"メディカル情報をもしもの時の備えに。 医療情報をチェックチェック!"
Aug 25, 2009****************************************
1.新型インフルワクチン 妊婦、乳幼児ら優先
2.新型インフルワクチン、国内治験なし承認も 早期接種へ
3.新型インフル:脳症疑い2人確認 重症6人に/沖縄
4.新型インフル、病院や役所感染次々…行員ら自宅待機も/西日本
5.20代以下に集中、ほとんど新型=流行入りしたインフルエンザ-感染研
6.新型インフル「米国民の半数感染、死者9万人」予測
7.新型インフルエンザに関する報道発表資料
8.インフルエンザ累積報告数・定点当り累積報告数、疾病・都道府県・性別(総数)
9.ES細胞培養、無重力で成功 広島大教授ら世界初
10.[解説]薬の取り違え事故
11.医療ナビ:ワクチン療法 免疫療法の一種。効果と少ない副作用で実用化に期待
12.無重力では子供できない!?哺乳類の場合
13.うつ病どう教える 理解促す教材キット開発
14.HGSが電子データ収集ソフトで狼瘡薬臨床試験に成功=米DSG〔BW〕
15.「開業医の質」認定制度創設へ 来年、関連3学会が合併
16.抗がん剤の脱毛を予防 頭皮冷却装置、治験開始へ 効果と安全性示すデータ
17.1日1杯のビール、がんになるリスク高める可能性=研究
18.がん病巣100%切除に成功 岡大開発の細胞光らせるウイルスで
19.ワクチンを売りにくい国、日本
20.盛夏過ぎても油断できない食中毒
21.抗うつ薬による自殺リスクは加齢に伴い低下
22.地中海式ダイエット食、認知症とは無関係? 認知機能低下は抑制する?
23.地中海式ダイエット食が、アルツハイマー型認知症リスクを低減する?
24.MRI Might Find Early Alzheimer's
25.Wider Waist Boosts Asthma Risk
26.Glucose Challenge in Pregnancy Could Predict Heart Disease
27.プレスリリース
1) FDA Issues Early Communication about Ongoing Safety Review of Weight Loss Drug Orlistat Review includes both prescription drug Xenical and OTC drug Alli
2) ハートケア情報委員会 「インフルエンザと心臓病」に関する解説を追加
3) 武田薬品など、パニツムマブの進行・再発の結腸・直腸癌を対象とした臨床試験結果を発表
4) 大日本住友製薬、情報提供を目的とした患者さん向けコンテンツ「ファブリー病とは」を開設
5) 日本光電、小型で静粛性に優れた高出力タービン内蔵の人工呼吸器を発売
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1.新型インフルワクチン 妊婦、乳幼児ら優先
読売新聞社2009年8月25日
国産10月下旬供給
大流行が懸念される新型インフルエンザ用のワクチンについて、舛添厚生労働相は25日の閣議後記者会見で、妊婦と乳幼児、ぜんそくなどの持病がある人など合計1700万人に優先接種する意向を示した。
国内で製造したワクチンの供給は10月下旬から始まることも表明。国内供給分では不足する分を海外から輸入する意向も改めて示し、薬事法に基づく「特例承認」を初適用し、国内での臨床試験(治験)を簡略化して供給を急ぐ方針を示した。
輸入交渉は難航
舛添厚労相は、準備するワクチン量を5300万人分とし、その内訳として「(糖尿病やぜんそく、心臓や腎臓の慢性疾患など)持病がある人」1000万人、乳幼児600万人、小中高校生1400万人、妊婦100万人、治療にあたる医療従事者100万人、65歳以上の高齢者2700万人(600万人は持病がある人と重複)などが入るとした。
舛添厚労相はこのうち優先接種の対象として、「妊婦と乳幼児、持病がある人が計1700万人」と位置づけた。計1700万人分は、国内生産量に当たる量だ。
不足分について輸入で補う方針については、専門家から安全性を巡って異論や批判が出ていることを踏まえ、「副反応(副作用)が出たときのメーカーの免責をどうするか、予防接種法との絡みで難しい問題がある」と指摘。免責を求める海外メーカーとの契約交渉が難航していることから、「将来的には予防接種法の改正も視野に入れて議論する必要がある」と述べた。
輸入に向けて検討する特例承認は、国内での臨床試験を実施する前に海外でのデータだけで国内使用を承認する例外的な措置。26日に専門家の会議を開き、正式に決定する。
一方、ワクチン接種の金銭的負担については、「ワクチン代そのものは基本的には国費の負担にしたい」と述べた。接種にかかる経費については今後検討すると述べたが、低額所得者の負担は全額無料とする方針を示した。
新型が97%…ウイルス分析
インフルエンザの感染が拡大し始めた7月6日以降、患者の97%は新型に罹患していることが、国立感染症研究所のまとめで分かった。
感染研が先月6日以降の患者のうち2857人のウイルスを分析したところ、2774人が新型で全体の97%を占めた。
感染研は全国約5000の拠点医療機関を対象に、インフルエンザ患者の定点調査を行っている。最新の1週間(8月10~16日)では、1医療機関あたりの患者数が1・69人となり、全国で11万人の患者が発生したと推測されている。
2.新型インフルワクチン、国内治験なし承認も 早期接種へ
朝日新聞社2009年8月25日
舛添厚生労働相は25日の閣議後会見で、新型の豚インフルエンザ用ワクチンを医療現場に早急に供給するため、ワクチン輸入にあたり薬事法の特例承認を初めて適用する考えを明らかにした。海外で臨床試験(治験)が実施されていれば、国内で改めて治験をしなくても承認する方針。
政府の決定が必要になるため、舛添氏は「最終的には総理がご決断する」と述べた。
副作用の可能性が残るため、舛添氏は「非常に難しい問題。専門家や薬害被害者の意見も聞き、コンセンサスを得たい」と話した。26日にも専門家らとの意見交換会を開く。医薬品を輸入するには国内で再び治験をするのが通例で、最短でも半年かかるとされる。
また国産ワクチンについて舛添氏は「10月下旬に出荷が可能とメーカーから聞いている」と話した。厚労省はどんな人から使うかの優先順位を9月中に決め、10月にも接種を始めたいとしている。
厚労省は接種対象を5300万人とみている。国産の供給量は年内に1300万~1700万人分にとどまる見通しのため、舛添氏は不足分を輸入で賄う考え。接種対象は医療従事者100万人▽持病がある1千万人▽妊婦100万人▽乳幼児600万人▽小中高校生1400万人▽高齢者2700万人(持病がある600万人を含む)。
一方、厚労省は25日、感染症法施行規則を改正し、新型の豚インフルの患者が出た場合の医師の届け出義務をなくしたと発表した。
3.新型インフル:脳症疑い2人確認 重症6人に/沖縄
毎日新聞社2009年8月25日
県新型インフルエンザ対策本部は24日、新たに3人の新型インフルエンザ重症患者が確認されたと発表した。県内の重症患者は6人となった。重症となっているのは八重山保健所管内在住の47歳男性、南部保健所管内在住の8歳の男児、中部保健所管内在住の10カ月の男児。そのうち47歳男性と8歳男児は新型インフルエンザ脳症疑い。県によると国内では18日までに15人の脳症患者が報告されているが、県内で脳症疑いの患者が確認されたのは初めて。
