民の命を守る取り組みとして注目を集めている。
 ◆迅速な救命に
 約20万人が暮らす港区は昨年5月から「救急医療情報キット」を、希望する区民(高齢者と障害者)に無料で配布している。キットは持病や服用薬、かかりつけ医、緊急連絡先を記入する用紙とプラスチック容器がセット。必要事項を書き込んだ用紙のほか、本人確認ができる写真や健康保険証の写しを容器に入れ、冷蔵庫に保管する。
 同高輪地区総合支所の神田市郎区民課長は「都会では隣近所とのつきあいが少なく、万一のときに不安を抱える高齢者も少なくない。病状を説明できないような一刻を争う事態に、救急隊が患者情報をいち早く把握することで適切な救命活動につなげてもらえれば」と、導入の狙いを話す。
 東京消防庁との連携で、玄関の内側にキットがあることを示すシールが張ってある場合、救急隊が冷蔵庫を明けて内容を確認する。反響は大きく、この1年で配布対象の約1割にあたる約3500人に広がった。
 医療情報を冷蔵庫に保管するユニークなシステムは、米国・ポートランド市が実施する高齢者の救急対応を参考に、港区が考案した。「冷蔵庫ならどこの家庭にもあるし、すぐ目につく。外部に事前に個人情報を知らせる必要もないので、プライバシーを守れる極めて都会型のシステム」と神田課長。
災害時にも有効
 こうした動きは全国に広がり、夕張市でも今年から、「救急情報医療キット-命のバトン」を500人の市民に試験的に導入。65歳以上の高齢人口が全体の43%、独居高齢世帯も3割近い夕張市では、日頃から健康に不安を抱える住民が多いことから、財政破綻(はたん)を機に立ち上がった有志らでつくる「ゆうばり再生市民会議」が発案。紙芝居を作成して必要性を訴えた。
 キットを手元に置く市民に実施したアンケートでも「安心して暮らせる」「1人暮らしなので心強い」など、96%が「必要だ」と回答している。
 東京都日の出町でも民生児童委員が中心になって配布を開始し、約900世帯の冷蔵庫に保管。まだキットがある家庭への出動はないという。
 市と連携する秋川消防署の坂田招彦生活安全担当係長は「急病時などで自宅に駆けつけた際に持病やかかりつけ医の情報があれば、迅速な救命処置や搬送先選びに役立つ。災害時にも有用な画期的な取り組み」と歓迎する。
 ■高齢化で救急需要拡大
 平成20年版の消防白書によると、通報から救急車の現場到着までの時間は全国平均で7・0分、到着から患者を搬送し医療機関に収容するまでの時間は26・4分で、いずれもワースト記録を更新した。
 高齢化などに伴って救急需要も拡大。19年の救急出動件数は約529万件に上り、過去10年間で約52%増加した。これに対し、全国の救急隊の増加は8%にとどまっている。救急搬送に占める高齢者の割合は、18年に46・1%に達した。


3.新型亜種のエイズウイルスを発見、仏在住のカメルーン出身女性が感染
IB TIMES2009年8月4日

フランスの研究チームが2日、仏在住のカメルーン出身の女性がHIV(エイズウイルス)の亜種に感染していたことが確認されたと発表した。今回発見されたHIVの亜種はゴリラが起源の可能性があると見られている。
 研究グループが医学誌ネイチャー・メディシンに発表した報告よると、感染したのはカメルーンの首都ヤウンデ近くに住んでいる62歳の女性で、04年に渡仏した際にHIV感染が確認された。エイズの症状は出ていない。HIV感染の女性はゴリラに接触したことがないことから、人から人へ感染したと見られる。
 新たに発見されたHIVの亜種はHIV感染の大半を占めるHIV-1の一種だという。これまで、HIV-1はすべて、チンパンジーとの関連性が指摘されていた。06年に発見されたゴリラを起源とするサル免疫不全ウイルス(SIV)と同じものであることが分かった。
研究チームは「チンパンジーだけでなく、ゴリラもHIVの感染源になりうることが分かった。新型亜種HIVの発生を、注意深く見る必要があることが示された」と述べた。


4.新型インフルの耐性ウイルス見つかる、米国とメキシコ国境付近
AFP News2009年8月4日

米テキサス(Texas)州のメキシコ国境付近で抗インフルエンザ薬「タミフル(Tamiflu)」への耐性を持つ新型インフルエンザA型(H1N1)ウイルスが発見された。汎米保健機構(Pan-American Health Organization、PAHO)が3日、明らかにした。
 PAHOによると、メキシコとの国境に近いエルパソ(El Paso)とマッカレン(McAllen)近郊で、タミフルへの耐性を示す複数の新型インフル症例が確認され、現在、経過を観察中だという。
 事態をうけ、カリフォルニア(California)州ラホーラ(La Jolla)で同日、タミフル耐性インフルエンザが大流行した場合の対応を協議した医療専門家らは、タミフルを過剰に使用した結果、ウイルスに耐性ができたとみている。
 PAHOのMaria Teresa Cerqueira事務局長は、「米国ではタミフルの購入には処方せんが必要だが、メキシコやカナダでは薬局で簡単に入手できる。このため、鼻水やくしゃみ程度の症状でも、安易にタミフルを服用した結果、肝心なときに効き目を示さなくなってしまった」と説明した。
 タミフルを製造するスイス医薬品大手ロシュ(Roche)によると、臨床試験では0.5%の割合で耐性が確認されることがあるという。
 これまで、米国のほかカナダ、デンマーク、香港(Hong Kong)、日本でタミフル耐性を示す新型インフルエンザウイルスが確認されている。