47歳の男性は慢性腎不全の基礎疾患がある。20日に診療所を受診し、受診直後から意識障害、けいれんが始まり全身状態が悪化。新型インフルエンザ脳症疑いで海上保安庁ヘリで石垣島に搬送され、現在人工呼吸器を装着し治療中。意識不明で肺炎を併発している。
8歳男児は熱性けいれんと右脳萎縮の基礎疾患がある。21日からのどの痛みと咳(せき)があり、22日夜から39度の発熱があり、23日に医療機関を受診した際にけいれんを起こした。新型インフルエンザ脳症疑いで人工呼吸器を装着して治療中。頭部CTでは明らかな異常は認められなかったという。
10カ月の男児は17日から発熱、咳などの症状があり、医療機関を受診し肺炎が認められ入院した。その後肺炎が進行し、呼吸状態も悪化したため、24日から人工呼吸器を装着し治療をしている。基礎疾患はない。
4.新型インフル、病院や役所感染次々…行員ら自宅待機も/西日本
読売新聞社2009年8月25日
新型インフルエンザの感染の広がりで、西日本では24日、学級閉鎖を決めた学校が相次いだほか、医療機関や市役所、銀行でも職員らの感染が判明して、自宅待機に。いずれも軽症といい、自治体などは市民らに感染予防を呼びかけている。
京都市立西京極中(右京区)では、1年の1クラス(39人)で生徒5人の感染が確認され、24日午後から28日までの学級閉鎖を決めた。同校は21日から、夏休み明けの授業を始めている。
25日に始業式を予定している京都府南丹市の府立園部高付属中は1年の1クラス(40人)で8人に感染の疑いがあることがわかり、25~28日を学級閉鎖にした。
一方、京都大病院(京都市)は、小児病棟に勤務する20歳代前半の看護師の男女6人が感染した可能性がある、と発表した。接触のあった患者のうち、発症すると重症化する恐れのある12人と、同じ病棟の看護師10人にタミフルを予防投与。患者1人については予定していた手術を延期した。
福井県済生会病院(福井市)では、医師や看護師ら8人に発熱などの症状があり、うち1人の感染が確認された。現時点で入院患者らへの感染は確認されておらず、通常の診療を続け、全職員にはマスク着用の徹底などを指示している。
神戸市は兵庫区役所で生活保護などを担当する保護課の職員7人に感染の疑いがあると発表。職員と接触した市民のうち、高齢者ら2人には健康に留意するよう伝えた。島根県浜田市でも4課の窓口職員計6人が集団感染した疑いがあり、市は窓口の職員約150人にマスクを着けさせている。
京都銀行では三条支店(京都市中京区)で30歳代の支店長代理の男性ら3人が感染。体調不良を訴えるなどした行員を含む12人を28日まで自宅待機にした。本店から行員の派遣を受けて窓口営業は続けるが、渉外営業は当面、自粛する。
5.20代以下に集中、ほとんど新型=流行入りしたインフルエンザ-感染研
時事通信社2009年8月25日
全国的な流行が始まったインフルエンザの患者は、20代までの若年層に集中していることが25日までに、国立感染症研究所のまとめで分かった。患者が増え始めた7月以降に検出されたウイルスのほとんどが、今春登場した新型だった。
安井良則主任研究官は「特に中高生は活動が活発で感染機会が多く、集団生活にウイルスが入り込むと広がりやすい。学校から流行が始まり、その後地域に広がるのは通常のパターン」としている。
同研究所によると、7月6日~8月16日に全国約4800カ所の定点医療機関から報告された患者は1万8438人。年齢構成は10~14歳が21.0%と最も多く、次いで5~9歳(20.3%)、15~19歳(17.9%)、20~29歳(15.7%)の順。季節性インフルエンザでは少ない5~19歳が流行の中心となっており、20代までで全体の85%を占めた。
この間に検出されたウイルスは、2857件のうち2774件(97.1%)が新型だった。
6.新型インフル「米国民の半数感染、死者9万人」予測
朝日新聞社2009年8月25日
【ケネディ宇宙センター(米フロリダ州)=勝田敏彦】オバマ米大統領の科学技術諮問委員会(PCAST)は24日、秋から冬にかけ、最悪の場合、米国民の半数が新型の豚インフルエンザに感染し、約9万人が死亡するなどの予測を盛り込んだ報告書を発表した。1918~19年に大流行したスペイン風邪ほどではないものの、今回のウイルスは国に対する「保健衛生上の深刻な脅威」になるとして、政府に備えを求めた。
報告書によると、米総人口の30~50%が感染、最悪の場合、180万人が入院する。また30万人が集中治療室(ICU)で治療を受ける可能性があり、子どもや若者を中心に3万~9万人が死亡すると予測している。
米国では季節性インフルエンザで毎年約3万6千人が死亡しており、最悪の場合、その2倍強の予測だ。
早ければ米国の学校の新学年に当たる9月に第2波の流行が始まり、ピークを迎える10月中旬には新型対応ワクチンの接種が始まるものの、免疫ができるまで数週間かかるためにワクチンの有用性が大きく損なわれる可能性があるとした。
報告書は、新型に免疫を持つ人が少ないため、医療機関に大きな負担がかかると警告。米政府に対し、ワクチンの準備を急ぐことや、抗ウイルス薬の使用指針の明確化などを求めた。
PCASTは、米国で指導的役割を果たしている科学者で構成され、ホルドレン科学技術担当大統領補佐官らが共同で委員長を務めている。
7.新型インフルエンザに関する報道発表資料
厚生労働省2009年8月24日
新型インフルエンザ重症患者の発生について(沖縄県)
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/houdou/2009/08/dl/infuh0824-02.pdf
新型インフルエンザ患者の人工呼吸器使用症例について(神奈川県)
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/houdou/2009/08/dl/infuh0824-01.pdf
1.高病原性鳥インフルエンザに関する情報
インフルエンザウイルスには多くの種類(型、亜型)が存在し、一般的にカモやアヒルなどの水禽類は様々な種類のウイルスを保有していることがあります。通常、これらの鳥に病気を起こすことはありませんが、インフルエンザウイルスは頻繁に遺伝子の変異を起こしているため、まれに鶏などに強い病原性を示すウイルスが出現することがあり、そのウイルスに感染した家きん等は高率に死亡します(高病原性鳥インフルエンザ)。そしてアジアやアフリカの一部の国では、現在でも、病原性が強いH5N1亜型インフルエンザウイルスによる発生が家きん等で確認されています。
鳥に感染するインフルエンザウイルスは、通常人に感染することはありません。しかし、感染した鳥またはその死骸と濃厚に接触(解体や調理等による血液、体液、排泄物等との接触)した場合にまれに感染することがあると言われています。
(1)世界における鳥インフルエンザ(H5N1)の発生状況(PDF:213KB)
※最新の発生情報についてはWHO(世界保健機構)のホームページをご覧ください。
(リンク先;http://www.who.int/csr/disease/avian_influenza/en/)
(2)愛知県家きん農場における鳥インフルエンザ(H7N6)について(平成21年2月)
(3)鳥インフルエンザに感染しないために
○ 野鳥からの感染防止
野生の鳥は、インフルエンザウイルス以外にも人に病気を起こす病原体を持っている可能性があります。日頃からつぎのことに注意しましょう。
■ 衰弱又は死亡した野鳥又はその排泄物を見つけた場合は、直接触れないこと。もしも触れた場合には、速やかに手洗いやうがいをすること。
■ 特に、子供は興味から野鳥に近づくおそれがありますので注意しましょう。
○ 海外での感染防止
特に、鳥インフルエンザが流行している地域に行かれる方は注意が必要です。
■ 不用意に鳥類に近寄ったり触れたりしない。
(特に、家きんが飼育されている場所、生きた鳥を販売している場所や食用に鳥を解体している場所には立ち入らない)
■ 鳥の解体や調理をしない。もしも鳥を扱った場合には必ずよく手を洗う。
■ 十分に加熱された鳥肉、卵などを食べる。
※ 日本に入国する際、発熱や咳など体調に異状がみられたら、検疫所の健康相談室に申し出てください。
8.インフルエンザ累積報告数・定点当り累積報告数、疾病・都道府県・性別(総数)
国立感染症研究所感染症センター2009年8月25日
2009年33週(08月10日~08月16日)
累積 定当 累積 定当
総数 1,270,516 267.48 三重県 16,600 237.14
北海道 40,501 179.21 滋賀県 13,513 259.87
青森県 12,981 202.83 京都府 27,424 224.79
岩手県 15,784 250.54 大阪府 69,805 246.66
宮城県 30,349 316.14 兵庫県 54,711 276.32
秋田県 16,252 295.49 奈良県 12,477 239.94
山形県 18,769 399.34 和歌山県 10,840 221.22
福島県 25,071 313.39 鳥取県 7,399 255.14
茨城県 26,894 224.12 島根県 7,790 205
栃木県 20,065 264.01 岡山県 18,913 227.87
群馬県 25,027 252.8 広島県 25,881 227.03
埼玉県 72,865 303.6 山口県 14,717 207.28
千葉県 64,104 317.35 徳島県 9,479 263.31
東京都 59,257 208.65 香川県 13,699 291.47
神奈川県 88,897 278.67 愛媛県 18,054 295.97
新潟県 36,750 382.81 高知県 13,353 278.19
富山県 13,363 284.32 福岡県 52,996 267.66
石川県 15,247 317.65 佐賀県 10,657 273.26
福井県 10,380 334.84 長崎県 22,470 321
山梨県 8,726 229.63 熊本県 17,838 222.98
長野県 27,662 317.95 大分県 15,247 267.49
岐阜県 15,174 176.44 宮崎県 21,874 377.14
静岡県 40,336 320.13 鹿児島県 29,011 311.95
愛知県 50,779 261.75 沖縄県 30,535 526.47
9.ES細胞培養、無重力で成功 広島大教授ら世界初
中國新聞社2009年8月25日
▽薬剤処理が不要に
広島大大学院保健学研究科(広島市南区)の弓削類教授=理学療法学、細胞生物学=の研究グループが、無重力環境を利用したマウス胚性幹細胞(ES細胞)の培養に世界で初めて成功した。従来の培養では不可欠だった薬剤などの処理が不要となり、再生医療の実用化に向けて大きな前進となる。
ES細胞は、神経や血管などさまざまな細胞に分化できる。細胞を増やす過程では、いかに分化を抑制できるかが課題となっている。現在は薬剤や動物由来の物質を使って抑制するしかなく、ES細胞が人間に有害な未知の病原体を含んでいたり、悪性化したりして、副作用が起きる恐れがあった。
弓削教授は、人が宇宙に滞在すると、筋力が落ち、骨密度が低くなる点に着目。無重力環境で細胞の分化が抑制されることから、ES細胞の培養への応用を考えた。
三菱重工業などと共同で、無重力に近い環境をつくり出せる装置「3Dクリノスタット」を開発した。回転運動を使って、一点に掛かる重力を360度に分散し、装置内を無重力に近い状態にできる。この装置でマウスES細胞を7日間培養すると、薬剤処理をしなくても細胞が分化せず約8倍に増殖した。
研究結果は国内外で評価され、弓削教授は今年、米カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)の客員教授に就任。今後、現地に研究室を立ち上げ、研究を深める。今月28日には、再生医療で世界の最先端を走る米ハーバード大で講演する。弓削教授は「米国留学中に取り組んだ、宇宙飛行士の健康管理に関する研究が生きた。次はヒトES細胞の培養に着手する」と話している。
▽安全性高く画期的
再生医療に詳しい堤定美・京都大名誉教授の話
ES細胞などの万能細胞を実用できない一番の理由が、がん化など人体への危険性があるためだ。今回の培養方法なら安全性が高まる。画期的な成功だ。無重力の状態は、胎内で赤ちゃんが育つ状況と似ており、分化がうまく制御できたのかもしれない。
●クリック 再生医療
病気や事故で損傷した臓器や組織を修復する医療。あらゆる細胞に変化できるES細胞や人工多能性幹細胞(iPS細胞)に刺激などを与えて神経や血管などに発達させ、体内で再生する。マウスES細胞は、マウスの受精卵から採取する。安全な再生医療の実用化を目指し、世界各国で研究が進んでいる。
10.[解説]薬の取り違え事故
読売新聞社2009年8月25日
紛らわしい名称 積極的に変更を
類似した名称の薬の取り違えによる患者の死亡事故が再び起き、薬剤名がようやく変更された。
【要約】
◇類似した名称の薬の取り違えによる死亡事故がなくならない。
◇事故防止のため、類似名称の医薬品は、名称変更を積極的に進めるべきだ。
死亡事故が起きたのは、徳島県鳴門市の健康保険鳴門病院。昨年11月、抗炎症剤サクシゾン(製造販売・興和)と間違えて、麻酔時に使われる筋弛緩剤のサクシン(製造販売・アステラス製薬)を点滴された患者が死亡し、今月20日、同病院の医師が書類送検された。
サクシンは1955年から販売されている薬で、呼吸停止を起こしやすく、毒薬に指定されている。サクシゾンが71年に発売されて以来、医療現場では取り違えの危険性が指摘されてきた。実は2000年にも、富山県の高岡市民病院で死亡事故が起きている。
今回の事故を受け、サクシンの商品名は先月、スキサメトニウムに改められた。再び死亡者が出てようやく名称変更が実現したのは、遅すぎる対応といえる。
00年の事故が起きるまで、薬剤名が既存薬と類似しているかどうかが承認時に問題にされることはなかった。このため厚生労働省研究班の01年度の調査では、名称が「1字違い」の薬は1500組超もあった。
事故後、厚労省研究班は類似した名前の薬をコンピューターで検索するシステムを開発。02年ごろからは、新たな承認申請については、既存薬に類似名称があれば承認前に変えるようになった。
一方、既存薬についても変更すべきだとの指摘は当時からあったものの、なかなか進んでいない。難しい背景には、ブランドとして定着した知的財産を手放したくない製薬会社側の事情がある。
事故防止策を指導する厚労省も、特許庁が認めた登録商標に口を出すことには及び腰で、表示をわかりやすくするなどの改善を求める程度で、名称変更を促すまでには至らなかった。今回、すでに広く使われている薬の名称が変更されたのは異例のことだ。
医療従事者が安全に細心の注意を払うのは当然だが、それでも人間の行為には、常にミスの可能性がつきまとう。安全策を徹底するには、行政や、安全な医薬品を届ける責務を持つ製薬会社も含めた全体的な取り組みが不可欠だ。そうでなければ、救える命を失う悲劇が繰り返されかねない。