5.組織型に応じた治療に期待 肺がん新薬が承認
共同通信社2009年8月4日

 がんの部位別では死亡者数が最も多い肺がん。がん細胞の形態(組織型)から四つに分類されるが、最も多い腺がんを含めた「非扁平上皮がん」に対し、これまでの薬より有効だとされた抗がん剤が承認された。専門家は「組織型と患者の状態に応じて薬を選択できる時代になる」と期待している。
 肺がんの死亡者数は、男性で1993年に胃がんを上回って1位になり、2007年の1年間に約4万8千人。女性も同年に約1万8千人が亡くなり、上昇傾向が続いている。男女の合計では部位別で1位。
 腫瘍内科が専門で近畿大医学部堺病院 (堺市)顧問の福岡正博医師によると、組織型別では、がん細胞が丸くて小さい小細胞がんが全体の15%ほど。これ以外の非小細胞がんは、肺の中央部に多い扁平上皮がんと、周辺部に多い非扁平上皮がんとに分けられる。肺がんの約60%を占め最も頻度が高い腺がんも、この中に含まれる。
 「しつこいせきや胸の痛み、たんといった肺がんの症状は、早期の段階で現れるケースは少ない。特に腺がんは、末期にならないと症状が出ない」と、福岡さん。進歩しているCT(コンピューター断層撮影)などの画像診断を利用し、できるだけ早期に発見することが重要だと指摘する。
 切除ができない進行・再発の非小細胞がんの治療薬として5月に承認された注射剤の「ペメトレキセドナトリウム水和物」(製品名アリムタ)は、がん細胞の増殖に不可欠なビタミンである葉酸の代謝酵素を阻害する働きがある。悪性胸膜中皮腫にも07年に承認されている。
 福岡さんが注目するのは、白金製剤と呼ばれる抗がん剤とこの薬との併用。非小細胞がんの患者に対する大規模な臨床試験の結果、白金製剤のシスプラチンとペメトレキセドの併用は、シスプラチンと「ゲムシタビン塩酸塩」という別の抗がん剤を併用する従来の治療に劣らないことが確認された。
 さらに、非小細胞がんの中でも非扁平上皮がんに対する効果を見たところ、シスプラチンとゲムシタビンの併用より、シスプラチンとペメトレキセドの併用の方が、患者の生存期間が有意に長かった。
 福岡さんは「将来はこの併用が治療指針にも反映されていくのではないか」と話している。


6.精神科 薬の使い方に施設差
読売新聞社2009年8月4日

諸外国に比べ低い単剤化率
 精神科の受診者が増えている。厚生労働省の患者調査によると、推定の外来患者数は1999年の170万人から、2005年には268万人と、6年間で1・6倍に増加。なかでも、うつ病などの「気分障害」の患者は42万人から90万人へと倍以上に増えた。強い不安感や動悸に突然襲われるパニック障害、高齢者の認知症などの増加も背景にあるとみられる。
 また入院患者では、幻覚や妄想などを主な症状とする統合失調症が全体の6割を占め、次いで、アルツハイマー病などの認知症患者が多い。
 読売新聞は今年5月、日本精神神経学会の研修施設(民間の精神科病院は急性期治療病棟、救急入院料病棟を持つ施設)計708病院に対し、08年(または08年度)の治療実績などをアンケートし、282施設から回答(回答率40%)があった。一覧表には、精神科医がいない施設などを除く256病院について、年間の新規外来患者数、精神科医の人数(回答時点、非常勤含む)、平均入院日数などを載せた。
 精神科の病気は、画像検査などの診断法が確立されていないため、特に初診では、時間をかけて患者の話を聞く必要がある。患者が多いのに、精神科医が少ない施設では、診察時間が短くなりがちだ。
 今回の調査では、精神科医が多い施設は、入院患者に出す薬の量が少なく、人数が少ない施設では薬の量が多い傾向も見られた。
 横浜市大病院精神科教授の平安良雄さんは「短い診察時間では誤診を招く恐れがある。また医師や看護師が少ない施設は、個々の入院患者にじっくり対応できないため、多くの薬を使うことで、患者の行動を抑制せざるを得ないのが実情」と指摘する。
 平均入院日数は、重い統合失調症や、認知症が多い精神科病院で長く、1年を超える病院もあった。国は、急性期患者用の病棟で入院期間が長引くと病院の収入が減る方策を取っており、統合失調症で急激な症状が表れて入院した患者では、3か月以内の早期退院に取り組む施設が増えている。
 一覧表の最後に示した「抗精神病薬の単剤化率」は、統合失調症の患者のうち1種類の薬だけで治療を行っている患者の割合だ。一般に、この割合が高いと、適切な治療が行われていると言える。アンケートは入院患者を対象にした。
 抗精神病薬は、幻覚や妄想を抑える反面、過剰に働くと、手の震えや歩行困難などの副作用が現れる。近年は副作用が比較的出にくい薬が使われるようになったが、複数の薬を合わせて使ったのでは、従来の薬と同様に副作用が強まる。
 欧米や、中国、台湾などでの調査では、単剤化率は80%前後が多い。これに対し、日本では「治療効果が高まる」として、複数の薬を出す場合が少なくない。今回の調査でも、30%台の施設が最も多く、施設間の差が激しかった。平安さんは「抗精神病薬は1種類が原則。薬を変更する際に一時的に複数の薬を使うことはあるが、片方は徐々に減らして1種類に戻すべきだ」と話している。


7.歯の完全再生、マウスで成功=食物かめる硬さ-「臓器置換」実現へ・東京理科大など
時事通信社2009年8月4日

 食物をかめる硬さで、痛みなどの感覚もあるほぼ完全な歯をマウスで再生させることに、東京理科大と東北大、東京医科歯科大の研究チームが3日までに世界で初めて成功した。将来、「人工多能性幹(iPS)細胞」などの幹細胞を歯のもとに変え、失った歯の跡に移植して再生させられれば、入れ歯不要の生活が実現すると期待される。
 この成果は、東京理科大の辻孝教授らが2007年2月に発表した「器官原基法」の応用。細胞を試験管内で培養し、立体的で機能する臓器の形成を目指す技術で、臓器置換再生医療の実現に一歩前進した。次は毛髪の再生にも取り組む。論文は米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。


8.フェノールで肌を溶かす「奇跡の剥皮」、結局は大型事故に
中央日報2009年8月4日

ソウル江南一帯で「究極の手術」と口コミが広がった深部皮膚蘇生術。毒物の一種であるフェノール成分を利用するものだ。2004年から一部の皮膚科で施行されてきた。しかし患者たちの多くは赤ちゃんの肌ではなく、やけどのような傷あとを残された。米国医学教科書は東洋人には合わない手術だと警告しているが、医師はこれを知らせなかった。
◆「奇跡の手術」のウソ=深部皮膚蘇生術を国内で初めて手術した医師はT皮膚科のP院長(昨年死亡)だ。2004年から一部媒体に広告を出し「まぶたの垂れ、しわや傷あと、シミまで1回で改善可能」と宣伝した。しかしフェノールで肌を溶かすという説明はなかった。訪ねた患者たちには「簡単な手術で副作用はほとんどない」と安心させていた。
 2006年 1月、T皮膚科を訪れたAさん(40)は、この説明を信じた。1200万ウォン(約94万円)を支払って手術を受けた。顔が焼けるような苦痛に堪えて3カ月を過ごしたが、赤んぼうの肌どころかデコボコして赤い傷あとがあちこちに残ってしまった。「どういうことなのか」と問い詰めると「手術をもう少しやってみよう」と病院側は勧めた。彼女は追加費用を払って2007年7月と10月に2、3回目の手術を受けた。結局、彼女の顔は半分以上がやけどの跡に覆われてしまった。
◆類似手術続く=深部皮膚蘇生術をするという医師は増える状況だ。皮膚科間の競争が激しくなり、確かな効果を上げると客を集めることができるからだ。また1000万~2000万ウォン台と1回の手術費が高い点も医師たちがこの手術をやめられない理由だ。
しかし一部の皮膚科専門医たちはこの手術に対して何回も懸念を表明してきた。数人の患者には明らかな効果が出るが、間違った場合には取り返しのつかない副作用が生じるからだ。ソウル衛生病院皮膚科チョ・テホ専門医は「危険性が非常に高い手術」とし「公認された手術法ではなく、各医師がいい加減に組み合わせた化学薬品を使うということも問題」と説明した。
 一部の研究者たちは化学薬品を利用して深層肌を溶かし出す手術は白人にだけ可能なもので、東洋人には合わないと言う。色が濃いほど深い傷がつき、デコボコの傷あとが残りやすいというのだ。江南イジハム皮膚科のイ・ユドク院長(47)は「米国の医学教科書でもフェノールを利用した剥皮は東洋人には不向きだと書かれている」とし「誇張された広告にだまされてはいけない」と呼びかけた。


9.血管再生医療 閉塞性動脈硬化症などに白血球を移植…
毎日新聞社2009年8月4日

◆血管再生医療 閉塞性動脈硬化症などに白血球を移植。まだ効果に個人差があり、治療法の改良が続いている。
 ◇自己血使用、負担少なく
 ◇「先進医療」国内5施設で/骨髄液使う方法も
 足の血管が詰まったり、血管が少なくなって、血が巡らなくなる閉塞(へいそく)性動脈硬化症やバージャー病に対し、患者自身の血液から採取した白血球の成分を移植し、新たな血管を作り出す治療法が広まりつつある。これらの病気は治療が難しく、悪化すると足先に血液が回らなくなって、切断にもつながりかねない。失われた組織を再び作る「再生医療」の一つで、現状では効果に個人差があるが、うまくいけばメリットは大きい。治療法の改良も続いている。
 ●患部がひざ下の場合
 閉塞性動脈硬化症やバージャー病の場合、ひざから上であれば、カテーテルを使って患部を広げたり、詰まった部分をバイパスする血管を作る手術などの治療法がある。しかし血管の細いひざ下だとこうした方法は技術的に難しく、白血球成分を移植する治療法の対象となる。
 ●「単核球」取り出し
 移植に使われるのは血液中に含まれる白血球の一種の「単核球」。単核球には新しい血管を作り出す働きがあることが、約10年前から知られてきた。単核球そのものや、単核球によって刺激を受けて再生された筋肉から、血管を作るのに必要な物質が分泌されるためと考えられている。
 単核球は骨髄中に多く存在している。しかし骨髄液を採取するには全身麻酔が必要。このため、骨髄液よりも採取が簡単な血液中の単核球を移植する方法が研究されてきた。一定の効果が確認され、現在医療費の一部が保険適用される「先進医療」として国内5施設が実施している。
 研究・治療にあたってきた千葉大の小室一成教授(大阪大教授、循環器内科)は「自分の血液を取って注射するので、患者への負担が小さいのが利点」と強調する。小室教授によると、治療を受けた患者の7割ほどで症状の改善がみられるという。
 大阪市立大病院では、血液を使った治療と、骨髄液を使った治療の両方を併用している。症状によっては、骨髄液を使った方が効果の高い場合もあるためだ。
 血液を使う方法の場合、静脈から抜いた血液を遠心分離機にかけて単核球を取りながら、残りの血液を体内に戻していく。約10リットルの血液を3、4時間かけて循環させると、必要量(約50ミリリットル)の単核球が確保できる。これを約100本の注射器に小分けして、患部にまんべんなく注射する。
 この治療を受けた大阪府和泉市の男性(81)は2年前、左足の第2指にできた傷が治らず、痛みが続いていた。自宅近くの病院で診断を受けたが原因が分からず、大阪市立大病院を紹介された。小指ほどの大きさのかいようができて、痛みが強くなっていた。検査の結果、バージャー病と診断され、治療に臨んだ。
 治療後は1カ月ほどで痛みがなくなり、傷口も閉じた。男性は「治療前は就寝中もずっと痛かったのに、今はまったく日常生活には支障がない。脚立に乗って庭の木を切ることもできます」と喜ぶ。
 ●リハビリも重要
 男性の治療を担当した福本真也助教(代謝内分泌病態内科)によると、この治療の後はリハビリをして足をよく動かすことが必要という。「治療によって新しい血管を作り出すきっかけを与え、その後のリハビリで、できた血管を育てていくことが大事」なためという。
 現在、大阪市立大では、治療で効果があった人は5割前後にとどまる。効かない原因の一つは、移植した単核球が血流によって患部以外に流れてしまうためと考えられる。このため、福本助教は単核球を一定時間患部に定着させる生体物質の作成を研究している。「治療法を多くの人に知ってもらうとともに、治療成績も向上させていきたい」と話している。
 ■閉塞性動脈硬化症やバージャー病に対し血液中の単核球移植を先進医療として実施する施設(7月1日現在)
千葉大病院
神奈川県立循環器呼吸器病センター
東京都健康長寿医療センター
大阪市立大病院
京都府立医大病院


10.関西の製薬準大手3社、新薬の開発を加速 4~9月期
日本経済新聞社2009年8月4日

 関西の製薬準大手3社は2009年4~9月期に、開発中の医療用医薬品(新薬候補)を患者に投与して有効性などを確認する臨床試験(治験)の段階を進め、研究開発費を前年同期より1~3割程度増やす。費用負担が膨らんで各社の営業利益は減る見通しだが、開発段階を素早く進めて早期発売を目指す。
 田辺三菱製薬は4~9月期の研究開発費を470億円と前年同期より25%増やす計画。国内ではC型肝炎の治療薬候補で最終段階の治験を始めており、米国では体内のリンが過剰になって骨が弱くなるなどの症状が起きる「高リン血症」薬候補の最終治験を進める。
 塩野義製薬は280億円と同35%増やす。開発中の新薬候補で治験費用のまとまった支払いが4~6月期に集中したことが主な要因。上期はこの影響が尾を引き営業減益になるが、通期は主力の高脂血症治療薬の伸びで8割増益となりそう。今後は日米で肥満症薬の開発などに注力する。
 大日本住友製薬は統合失調症薬の開発を日米などで進め、開発費が267億円と8%増える。主に米国での治験費用が膨らむ見通しだ。