サクシンの名称変更について、アステラス製薬は「ミス防止のため、ラベルの表示を明確にし、医療機関に注意喚起してきたが、重大な事故につながり、それだけでは不十分と判断した」と説明。また、主な製薬会社でつくる日本製薬工業協会は「薬のリスクの度合いなどにもよるが、医療事故防止のために必要であれば、紛らわしい名称は変更も検討すべきだと考えている」としている。
医薬品は、その成分そのものの副作用への注意はもちろんだが、名称や包装デザインなどについても、誤認せず正しく使用しやすい配慮や工夫が凝らされてこそ、十分な安全性を備えたものといえるのではないか。
類似名称による投薬ミスの問題に詳しい東京医科歯科大歯学部付属病院の土屋文人・薬剤部長は「投薬ミス防止の取り組みは、売り上げに直接結びつかないだけに、熱心な企業とそうでない企業に二極化している印象だ。医療従事者や行政はもちろんだが、製薬会社も、患者の安全に貢献する姿勢を積極的に示してほしい」と話している。
11.医療ナビ:ワクチン療法 免疫療法の一種。効果と少ない副作用で実用化に期待
毎日新聞社2009年8月25日
◆ワクチン療法 免疫療法の一種。効果と少ない副作用で実用化に期待がかかる。
◇抗原に反応したリンパ球が活性化 がん細胞狙い撃ち
「転移したがんが消えたのには驚いた」。山梨大医学部の河野浩二准教授(消化器外科)は、CT(コンピューター断層撮影装置)で撮影した肝臓の画像を見ながら語った。
約3年前、肺や肝臓に転移のある末期の食道がん患者10人を対象に、がんのペプチドワクチン療法を実施した。安全性を調べる臨床試験だったにもかかわらず、半数でがんの広がりが抑えられ、うち2人で縮小効果がみられた。食道がんは治りにくいがんとして知られており、手術後の5年生存率も、日本人に多い胃がんと比べて低い。
現在、山梨大を中心に、ペプチドワクチン療法の効果を調べる次の臨床試験が始まっている。手術と化学療法▽放射線治療▽進行がん--の食道がん患者各約60人が対象。河野准教授は「1~2年後までには結果がまとまるが、効果を期待したい」と話す。
■がん特有のペプチド発見
がんのペプチドワクチン療法は、免疫療法の一種。従来の免疫療法は、免疫細胞のリンパ球を増やした後、体内に戻すなどして、免疫を全体的に活性化させるというものだった。期待された時期もあったが、科学的な実証が進まないうえ、「免疫が正常ならそもそもがんにならない」として、懐疑的な研究者や医療関係者が少なくなかった。
ところが、近年の研究で、がん細胞には目印となるがん抗原があることが判明。ワクチンとして体内に投与すれば、がん抗原に反応するリンパ球が活性化するなどして、がん細胞だけを殺すことが期待できるようになった。さらに、この方法だと正常な細胞を攻撃しないため、副作用も少ないとみられる。
がん抗原として、東京大医科学研究所の中村祐輔教授(遺伝医学)らは、9~10個のアミノ酸が並ぶペプチドに注目。がん細胞の遺伝子解析で、食道がんやぼうこうがん、膵臓(すいぞう)がんなど、各がんに特有のペプチドを複数発見した。ペプチドをがん抗原として使うためペプチドワクチン療法と呼ぶ。ただしワクチンには白血球の型(HLA)などがあわないと使えない場合がある。
中村教授は「ペプチドは化学合成によって大量に作ることができる。実際にペプチドに反応したリンパ球が活性化し、がん細胞を攻撃するのか評価できるため、科学的な裏付けも可能だ」と語る。
■大学、企業で臨床試験
がんのペプチドワクチン療法は、全国で広がりつつある。中村教授は、06年に大学病院などで作るネットワークを発足させた。700人を超えるがん患者が登録され、各医療機関でこの治療が試みられている。
和歌山県立医大が、再発したり、手術できないほど進行した膵臓がんの患者15人に、化学療法と併せてペプチドワクチンを投与したところ、4割以上が16カ月以上生存した。化学療法だけでは16カ月の生存率は1割未満だった。また、これまでの成績では、4割強はがんが変化しなかったが、2割弱にがんの縮小がみられた。
民間企業も動き出した。ベンチャー企業のオンコセラピー・サイエンス(川崎市高津区)は、ペプチドワクチン「OTS102」の膵臓がんや胆のうがんへの効果などを調べる臨床試験を開始。製薬会社のメルクセローノ(東京都品川区)も、肺がんの一種で効果などを調べる臨床試験を始めた。
08年、国の先端医療開発特区(スーパー特区)に、このがんペプチドワクチン療法が選ばれた。大学病院など61医療機関が参加。国とも情報共有し、迅速な創薬化を目指している。
中村教授は「ペプチドワクチン療法は、作用の仕組みから、初期のがんや、手術後の再発予防により高い効果が期待できる。治療法のない多くのがん難民らも救うため、このワクチン療法を早期に実用化につなげたい」と語る。
12.無重力では子供できない!?哺乳類の場合
読売新聞社2009年8月25日
哺乳類の受精卵が育つには一定の重力が必要なことが、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の若山照彦チームリーダーと広島大の弓削類教授らの共同研究でわかった。
宇宙ステーションや重力の弱い月、火星では子どもができにくい可能性があり、未来の宇宙移住構想に影響しそうだ。25日付の電子版の米科学誌に発表された。
魚類や両生類は宇宙空間でも繁殖することが実験でわかっているが、哺乳類では1979年にロシアがラットの繁殖に失敗。その後は実験が行われていない。
研究チームは、弓削教授らが開発した装置「3Dクリノスタット」で、ほぼ無重力の状態を地上で再現。マウスの体外受精を試みた。
卵子が受精する確率や、受精から24時間後に細胞が二つに分かれる確率は通常と同程度だったが、さらに無重力が続くと、子宮に着床する前の胚盤胞まで育った割合は30%で、通常(57%)の半分に落ちた。その胚盤胞を子宮に移植して出産に至ったのは16%で、通常(38%)より低かった。
結局、子どもの生まれる割合は、地上の重力の場合の4分の1にとどまった。生まれた子は正常だった。
若山さんは「哺乳類でも影響はないと予想していたのでショックだ。宇宙に人類が進出して子孫を残すには、どの程度の重力が必要かを調べ、対策を考えないといけない」と話す。
宇宙空間の場合は、大型の基地を回転させ、遠心力で“人工重力”を生み出す方法がSFなどに登場する。
13.うつ病どう教える 理解促す教材キット開発
中日新聞社2009年8月25日
精神疾患の中でも患者人口が最も多い「うつ病」。思春
期から青年期に発症しやすいといわれ、最近の調査では、
首都圏の公立中学校の約四割にうつ病の生徒がいること
が分かった。予防と早期対応が必要だが、授業で扱う学
校は少ない。教える側の知識や情報、ノウハウ不足が背
景にあるため、専門家が開発した教材キットを提供し、
教育現場で役立ててもらう試みが始まっている。
【どの学校でも】
「心の病気を持つ生徒がいる」98・7%、「うつ病の生徒がいる」37・3%、「心の病気を持つ生徒が増えている」53・1%-。
東京学芸大と製薬会社・日本イーライリリー(本社・神戸市)は、首都圏の公立中学校を対象に共同で実施した「メンタルヘルスの現状とその教育実態」調査を六月にまとめた。百六十三校から回答があり、ほぼすべての中学校に心の病気を持つ生徒がいて、しかも増加傾向にあることが分かった。
一方で、心の病気を扱う授業をしている学校は三割にとどまる。「授業で扱うべきだ」とする学校は八割を超すが、うつ病について「教える知識や情報がない」「どう教えたらよいか分からない」と悩みを訴えていた。