11.【薬食審医薬品第二部会】日本発抗癌剤「ミリプラチン」が登場へ
薬事日報社2009年8月4日

バンコマイシン眼軟膏も了承
 薬事・食品衛生審議会医薬品第2部会は7月31日、肝細胞癌治療薬「ミリプラ動注用70mg」(一般名:ミリプラチン水和物、大日本住友製薬が製造販売)の承認を審議し、了承した。承認されれば日本発の抗癌剤となる。同日の部会で報告品目として了承された造影剤「ミリプラ用懸濁用液4mL」と混ぜ合わせて注入する。9月末に開かれる予定の薬事分科会に報告され、1カ月以内の承認となる見通し。
 「ミリプラ動注用」は、腫瘍血管に沈着する造影剤に抗癌剤を混ぜ合わせ、肝動脈に注入する「リピオドリゼーション」という方法で用いる。
 造影剤で腫瘍の血流を阻害し、栄養動脈を閉塞することにより、抗癌剤による抗腫瘍効果を向上させる。類薬に、アステラス製薬の「スマンクス肝動注用」がある。再審査期間は8年。再審査期間は10年。
 抗菌薬「バンコマイシン眼軟膏1%」(一般名:バンコマイシン塩酸塩、東亜薬品が製造販売)も審議され、了承された。薬事分科会に報告される。
 同剤の効能・効果は、バンコマイシンに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、メチシリン耐性表皮ブドウ球菌(MRSA)を適応菌種とする結膜炎、眼瞼炎、瞼板腺炎、涙嚢炎。従来の注射剤や経口剤ではなく、結膜などに塗れる軟膏にすることで、より有効性を高めた。 眼軟膏は、バンコマイシンの注射製剤を院内で軟膏に混ぜて使用されてきたが、安定性が悪く、刺激性があるなどの課題があり、日本眼感染症学会が製剤化を要望していた。
 承認条件として、▽感受性試験を含む市販後調査▽適正使用のための必要な情報を医療期間に提供する――ことが付された。MRSAによる眼病患者は国内で約6000人程度と少ないため、オーファン指定となった。
3品目を報告・了承
 部会では、3品目の承認、一部変更承認申請なども報告され、了承された。
 ▽ミリプラ用懸濁用液4mL(大日本住友製薬が製造販売):有効成分はヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル。ミリプラ動注用70mgの懸濁用に用いる。
 ▽エルプラット点滴静注液50mg、同100mg、エルプラット注射用50mg、同100mg(ヤクルト本社が製造販売):有効成分はオキサリプラチン。結腸癌における術後補助化学療法の効能・効果を追加、および剤形追加。
 ▽プリジスタナイーブ錠400mg(ヤンセンファーマが製造販売):有効成分はダルナビルエタノール付加物。HIV感染症を効能・効果とする新用量医薬品。オーファンに指定されている。


12.【経産省・08年度調査】大学発ベンチャーは約1800社‐バイオ系の赤字幅拡大
薬事日報社2009年8月4日

2008年度末時点で事業活動を行っている大学発ベンチャー企業数は1809社で、前年度から54社増加したものの、新規設立が縮小していることが、経済産業省研究班の調査で分かった。1社当たりの平均的な売上高は1億4700万円、雇用は9・5人だったが、営業利益の赤字体質は依然続いており、特に企業数が最も多いバイオ系で赤字幅が拡大した。
 大学発ベンチャーは、98年度に大学技術移転促進法が施行されて以降、増加の一途にあるが、04年度をピークに新設数は落ち込み、08年度も経済・金融情勢の影響で、大きな伸びは見られなかった。また、法体制が整備されてからは、大学で生まれた研究成果をもとにしたベンチャーや、大学と深い関係のある学生ベンチャーなどコアベンチャーが増え、98年度までは全体の半数程度だったが、08年度は8割を占めた。
 売上高の総計は、前年度を約200億円上回る2700億円、雇用は約1200人増の1万7000人に上る。さらに、直接の売上や雇用以外に、他企業の生産に及ぼす間接的な影響を含めると、経済波及効果は4803億円、雇用誘発効果は約3万3000人に達する。
 事業分野は、企業数ベースでバイオ系が35%を占めて最多だが、新設企業数は全体の22%に落ち込んだ。研究班では原因について、「バイオ系のベンチャーキャピタルからの投資の減少等も、影響しているのではないか」としている。バイオ系に続くのがITソフト系の30%、機械・装置系の19%で、機械・装置系は新設が比較的多い。
 創出母体となっている大学は252校で、最多は東京大学の125社。次いで筑波大学76社、大阪大学75社、京都大学64社、東北大学と東京工業大学の57社と、国立が上位を占めた。08年度新設が最も多かったのは、早稲田大学の6件だった。
 企業形態は、株式会社が77%で最も多く、株式公開している24社の半数以上がバイオ系だった。株式公開企業の規模は、従業員数は平均の5倍、売上高は10倍に上る。
 分野別業績では、資本金はバイオ系が4億4800万、IT系が6800万円と、バイオ系が高額であるものの、1社当たり平均売上高は、バイオ系が1億6200万円、IT系が1億8000万円と逆転。営業利益は、バイオ系が2億4500万円の赤字だったが、IT系は収支均衡だった。
 事業ステージは、バイオ系の45%が「研究段階」なのに対し、IT系は33%。さらに、「事業系段階」に進んでも、IT系は「単年度黒字・累積損失ない」が33%を占めるのに対して、バイオ系では13%と低い。
 研究班は、大学発ベンチャーが直面する課題として、▽人材の確保・育成▽「資金調達▽販路開拓--の3点を挙げ、特に近年は資金調達が難しくなっていると指摘している。


13.「簡易懸濁法」7割が導入-慢性期医療協会調査
CareerBrain2009年8月4日

日本慢性期医療協会はこのほど、療養病床における薬剤使用についてのアンケート結果を公表した。錠剤の嚥下が困難な人などに対し、錠剤をつぶさずに温湯に入れ、懸濁させた上で投与する「簡易懸濁法」を7割の施設が導入している。
調査は今年1月に会員の818施設を対象に行われ、182施設が回答した。回答した施設の平均病床数は208.7床で、薬剤師は平均で100床当たり常勤1.7人、非常勤0.2人が配置されている。
 アンケート結果によると、服用薬剤を最小限にするための努力をしているかとの質問に対し、「している」が64%、「していない」が32%、「無回答」が4%。入院定期内服薬で、服用薬剤の種類の平均値を聞いたところ、「4-6種類」が66%と最多で、以下は「4種類未満」21%、「7-9種類」12%、「10種類以上」1%と続いた。
 ジェネリック薬については、「積極的に採用」が61%、「どちらともいえない」が29%、「採用は消極的」が3%、「無回答」が7%だった。
 また、「簡易懸濁法」の導入については、69%が「している」と回答し、「していない」が24%、「無回答」は7%だった。
 導入していない理由として、「看護師の協力が得られない」が24%、「簡易懸濁法をよく知らない」が20%、「医師の協力が得られない」が11%となった。
 このほか、高齢者が使用を避けた方がよい医薬品をリスト化した「Beers Criteria日本版」について「知らない」と回答した施設は54%で、「知っている」の39%を上回った。知っていると回答した施設でも、「活用していない」が80%を占めた。


14.“痕跡器官”とされた脾臓の役割解明
National Geographic News2009年8月4日

人体には虫垂や扁桃腺、余った血流路など、痕跡器官と呼ばれる臓器が存在している。進化の名残ともいえるこのような器官は、あっても無くても人体にはそれほど影響がないと考えられてきた。しかし、医療研究技術の発達に伴い、痕跡器官にも実際には懸命に働いている臓器があることがわかってきた。
 痕跡器官の好例が脾臓である。最新の研究によると、損傷を受けた心臓の回復に欠かせない役割を果たしていることが判明したという。脾臓は腎臓に似た形で腹部の左上部分にある。感染を検知する役割や、損傷を受けたり古くなった赤血球を破壊する機能を持つ。しかしこの臓器を切除しても人は生きていくことができるので、不必要なものだと考えられてきた。
「Science」誌の7月31日号に掲載された今回の研究では、脾蔵に大変重要な役割があることがわかった。
 研究チームがマウスで調べたところ、多数の単球(単核白血球)が脾臓に貯蔵されていることがわかった。単球は白血球細胞の一種で、免疫防御や組織修復に欠かせない存在である。単球はほかの種類の白血球細胞と同様に骨髄だけで生成され、血流中に貯蔵されると考えられてきた。
 しかし脾臓の単球は血液中の10倍余りに及び、血液より圧倒的に重要な単球の貯蔵庫であることがわかった。このような特性から、脾臓の役割は大きく見直されることになる。研究チームの一員で、アメリカのマサチューセッツ州ボストンにあるマサチューセッツ総合病院システム生物学センターのフィリップ・スウィルスキ氏は次のように説明する。
「研究用マウスが心臓発作後に健康状態を取り戻す際、回復に関与した単球の40~50%は脾臓に由来するものであった。心臓発作を生き延びるには、心臓機能が適切に回復する必要があり、その回復は損傷部位の修復に携わる単球に依存する。これまで、発作後すぐに心臓に単球が蓄積するのは、血液中を循環していた単球が集まるためと考えられてきた。しかし、計算の結果、心臓に蓄積した単球の数が血液循環中の単球の数をはるかに上回ることが判明した。一方、脾臓を切除してから心臓発作を誘発したマウスの場合、蓄積した単球の数は大幅に少なかった」。
 簡単に言えば、脾臓のないマウスは、脾臓のあるマウスと同等の水準で回復することができなかったのだ。
 この現象は人間にも当てはまると考えられる。1977年に医療学術雑誌「The Lancet」に発表された研究では、第二次世界大戦の帰還兵の健康状態を20年にわたり追跡調査しており、その中には脾臓を持つ人も、戦争中の負傷が原因で脾臓を失った人も含まれていた。
 そして、脾臓のない人は、脾臓のある人に比べて心臓病や肺炎で命を落とす確率が2倍も高かったことが判明している。「当時も脾臓が重要な役割を果たしていることは理解されていたが、その仕組みがわかっていなかった」とスウィルスキ氏は話す。
 アメリカのニューヨーク市にあるマウントサイナイ医科大学で解剖学および機能形態学の代表を務め、アメリカ解剖学会(AAA)次期会長のジェフリー・ライトマン氏は、今回の研究を受けて次のように話す。
「このような研究結果は驚くことではない。役立たずと言われ続けた臓器でも、その役割を理解できるほど医療科学が発達していなかっただけという事例は歴史上にたくさんある。切除しても生きていけるという考え方は非常に危険だ。健康な臓器をむやみに切除すると、大きな代償を払うことになる可能性がある」。
 医療技術が十分に発達した先進国の生活環境が、痕跡器官の重要な機能を見えなくさせていることもある。その典型が虫垂である。盲腸の端にぶら下がるように付いている細い管状の虫垂は、おそらく役立たず臓器として最も有名だろう。しかし、虫垂にも重要な機能があったのだ。
 その役割は、2007年に「Journal of Theoretical Biology」誌に発表された研究で明らかになった。研究チームの一員でデューク大学医療センターの外科部門助教授ビル・パーカー氏は、「あまりに清潔な環境にいる動物や人間を研究しているだけでは、虫垂の機能を解明するのは困難だろう」と指摘する。
 虫垂は役立たずどころか、実際には食料の消化を助ける善玉菌の貴重な貯蔵庫だった。「虫垂は、非衛生的で寄生虫の多い環境に合わせて進化した結果だ。下痢性疾患が当たり前のように広がる地域では、病後の腸内善玉菌の回復に虫垂が欠かせない」とパーカー氏は話す。
 前述したマウントサイナイ医科大学のライトマン氏によると、生活様式と人体の組織構造が大きくかけ離れたもう1つの典型として、側副血行路が挙げられるという。通常の血流路が詰まった場合や損傷を受けた場合に、ある種の静脈や動脈が別の道を確保する。これが側副血行路であるが、少なくとも現在では痕跡器官と考えられている。
 ライトマン氏は、「ひじやひざ、肩などには側副血行路があるが、脳の大部分や心臓にはそれがない。なぜ命にかかわる器官にはなくて、ひじにはあるのか? 脳卒中や心筋梗塞(しんきんこうそく)にかかる年齢が50代や60代であることを考えればわかるだろう。人体の設計図が固まった頃には、そこまで長生きする人はいなかったんだ」と話す。
 はるか昔、狩猟採集を行い現代よりもはるかに短い人生を営んでいた原始の人類の時代に、私たちの体は形作られた。その事実が役立たず臓器を理解するカギだとライトマン氏は言う。「私たちの暮らす環境は大きく変わった。しかし、私たちの体はそれほど変わっていない」。