教員養成系の東京学芸大の鷲山恭彦学長は「私たちがうつ病で知っているのは、励ましてはいけない、ということぐらい。教員も知識、情報がなく、どう対応してよいか分からない。学生からも適切な教材がほしいという要望がある」と話す。
【二本立て】
調査を通じ、教育現場から対応の難しさが指摘されたのを受け、東京学芸大と日本イーライリリーは共同で「教師のための教材キット」を開発した。
一つは解説書で、うつ病の正しい知識と最新情報を理解し、うつ病の生徒への適切なかかわり方を知ってもらう。「授業中ボーっとすることが多くなる」といったうつ病のサインをどうとらえるか、どこに相談に行ったらいいか、などを具体的に紹介している。
もう一つは、教師から要望が多かった映像教材。精神科医による最新医学情報の解説やうつ病経験者へのインタビューの映像で理解しやすいようにし、生徒向けの教材・資料を作るときに使う図表も収録した。
東京学芸大の松田修准教授(臨床心理学分野)は「周囲にうつ病の人がいたらどうしたらよいか、自分の心の不調に気付いたらどうしたらよいか。生徒が未来をよりよく生きるためのコミュニケーションの道具として活用してほしい」と話す。
【増えない受診】
教材キットの制作に協力した国立精神・神経センター精神保健研究所の稲垣正俊さんは「うつ病は個人のつらさだけではなく、経済的損失にもなる。時には自殺とも関連する病気。患者数は増えているのに、病院で治療を受けているのは五人に一人ぐらい」と説明する。
理由として知識・理解不足を挙げ、「学校での教育が必要だ。今回のプロジェクトは先駆的な取り組みで、さらに発展させることが大切」という。
団体として協力した特定非営利活動法人(NPO法人)地域精神保健福祉機構事務局の丹羽大輔さんも「うつ病の知識がないと、気力で治る病気だと思ったり、偏見が生まれたりする。周囲の人もどう対応すればいいか分からない」と指摘。「中高校生がうつ病について学んで大人になれば、社会に知識や理解が広がっていく」と期待する。
教材キットは、日本イーライリリーのウェブサイト(http://www.lilly.co.jp)に申し込むと、教育関係者に無料で提供される。
14.HGSが電子データ収集ソフトで狼瘡薬臨床試験に成功=米DSG〔BW〕
時事通信社2009年8月25日
【ビジネスワイヤ】全身性紅斑性狼瘡(ろうそう=SLE)治療薬の米ヒューマン・ゲノム・サイエンシズ(HGS)(NASDAQ:HGSI)は、血清学的に活性なSLE患者の第3相試験「ブリス52」で、治療薬「ベンリスタ」が1次エンドポイントを達成したと発表した。今回の試験では、米DSGの多機能電子データ収集ソフトウエア「eCaseLink」(イーケースリンク)が初めて採用された。これにより、大規模で複雑な臨床データを継続的に監視して、効率的に質を維持することが可能となった。コンポーネントの「データ管理ダッシュボード」は、HGSと共同開発されたもので、米臨床データ管理協会(SCDM)から昨年表彰されている。DSGは現在、イーケースリンクによって4件の世界的な第3相試験でHGSを支援している。
15.「開業医の質」認定制度創設へ 来年、関連3学会が合併
朝日新聞社2009年8月25日
開業医や小規模病院の医師らでつくる3学会が、来年4月に合併することが23日、決まった。来年度中に、初期治療を担う能力を認定する制度を創設する。日本では、医師免許があれば麻酔科以外はどんな診療科でも開業できるため、質を担保する仕組みづくりが課題となっている。
合併するのは、日本プライマリ・ケア学会(会員数約4600人)と日本家庭医療学会(同約2千人)、日本総合診療医学会(同約1千人)で、合併後は「プライマリ・ケア連合学会」(仮称)になる。がんや内視鏡手術といった難度の高い技術が求められる医療ではなく、具合が悪いときにまずかかる初期治療を担う医師たちが加盟しており、多くは開業医だ。
欧米では、初期治療を担う医師は、決められた研修を受け、専門医試験を通る必要がある。一方、日本では、総合病院で長年、心臓外科の専門医としてやってきた医師が突然、内科や整形外科を開業することもできる。開業医の質の担保の仕組みが乏しいことが患者の大病院志向に拍車をかけ、各地の総合病院に軽症患者が押しかける要因とみられている。
新たに創設する認定制度について、日本家庭医療学会の山田隆司代表理事は「とにかく患者さんにわかりやすい専門医資格にしたい」と話している。
16.抗がん剤の脱毛を予防 頭皮冷却装置、治験開始へ 効果と安全性示すデータ
共同通信社2009年8月25日
抗がん剤の副作用として起き、患者に強い精神的苦痛を強いる脱毛を予防・軽減する頭皮冷却装置が欧州を中心に普及している。日本では未承認だが、乳がん患者の同意を得て200人以上に使った医療機関で、効果と安全性を示すデータが示された。年内にも承認申請に向けた治験(臨床試験)が始まる。
▽「最も苦痛」
抗がん剤治療の成績は、新薬の開発や複数の薬を組み合わせる手法によって向上。乳がんの分野でも進歩が著しいが、一方で副作用は避けられず、嘔吐や吐き気、白血球減少などに加え、毛根を包む毛包が薬によるダメージを受けて起きる脱毛も高頻度で見られる。
嘔吐や吐き気は薬で改善されるケースが増えてきたが、脱毛への取り組みはあまり進んでいない。抗がん剤治療が終われば数カ月でまた生えてくることも理由だ。
だが「髪の毛が抜けるなら、抗がん剤治療を受けたくないという人もいる」と話すのは、年間約300件以上の乳がん手術を手掛ける加藤乳腺クリニック (滋賀県草津市)の加藤誠院長。抗がん剤治療で最も苦痛に感じる副作用は脱毛だとの調査もあり、医師として歯がゆさを感じることが多かったという。
▽血流が減少
加藤さんが、済生会滋賀県病院(滋賀県栗東市)の小林忠男・臨床検査部長らと共同で研究を行った装置は、スウェーデンで開発された「ディグニキャップ」。現地のがん治療専門の看護師や医師らの研究を基に製品化され、欧州で2002年に認可された。
本体部分と、チューブでつながったシリコーン製のキャップ(帽子)から成り、冷却した液体をキャップに張り巡らされた溝に流し、患者の頭皮を冷やす仕組み。1台で同時に2人が使用でき、通常は抗がん剤点滴中の1~2時間と、その前後の各30分間、キャップをかぶる。かぶったままの移動や、一時的にチューブを外してトイレに行くこともできる。
「冷却することで血管が収縮して毛包の血流が減少し、点滴で抗がん剤の血中濃度が高まっても毛包へのダメージを抑えられる。頭部での抗がん剤の活性も低下する」と、加藤さん。キャップの前頭部と後頭部には温度センサーがあり、均一に4度前後を保ち続ける。
▽満足度90%
加藤さんらは厚生労働省の許可を得て、抗がん剤治療を受ける乳がん患者で研究に同意した人たちに07年夏以降、装置を付けてもらった。
1年の間に抗がん剤治療を終えた患者80人の状態を、世界保健機関(WHO)の5段階の尺度で評価。「脱毛なし」は61%で、これを含む満足度を約90%と判断した。不快感や痛みといった副作用を訴えた人はゼロで、心配した冷たさについては、むしろ気持ち良さを感じた人が多いという。
これまでの使用は計二百数十人。加藤さんは「治療期間の半分だけ使用した人などもおり、正確な評価は今後の課題だが、かなり控えめに見ても脱毛は半減し、かつらを使用する人の数は装置導入前の3分の1になった」と説明する。
「毛髪クリニックリーブ21」(大阪市)は7月、スウェーデンのメーカーと独占販売代理契約を結び、日本国内での承認を目指すと発表。秋をめどに3カ所程度の施設で治験が始まる予定。