15.リハビリで呼吸機能改善 運動療法に栄養指導、教育 COPD患者らに効果
共同通信社医療新世紀2009年8月4日

慢性閉塞性肺疾患(COPD)の患者に、運動療法と栄養指導、教育を組み合わせた包括的なリハビリを継続し、呼吸機能の維持、改善を図る取り組みが効果を上げている。負担を軽くして長続きするよう工夫した。
 ▽悪循環断ち切る
 COPDは肺で酸素の交換などを行う肺胞や、気管支に障害が起き、息切れやせき、たんを伴う病気。重症化すると日常生活に支障が出たり心不全になったりする。たばこが主な原因で、国内に500万人以上と推定される患者は今後も増加するとみられている。
 「患者は動くと息切れしやすいため不安感が増し、横になったり座ったりの生活になりがち。その結果、食欲や体力、筋力が落ちてさらに息切れや呼吸困難が悪化してしまう。この悪循環を断ち切る必要がある」
 リハビリの目的をこう説明するのは、市立秋田総合病院 (秋田市)の理学療法士、高橋仁美・技師長。呼吸器内科や秋田大医学部と共同で1990年代半ばからチームによるリハビリを手掛ける。
 ▽2週に1度
 高橋さんによると、欧米では負荷の強い運動を短期間行う運動療法がリハビリの中心だが、継続しにくいのが問題。このため「長続き」を目標につくったのが現在のプログラムで、薬物療法や酸素吸入といった基本的な治療への上乗せ効果も狙う。
 患者は2週間に1度、呼吸器内科の外来を受診するのに合わせて、院内のリハビリ室を訪れる。
 「COPDの患者は息を吐くのが難しいため肺の中に空気が残り、心臓を圧迫するなどしてしまう」と、高橋さん。リハビリでは空気を外に出しやすくしたり、息切れを起きにくくしたりする呼吸法の介助や指導、呼吸の妨げとなるたんの排出を促す手技などを行う。
 運動は、呼吸を整えながらの歩行や、上下肢などの筋肉トレーニング、呼吸に関連する筋肉のストレッチが中心。自宅でも続けてもらうが、ダンベルやバンドなどの道具を使ったり、屋外の歩行を中心とするやり方は患者によっては負担が大きいため、いすに座ってできる体操も考案した。
 ▽1日1万歩も
 呼吸や運動機能と関連する栄養状態を把握し、食事や栄養補助食品の取り方を説明する指導も実施。さらに、ほぼ月に1回「呼吸教室」を開催し、運動、栄養療法などについてスタッフや外部の専門家らが講演する。患者や家族に参加してもらい、病気の知識やリハビリ継続の意識を高めてもらうのが目的だ。
 COPDのため5年前からリハビリを続ける男性(68)は昨年、腫瘍で右肺の一部を切除する手術を受けたが、今では1日約1万歩を歩く。「頑張らないとまた悪化する。毎日歩数を日記に付け『治るんだ』と思ってやっています」
 包括的リハビリを実施した患者としなかった患者、各約40人の1年後の状態を比較したところ、肺活量などの呼吸機能のほか、呼吸筋の筋力、全身の持久力を示す6分間の最大歩行距離、患者の生活の質(QOL)を測る指標の数値は、いずれも有意に改善した。
 リハビリを5年間続けた人は、3年後までは呼吸機能などが改善。その後徐々に低下しても開始時よりはよい状態で、高橋さんは「呼吸機能が低下し続けるCOPD患者にとって、リハビリ継続の重要性が確かめられた」と話す。
 リハビリの対象は容体が安定している人だけではない。高橋さんは入院中の急性期の患者にも、ベッド上に座ってもらったり体位を変えたりするなど、状態に応じ可能な限り体を動かしてもらう。換気量が増えるなどして、合併症予防や早期の離床につながるという。


16.合併症を防ぐ糖尿病治療 -血糖コントロールの重要性-
日経メディカル2009年8月4日

第52回日本糖尿病学会年次学術集会 ランチョンセミナー
UKPDS 80に代表される長期観察研究により、糖尿病に合併する細小血管障害および大血管障害の発症および進展を阻止するには、早期から厳格に血糖コントロールを行うことの重要性が明らかとなった。2009年5月22日に開催された第52回糖尿病学会年次学術集会のランチョンセミナーにおいて、山口大学の谷澤幸生氏は「合併症を防ぐ糖尿病治療 -血糖コントロールの重要性-」と題して講演を行った。
早期からの厳格な血糖コントロールと血圧、脂質を含めた総合的な管理が重要
 糖尿病合併症の発症・進展抑制における血糖コントロールの意義は、種々の大規模臨床試験で検討されている。細小血管障害の抑制に関しては、1型糖尿病を対象としたDCCT(Diabetes Control and Complications Trial)および2型糖尿病を対象としたUKPDS(United Kingdom Prospective Diabetes Study) 33で明らかにされた。一方、大血管障害に関しては、UKPDS 80により糖尿病発症後早期からの厳格な血糖コントロールの重要性が示され、Steno-2試験では血糖以外の複数の因子を視野に入れて管理する必要性が示唆された。谷澤氏は、「2型糖尿病における細小血管障害、大血管障害の抑制には、発症後早期から厳格な血糖コントロールをめざすとともに、血圧、脂質を含めた総合的な管理が重要」と述べた。
有効性、安全性、経済性において有用度の高いSU薬
 2型糖尿病の治療にあたっては、個々の患者の病態を的確に把握し、状況に応じて適切な薬剤を使用することが大切である。また、最近では2型糖尿病の進行に膵β細胞機能が関与している可能性が示唆されており、膵β細胞機能の温存を念頭に置いた治療の重要性も指摘されている。谷澤氏は、米国糖尿病学会(ADA)と欧州糖尿病学会(EASD)のコンセンサスアルゴリズムで「十分に実証された中心的治療」として位置づけられているSU薬に着目し、(1)確実な血糖降下作用が得られる、(2)低血糖以外の副作用が少ない、(3)費用対効果に優れる、と特徴をまとめた。SU薬に関しては、膵β細胞のアポトーシスを誘発し二次無効を引き起こすのではないかとの指摘もあるが、現在までにSU薬についてそのようなエビデンスは報告されておらず、グリメピリド(アマリール)などでは長期間にわたり血糖コントロールが良好に維持されることが示されている(図)。谷澤氏は、「2型糖尿病治療において多くの優れた実績を持つSU薬は、有効性、安全性、経済性の面から有用度が高く、今後も経口血糖降下薬の中心的存在として位置づけられるであろう」と、実地臨床における有用性を評価した。
◆セミナーの詳細は下記URL
http://medical.nikkeibp.co.jp/all/special/sa/amaryl/5-1.html


17.夏バテの漢方治療にはこの4方剤で臨む
日経メディカル2009年8月4日

そろそろ、夏バテの患者さんが来院する時期になりました。西洋医学的には、点滴をするくらいしか治療方法がありませんが、漢方では夏バテに効く処方があります。今回は、患者さんに喜ばれる夏バテの漢方薬を紹介します。もし、ご自身が夏バテでお困りでしたら、まず先生方からお試しください。
 夏バテで大学病院の総合診療部を受診する患者さんは少ないので、今回提示するのは、私が大学病院以外で経験した症例に若干、手を加えた架空のものです。 西洋医学で患者さんが来院した場合、主訴に対して鑑別診断を行います。漢方でも、患者さんの主訴に対してどの漢方薬を処方すべきかを考える「鑑別処方」という考え方があります。
 夏バテといっても様々ですが、食欲不振や全身倦怠感が主な症状です。食欲不振に対して、まず思い浮かべる漢方薬には、補中益気湯(ほちゅうえっきとう、ツムラTJ-41)、六君子湯(りっくんしとう、ツムラTJ-43)、十全大補湯(じゅうぜんだいほとう、ツムラTJ-48)、清暑益気湯(せいしょえっきとう、ツムラTJ-138)の4方剤があります。これらを知っておくと、夏バテによる食欲不振の大半に対応できると思います。この4方剤の鑑別は、以下の症状や身体所見で行います。
補中益気湯:全身倦怠感、四肢倦怠感、微熱、寝汗など
六君子湯 :心窩部のつかえ、四肢冷感、胃がチャポチャポいうなど
十全大補湯:全身倦怠感、顔色不良、手足の冷え、皮膚乾燥など
清暑益気湯:全身倦怠感、尿量減少、自然発汗、手足の熱感、下痢など
 特に下線を引いた所見は、4方剤を鑑別する上で重要です。
 一方、もう一つの症状である全身倦怠感に対して思い浮かぶ漢方薬も、補中益気湯と十全大補湯の2方剤であり、食欲不振に使う漢方薬と重複しています。ですから、食欲不振の患者さんに処方する漢方薬を覚えれば、全身倦怠感に関しては解決することになります。食事を取れるようになれば、元気になるというわけです。
【症例1】
 では、実際の症例を見てみましょう。患者さんは72歳の女性です。
主訴:食欲不振
既往歴:家族歴に特記すべきことなし。
現病歴:もともと冷え症だったが、最近、暑さのために冷たいものを飲み過ぎ、冷房が効いた部屋に長くいたため、四肢が冷えて身体がだるくなり、胃のあたりがつかえる感じがするようになった。下痢は認めない。
 先生方は、上記の4方剤からどの漢方薬を選びましたか? 前述した鑑別処方のキーワードに着目すると、下線で示した症状から六君子湯が浮かびます。六君子湯を処方すると、おそらく患者さんは良くなるでしょう。答えは六君子湯です。
【症例2】
 次の症例を提示します。患者さんは68歳の男性です。公務員を退職後、家庭菜園を楽しんでいます。
主訴 :食欲不振
既往歴:高血圧症で、近医にてアンジオテンシン受容体拮抗薬と利尿薬を処方されている。
現病歴:最近、家庭菜園が楽しくなり、昨年よりも作付けを増やし、畑仕事をするようになった。暑い中、日中も作業し、汗をよくかいている。3日前ごろから食欲不振、全身倦怠感、皮膚の乾燥などを自覚している。
 西洋医学的には、汗をかいており、高血圧治療のために塩分制限をしている上、利尿薬も服用しているため、塩分が不足していることが予想されます。塩分摂取を指導し、利尿薬の休薬も考慮すべきだと思われます。この症例ではどの漢方薬を選びましたか?
 漢方的には、皮膚の乾燥症状から「血虚」という状態が考えられます。これは、血液中のホルモンや栄養素の不足による病態です。本症例では塩分不足ですね。今回の鑑別処方の考え方を用いると、下線で示した症状から正解は十全大補湯になります。
【症例3】
 もう1例示します。患者さんは48歳の男性で営業職の方です。
主訴 :食欲不振
家族歴:既往歴に特記すべきことなし。
現病歴:もともと胃腸は丈夫な方ではないが、8月に入って暑い日が続き、冷房の効いた部屋での作業と外回りを繰り返しているうちに、食欲不振、四肢の倦怠感、寝汗を自覚するようになった。
 前述した鑑別処方のキーワードに着目すると、下線で示した症状から、答えは補中益気湯であることが分かります。
 最後に残った清暑益気湯は、夏ばての患者さんで、手足の火照り、止まらない汗、下痢のある方が、適応になります。
 この夏、夏バテの患者さんが来院されたら、ぜひ漢方薬をお試しください。この記事で示した4方剤で、大部分の患者さんは元気になると思います。問診では、4方剤を鑑別するキーワードを必ず聞いてください。
 今回は、夏バテに対して、パターン認識で処方を行う鑑別処方の考え方を紹介しました。人間の身体は面白いですね。同じ暑さというストレスでも、体格は体質などの違いによって異なる症状が出現し、それでいてある種のパターンが存在しています。古来、医師たちは、このパターンを「陰陽」「虚実」といった言葉で表現し、薬を使い分けてきました。素晴しい知恵だと思います。
4方剤を鑑別するキーワード
補中益気湯 全身倦怠感、四肢倦怠感、寝汗
六君子湯 心窩部の痞え、四肢冷感
十全大補湯 全身倦怠感、皮膚乾燥
清暑益気湯 全身倦怠感、尿量減少、自然発汗、手足の熱感、下痢