治験を担当する吉本賢隆・国際医療福祉大 教授は「抗がん剤の併用療法の種類によっては効果が分かっていないものもあるが、『脱毛は仕方ない』と患者に強いてきた現状が変わる日を楽しみにしている」と話す。
17.1日1杯のビール、がんになるリスク高める可能性=研究
Reuters2009年8月25日
ビールなどのアルコールを定期的に摂取する男性は、複数のがんになるリスクが高くなる可能性があるという。カナダ・マギル大学の研究チームが発表した。
同研究チームは、約3600人の35歳から70歳までのカナダ人男性を対象に調査を実施。少なくとも1日に1杯のアルコールを飲む人は、時々、あるいは全くアルコールを飲まない人に比べて、複数のがんになるリスクが高いことが分かった。
発症リスクが増大するのは、食道や胃、大腸、脾臓(ひぞう)、肝臓、前立腺などのがんだという。
18.がん病巣100%切除に成功 岡大開発の細胞光らせるウイルスで
山陽新聞社2009年8月25日
がん細胞だけを光らせる岡山大開発の新ウイルス「テロ
メスキャン」を使い、1ミリ以下のものも含め病巣のがん
を100%切除することに米カリフォルニア大サンディエ
ゴ校のグループがマウスの実験で初めて成功した。岡山大
との共同研究として25日付米科学アカデミー紀要(電子版)
に発表する。
テロメスキャンは、岡山大病院遺伝子・細胞治療センタ
ーの藤原俊義准教授(消化器・腫瘍(しゅよう)外科学)らが2006年に開発し、がんの切除に初めて活用。同センターは「がん手術のナビゲーションシステムとして有効なことを証明した」としている。
19.ワクチンを売りにくい国、日本
日経メディカル2009年8月25日
高畑紀一(細菌性髄膜炎から子どもたちを守る会事務局長)
我が国は「ワクチン後進国」と揶揄されるほど、ワクチンの導入が進んでいない。ドラッグ・ワクチンラグの解消が我が国の喫緊の課題となっているが、多くの方は、ラグが生じているのは「承認審査に時間がかかっているから」と認識しているのではないだろうか。もちろん、これは正解で、承認審査が欧米に比して時間がかかっていることがラグの大きな要因の一つである。
しかし、実はラグを生じている要因は承認審査そのものだけではない。いくつかの要因が相まって現在のラグを生み出しているのだが、その一つに、承認審査に至る以前に承認申請がなされるその時点で、既に欧米より大幅に遅れていることが挙げられている。つまり、日本での販売事業の着手そのものが既に遅れているのだ。
ヒブワクチンは1990年代初めには欧米で承認され多くの国々で定期接種プログラムに組み入れられた。一方、我が国でのヒブワクチンの開発着手は1997年に入ってからで、承認申請は2003年、承認は2007年1月と他の先進国に比して大きく出遅れた。ヒブワクチンは世界保健機関(WHO)がその有効性と安全性を高く評価し、全ての国々で定期接種化すべきとの勧告を1998年に行なっている。
つまり、WHOがお墨付きを与えるほどの実績を積み上げたワクチンの開発着手が、その僅か一年前であったということなのだ。驚くべきほどの遅れをもって、我が国ではヒブワクチンが開発に着手されたことがわかる。
では何故、ヒブワクチンの開発着手がこれほどまでに遅れたのだろうか。これもいくつかの原因が考えられるが、日本はワクチンを政策的に取り入れていく環境が整っていないことをその一つとして指摘したい。
まず、我が国の予防接種は定期接種と任意接種の二つのカテゴリーに分けられるが、どのような条件を満たせば定期接種となるのかという指標が不明確である。
現在の予防接種法下において、新に定期接種化されたワクチンは基本的に存在しない。さらに、定期接種化する疾病・ワクチンの基準というものも存在していない。
つまり、日本でワクチンを売ろうと考えても、そのワクチンがどのような条件を満たせば定期接種の対象となるのか、誰にもわからないのである。「定期」か「任意」か、この違いはワクチンメーカーにとっては非常に大きい違いとなる。
まず、予想される需要量が大きく異なってくる。定期接種の場合、接種率は9割を超えるが、任意接種の場合は多くても3割程度と言われている。もちろん、3割の接種率に達するかどうかも不明確だ。小児ワクチンの場合、「定期」のマーケットは100万人/年で安定したものとなるが、任意の場合はマーケット規模はその1/3で、需要予測も極めて不安定となる。
このことはメーカーだけではなく、消費者の立場となる国民にもしわ寄せがくる。不安定な需要予測に基づく小規模な生産ではおのずとワクチン価格が高めになってしまい、国民は高価な代金を支払わざるを得ない。
また、需要が大幅に伸びた場合、ワクチンが供給不足に陥り「接種したくても接種できない」という事態を招くこととなる。
残念ながらこの二つの不利益はヒブワクチンで既に生じており、ヒブワクチンの価格は他国の卸値の倍近い値段といわれており、このことが4回接種で3万円という子育て世代にとっては非常に重い経済負担をもたらしている。また供給不足のため、接種の予約を入れても数ヶ月から半年待ちという状態が続いている。
細菌性髄膜炎の発症リスクは5歳未満、とりわけ0歳までの乳幼児が最も高いとされているが、接種可能となる生後2ヶ月の時点で予約を入れても半年も待たなければ接種できないということは、ワクチンによる疾病予防の本質からいって極めて好ましくない状態である。実際、接種を待っている間に細菌性髄膜炎に罹患してしまったという事例も、残念なことに生じている。
「定期」と「任意」の違いは、需要量や保護者の費用負担(定期接種なら基本的に無料、任意なら全額自己負担)に留まらない。万が一、副作用被害が生じた場合の救済内容が大きく異なるのだ。
定期接種の場合、副作用被害は予防接種法に基づいた公費による救済が行なわれ、内容も比較的充実している。これに対し任意接種の場合はメーカーの拠出による医薬品の副作用救済制度の対称にしかならず、その補償内容は予防接種法に基づくものに比してあまりにも乏しいといわざるを得ない。
仮に任意接種で副作用被害を被った場合、十分な救済を受けたいと願えば、医薬品の副作用救済制度では不十分であり、民事訴訟を起こしてメーカーに賠償を求めるといった行動を取らざるを得なくなる可能性もある。
メーカーにとっても、訴訟リスクや賠償リスクを想定しなければならず、日本での発売は他国での実績を十分に積んでから、との判断に傾いても何ら不思議ではない。
現に、ヒブワクチンの我が国での開発着手は欧米で十分な実績を積んだ以降であったし、小児用肺炎球菌ワクチンも同様に着手そのものが遅れていた。
定期接種と任意接種という二つの予防接種カテゴリーを有しながら、その定義や運用に明確な基準を設けてこなかった我が国の不明瞭さが、ワクチンを売りにくい国を形作ってしまったことは否定できない。
とりわけ定期接種化以外の予防接種に対する無策ぶりは、国民にも大きな不利益を及ぼしている。これらの現状を目の当たりにすると、現在、海外からの輸入が検討されている新型インフルエンザワクチンが、世界的にも供給量が不足すると言われている中、果たしてどれほどの輸入量を確保できるのかについても、とても心許ない。
既に実績を積んできたヒブワクチンや小児用肺炎球菌ワクチンと異なり、新型インフルエンザワクチンは世界共通の新製品であり、有効性も安全性もまだまだ手探りの部分が山積しているワクチンである。
他のワクチンに比して安全かもしれないし同等かもしれないし、もしかしたら副作用リスクが高目かもしれない。これは実際に接種してみなければわからないが、そのような新規のワクチンを導入するにあたり、副作用被害に対する補償制度が不十分であり、メーカーが訴訟を起こされるリスクを抱える我が国にワクチンを売りたいと考えるであろうか。