18.特集:VRE対策は京都に学べVol.2 6割の病院がVRE監視体制に参加した理由とは
日経メディカル2009年8月4日

2005年の京都市内の医療機関でのVRE集団感染と、それに続く京都府内での保菌者の増加を受けて、VRE調査班は、(1)京都全域でVREがどれくらい蔓延しているか調査する体制(2)病院ごとにVREを常時監視する仕組み――の2つによって京都府全域でVREを監視する体制を構築した。
 京大、京都府立医大、京都市立病院の3施設によるVRE調査班による2005~06年の調査により、京都府内全域にVREが拡大しつつあることが判明した。京大病院検査部・感染制御部教授の一山智氏らは、京都府全域でVREがどの程度拡大しているのかを、地域的に、また病院ごとに、定期的に把握する体制が必要と考えた。
夏1回、医療機関や介護施設を匿名で検査
 まず、京都全域でVREがどれくらい蔓延しているかを調べるために行ったのが、京都府の入院病床を有する医療機関と介護施設を対象とした保菌状況の調査だ。
京大病院検査部・感染制御部の一山智氏は、「感染対策は継続してこそ意味がある。今後もこの体制が維持できるよう、根気強く努力していく」と話す。  介護施設を含めた理由は、高齢者は入退院を繰り返していることが多く、介護施設の入所者が入院先の医療機関でVREに感染し、その後、介護施設において、おむつ交換などの際に感染が拡大する――といったルートが想定されるためだ。介護施設でVRE感染が拡大すると、その施設が保菌者の供給源となり、病院にVREを頻繁に持ち込む可能性がある。
 調査は、入院・入所から1週間以上経過した患者のうち、オムツを付けている患者や、経管栄養チューブや胃瘻、尿路カテーテル留置などのハイリスクの患者を対象に、病床数・入所者定員の10~15%の患者数をランダムに選び、年1回夏に行うことにした。
 当初は、匿名性を守るために、VRE調査班も、検体を提出した医療機関も、どの施設でVREが検出されたかを知ることができないようにしていた。しかし、調査を行ううちに、京都市内の1割以上の医療機関で既にVRE検出経験があることが分かり、VREはもはや珍しくないものと判断。現在は、一般社会への公表は控えるものの、VRE調査班では検出施設が分かるようにし、VRE保菌者の存在が確認された医療機関には、フィードバックと共に、VRE調査班と保健所による感染対策の個別指導が行われるようにした。
京都府の入院病床持つ医療機関の60%が参加
 2つ目に取り組んだのが、医療機関ごとにVREの発生状況を常時監視する、「京都VRE監視ネットワーク」の構築だ。同ネットワークでは、京都府内の入院病床を有する医療機関において、通常の細菌検査に出された便検体のうち、病床数に応じて一定数をランダムにVRE選択培地で培養し、スクリーニングする。VREが疑われた場合や、VREが検出された場合には、速やかにVRE調査班と保健所に連絡する。
 こうした取り組みを進める上で懸念されたのは、どのくらい多くの医療機関や介護施設から協力を得られるか、という点だった。VREは病原性が弱く、高齢者であっても症状を呈することがほとんどない。このため、中小規模の医療機関や介護施設などがわざわざ手間のかかる作業を行ってVRE監視体制に参加しても、直接的なメリットはないのが実情だ。逆に、調査に参加してVREが検出され、風評被害で入所者が減る可能性すらある。
 そこで一山氏らは、参加施設に京都府全体のVRE検出状況の月間報告書を配布し、VREが検出された場合は、調査班から感染対策や院内調査について助言や指導を受けることができるようにした。また、VREを検出するための特別な培地(VRE選択培地)の無料配布など、検査費用の一部もVRE調査班が負担。その甲斐あってか、最終的には、京都府内の60%の医療機関(108施設)が参加を希望したという。
 「VRE対策で一番大切なのは、保菌者を見付けるための保菌調査。地域や各病院で、VRE保菌者がまだ少数の段階で感染拡大に気付くことができる仕組みを作ることで、VRE検出情報を共有して感染対策への意識を喚起し、各施設における対策を援助できる流れを作りたかった」と一山氏は話す。京都VRE監視ネットワークについては、2005年度からの3年間、京都府および京都市より合計600万円の経済的支援を受けながら運営していたが、その後は、一山氏らが受けている補助金や、検査会社の協力を得て、独自に運営しているという。


19.CSFバイオマーカーで初期アルツハイマー病を予測する?
CareNet2009年8月4日

これまで、CSFバイオマーカーで、軽度認知障害(MCI)患者における初期アルツハイマー病(AD)を同定することは、小規模単一施設スタディでは可能であることが示されている。スウェーデンSahlgrenska大学病院臨床神経化学研究所のNiklas Mattsson氏らは、大規模な多施設治験を行い、CSFバイオマーカー[測定蛋白:amyloid1-42(A42)、total tau protein(T-tau)、tau phosphorylated(P-tau)]の診断精度を評価し、初期ADを予測できるかどうか評価を行った。JAMA誌2009年7月22・29日合併号より。
軽度認知症患者のAD発症を予測できるか評価
本研究はヨーロッパとアメリカの12施設で1990~2007年の間に行われた各試験を対象とし、2段階構成で評価が行われた。まずカットオフポイントを同定するためのAD患者と健常者対照群が関与する断面調査が行われ、その後MCI患者が関与する前向きコホート研究で評価が行われた。MCI患者は総計750例、AD患者は529例、対照群は304例だった。
MCI患者は2年以上、あるいは臨床的に認知症へと症状が進行するまで追跡された。主要評価項目は、CSFバイオマーカー(A42、T-tau、P-tau)が初期ADだと特定できた感度、特異度、および尤度比とされた。
感度83%、特異度72%、陽性予測値62%、陰性予測値88%
追跡期間中、MCI患者でADと診断されたのは271例、その他認知症と診断されたのは59例だった。
マーカー測定値では、特にA42に関して、かなりのバラつきが見られた。
追跡期間中に、MCI患者でADを発症した患者と、しなかった患者とではマーカーの各値に違いが見られた。A42は、発症した患者のほうが低かったが(中央値ng/L比較:356 vs. 579)、T-tau(同:582 vs. 294)、P-tau(81 vs. 53)は発症群のほうが高かった(P
http://fcm-news.blog.so-net.ne.jp/2009-08-05

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