ちなみに米国ではワクチンの副作用被害については十分な補償制度を設ける一方で、メーカーは免責されているそうで、メーカーにとっては「ワクチンを売りやすい国」といえるであろう。国民も、新型インフルエンザの恐怖におびえながら、しかし万が一の副作用被害を被った場合のリスクにもおびえなければいけないという二重の恐怖を抱えることになる。
我が国が「ワクチンを売りにくい国」から脱却するためには、少なくてもどのような条件で定期接種化するのかという基準を明確にすると共に、任意接種による副作用被害であっても十分な補償を受けられる制度を創設すること、そのことで国民もメーカーも不必要な訴訟リスクから開放することが必要であろう。
ワクチンで防ぐことのできる疾病を未然に防ぐという世界的潮流に追いつけない「ワクチン後進国」という汚名を返上するため、また、新たなる感染症への対策という観点からもこれらの課題を早急に改善する必要があると考える。
20.盛夏過ぎても油断できない食中毒
日経メディカル2009年8月25日
高温多湿となる夏季は、サルモネラ属菌やブドウ球菌、腸炎ビブリオ、腸管出血性大腸菌(O-157)など、細菌による食中毒が多く発生する。食中毒というと梅雨時がピークのように思われがちだが、実は8、9月も発生件数が多く、油断はできない(図1)。
図1 月別に見た食中毒の発生件数
2008年度国内発生例のうち、ノロウイルスによる食中毒を除いたものの発生件数(厚生労働省「食中毒・食品監視関連情報」より作成)
食中毒は、発症原因により細菌性、ウイルス性、自然毒に大別される。年間を通じて発生する食中毒の約7割はノロウイルスが原因だが、これは主に冬に流行する。一方、夏の食中毒の大半は細菌性。なお、1996年に流行したO-157の発症件数は近年減少しているが、引き続き注意は必要だ。
岐阜大高度救命救急センター講師の熊田恵介氏は、「食事などを契機として腹痛、嘔吐、下痢、血便などといった消化器症状を発症した患者では、食中毒を疑うのが基本」と話す。食中毒の疑いがある患者が来院した場合、まずは問診で、心当たりの発症原因は何で、いつごろ摂取したかといった、詳細で客観的な情報を収集することが重要だ。「患者が発症原因と思われる食物を持参した場合は、後で原因菌を特定するため、捨てずにとっておいた方がいいだろう」と熊田氏はアドバイスする。
劇的な症状を来すビブリオ・バルニフィカス感染症
細菌性食中毒の中で特に注意が求められるのは、重症化の可能性があるO-157とボツリヌス菌だ。食中毒の典型的な症状は消化器症状だが、O-157の鑑別には血便・水様性便などが重要な所見となり、迅速診断キットによる補助診断も可能だ。一方、複視、羞明などの眼症状や呼吸障害を認めた場合はボツリヌス菌による食中毒の恐れがある(表1)。
表1 病因別に見た細菌性食中毒の特徴(熊田氏による)
単純な食中毒では説明がつきにくい症状がある場合は、化学物質や自然毒による特殊な中毒も念頭に入れ、早急に高度医療機関への転送を考慮する。
このほかでは、発症件数は少ないが、ビブリオ・バルニフィカス感染症にも注意が必要だ。ビブリオ・バルニフィカスは腸炎ビブリオに似た細菌の一種で、海水中に生育。海産魚介類を摂取したり、皮膚の傷口に海水が接触することで感染する。「健康な人は感染しても軽症で済むが、肝硬変などの肝臓疾患や免疫不全の患者などでは、感染すると重症化しやすい。進行が早く、全身性感染による致死率は約50~70%と高い」(熊田氏)。ハイリスク患者で、原因が特定できない高熱や皮膚の痛み、四肢の虚血症状やショック状態が遷延する場合には、ビブリオ・バルニフィカス感染症の可能性を念頭に置く。
治療の基本は対症療法
サルモネラ属菌、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ、カンピロバクターといった細菌による食中毒の治療は、嘔吐や下痢による脱水症状を和らげる輸液と、胃腸症状の緩和などの対症療法が原則だ。早期の止痢薬の投与は、原因菌を体内へとどまらせる可能性があるため使用しないのが基本。
また、熊田氏は、抗菌薬の投与は必須ではなく、激しい下痢や嘔吐、腹痛、水溶性便や血便などを呈していて、重症のサルモネラ食中毒やO-157食中毒が疑われる場合に用いるという。ただし、抗菌薬を投与する場合も、原因菌を特定するために、事前に検体(便もしくは血液)を採取しておくことが大切だ。
随伴症状があれば高度医療機関への転送を考慮
「食中毒はそのほとんどが対症療法で済むが、嘔吐・下痢などの症状が劇的であったり、意識障害やショックを呈している場合、呼吸・循環管理が必要なビブリオ・バルニフィカス感染症が疑われる場合は、早急に高度医療機関への転送を考慮する必要がある。このほか、肝・腎機能障害、血液凝固異常など、単なる細菌性食中毒では説明がつかない検査データを認めた場合には、化学物質や自然毒による食中毒も疑われる」と熊田氏は注意を促す。
また、これからの季節はキノコやフグなど食材の旬となるため、細菌性食中毒だけでなく、自然毒食中毒も念頭に入れておく。実際、熊田氏も、形態が山芋に酷似したグロリオサという植物の球根を誤食した患者で、重篤なコルヒチン中毒を起こした例に遭遇した経験があるという。
21.抗うつ薬による自殺リスクは加齢に伴い低下
CareNet2009年8月25日
抗うつ薬による自殺リスクは加齢に伴って着実に低下することが、米国食品医薬品局(FDA)による新しい研究によって示された。この研究は、抗うつ薬の使用と自殺との関連に関する最新のデータを、医師と患者が共有することを目的に実施されたもの。
今回の研究で、FDA医薬品評価研究センター(CDER)のMarc Stone博士らは、抗うつ薬を使用した約10万人を対象とした372の臨床試験をレビュー。その結果、25歳未満では薬剤により自殺リスクが増大し、25~64歳では影響は認められず、65歳以上ではリスクが低減していた。研究結果は、英国医師会誌「BMJ」オンライン版に8月12日掲載された。
抗うつ薬を使用している若齢者の自殺リスクは2003年に顕著になり、FDAは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)を使用している小児や青年における自殺企図や自殺関連行動のリスク増大などを示した研究を引証した。1年後、これらの薬剤の製造販売会社に、医療従事者に注意を促す警告を盛り込むようラベル表示の修正を要請。2006年には若齢成人への警告を拡大するラベル表示変更が行われた。
Stone氏は「今回の研究で、中年成人では影響がみられないが、高齢者では比率が低下するという、より大きな全体像が示された。高齢者では自殺念慮のリスクが低減するという有益な効果が示唆された」という。分析の結果、8例に自殺遂行、134例に自殺企図、378例には行動に移さない自殺念慮が認められた。自殺行動のオッズ比は1歳年をとるごとに4.6%の割合で低下した。
同誌の論説の共著者である英オックスフォード大学疫学精神医学教授のJohn Geddes博士は、今回の報告が製薬会社の資金援助を受けた臨床試験データに頼りすぎている点と、すべてのSSRIを一まとめに報告している点を批判。また「SSRIによって自殺リスクが大きく異なる。耐性ではセルトラリン(商品名:ジェイゾロフト)が最も優れている」と述べている。
22.地中海式ダイエット食、認知症とは無関係? 認知機能低下は抑制する?
CareNet2009年8月25日
フランスUniversite Victor Segalen Bordeaux 2のCatherine Feart氏らは、地中海式ダイエット食を摂っている高齢者に、認知能力試験の1つ、ミニメンタル・ステート試験(MMSE)スコアの低下が認められたが、その他の認知能力試験の結果には、関連は見られなかったことを報告した。併せて、地中海式ダイエット食と認知症の発症リスクとには関連が認められなかったとも報告している。1,400人超のフランス人高齢者を対象に行った試験で明らかにしたもので、JAMA誌2009年8月12日号で発表した。
1,410人を対象に4種の認知能力試験を実施、最低5年毎に追跡
Feart氏らは、2001~2002年にかけて、合わせて1,410人の65歳以上について、前向きコホート試験を開始し、最低5年毎に再調査を行った。認知度を測る4種の試験、MMSE試験、Isaacs Set Test(IST)、ベントン視覚記銘検査(Benton Visual Retention Test;BVRT)、Free and Cued Selective Reminding Test(ヒントがある場合とない場合の選択的想起試験、FCSRT)を行った。
MMSEスコアの低下は減速、他3種試験のスコアでは関連なし
年齢や性別、学歴、運動量、アポリポ蛋白E遺伝子型などについて補正を行った後、地中海式ダイエット食のスコアが高いほど、MMSE試験での間違いが少ない傾向があることが認められた(MMSEスコア1ポイント増加によるβ=-0.006、95%信頼区間:-0.01~-0.0003、p=0.04)。しかし、IST、BVRT、FCSRTのスコアの変化については、地中海式ダイエット食のスコアとの関連は見られなかった。
また、5年の間に認知症の症状が見られなかった人について調べてみると、地中海式ダイエット食のスコアが最も高かった群は、最も低かった群に比べ、MMSEの間違いが少なく、FCSRTスコアも高かった(MMSEのβ=-0.03、95%信頼区間:-0.05~-0.001、p=0.04、FCSRTのβ=0.21、95%信頼区間:0.008~0.41、p=0.04)。
一方、地中海式ダイエット食と認知症発症リスクの間には、関連性は見られなかった(ハザード比:1.12、同:0.60~2.10、p=0.72)。
Feart C et al. Adherence to a Mediterranean diet, cognitive decline, and risk of dementia. JAMA. 2009 Aug 12; 302(6): 638-48.
23.地中海式ダイエット食が、アルツハイマー型認知症リスクを低減する?
CareNet2009年8月25日
米国ニューヨークTaub Institute for Research in Alzheimer’s Disease and the Aging BrainのNikolaos Scarmeas氏らは、地中海式ダイエット食および運動は、いずれもアルツハイマー型認知症の発症リスクを有意に低減すると報告している。地中海式ダイエット食が少ない人と比べると、多い人は同リスクが約4割減少、また運動をよくする人はしない人に比べると、同リスクが約3割強減少するという。JAMA誌2009年8月12日号で発表した。
高齢者1,880人について、平均5.4年追跡
研究グループは、1992~2006年にかけて、ニューヨーク在住の高齢者合わせて1,880人について、前向きに追跡調査を行った。被験者の地中海式ダイエット食の摂取程度と、運動量について、およそ1.5年ごとに調査を行った。試験開始時点の平均年齢は77.2歳、追跡期間の平均は5.4年(SD 3.3)だった。
結果は、年齢、性別、人種、うつ病の有無、余暇の過ごし方などで、補正を行った上で解析された。
AD発症リスクは、地中海式ダイエット食で0.60倍、運動で0.67倍まで減少
追跡期間中、282人のアルツハイマー型認知症(AD)が発症した。
地中海式ダイエット食とAD発症率について見てみると、同ダイエットの程度を3段階(低・中・高)に分けた際の低レベル群との比較で、中レベル群のAD発症に関するハザード比は0.98(95%信頼区間:0.72~1.33)、高レベル群は同0.60(同:0.42~0.87、傾向性p=0.008)だった。
一方、運動量とAD発症率については、運動量を3段階(しない・中・高)に分けた際の運動をしない群との比較で、中レベル群のハザード比は0.75(同:0.54~1.04)、高レベル群の同比は0.67(同:0.47~0.95、傾向性p=0.03)だった。
また、地中海式ダイエット食と運動量を併せて見てみると、同ダイエット食の低レベル群で運動をしない人の、AD発症に関する絶対リスクは19%だったのに対し、同ダイエットと運動量ともに高レベル群の人の絶対リスクは12%だった(ハザード比:0.65、95%信頼区間:0.44~0.96、傾向性p=0.03)。
Scarmeas N et al. Physical activity, diet, and risk of Alzheimer disease. JAMA. 2009 Aug 12; 302(6): 627-37.
24.MRI Might Find Early Alzheimer's
Detection could help slow down the disease, study says
HealthDay News2009年8月24日
The brains of people in the very early stages of Alzheimer's disease might become hyperactive to compensate for disease-related deterioration, a new study suggests.
Researchers from the Cleveland Clinic tested 69 mentally healthy adults, two-thirds of whom were at risk for Alzheimer's disease because of family history or genetic markers. Functional MRI was used to monitor the participants' brains as they were asked if they recognized the names of famous celebrities and unfamiliar people. The brain activity of at-risk people was compared with that of those not at risk for Alzheimer's.
"Our results indicate that even though this was a relatively easy and low-effort test, there was increased activation of certain parts of the brain in at-risk individuals," principal investigator Stephen Rao said in a news release from the clinic. "This may reflect a compensatory brain response by these participants to the earliest stages of Alzheimer's disease."
The findings are published in the current issue of Neurology.
Rao said that functional MRI scans might eventually be used to diagnose Alzheimer's disease in the early stages, which could lead to improved treatment.
"Studies have shown if we can delay the onset of Alzheimer's disease by five years, we will reduce the incidence by 50 percent," Rao said. "If we can delay the onset by 10 years, Alzheimer's disease will virtually be eliminated because people will have passed away for some other reason."
25.Wider Waist Boosts Asthma Risk
Even if women were of normal weight, extra fat around abdomen raised the odds, study found
HealthDay News2009年8月24日
Women with extra fat around their waists are more likely to develop asthma, even if they aren't overweight, a new study finds.
The California Teachers Study of more than 88,000 women found the same association between obesity and increased incidence of asthma that has been seen in other research, according to the Aug. 25 online report in the journal Thorax.
But it also found a 37 percent increased incidence of asthma among women with a waist circumference of 88 centimeters -- about 35 inches -- even if they were of normal weight.
That finding was an offshoot of a study originally intended to look at factors related to breast cancer in women, said study author Julie Von Behren, a research associate at the Northern California Cancer Center. But the researchers also got a lot of other information about the participants, including waistline measurements and asthma risk factors, such as smoking exposure.
"We had a lot of detailed information, also on body weight at age 18 and later," Von Behren said.
Using the standard designations of "overweight" for a woman with a body-mass index (BMI) of 30 or higher and "extreme obesity" for a body-mass index (BMI) of 40 or higher, the study found a doubled incidence of asthma among the obese women and a more than tripled incidence among the extremely obese.
While the study was not designed to determine why the location of body fat could play a role in development of asthma, "waist size can be an indicator of the type of body fat," Von Behren explained. "Abdominal fat is visceral fat, which is more biologically active. It has been linked to diabetes and heart disease."
Fat around the waist "could be acting in some inflammatory way," she said.
That is a plausible, though unproven, explanation, said Dr. Alejandro Arroliga, a pulmonologist and chairman of medicine at the Scott & White Memorial Hospital and Clinic in Temple, Texas.
"We know that obesity can cause an inflammatory state," Arroliga said. "Markers of inflammation are increased in obesity."
Other studies have documented the overall association between obesity and asthma, he said. "This is one of the biggest, with more than 88,000 women. It's huge," Arroliga said.
While one conventional explanation is that body fat puts a squeeze on airways, some previous studies have pointed toward the composition of body fat as a possible element in asthma risk, he said.
"But it is still unclear why there is this association," Arroliga said. "The biological explanation lags behind the epidemiological evidence."
Whatever the reason, the association with asthma provides just another reason not to put on extra weight, Von Behren said.
26.Glucose Challenge in Pregnancy Could Predict Heart Disease
Abnormal test results in those without gestational diabetes signals future heart risk, researcher says.
HealthDay News2009年8月24日
A glucose challenge test given to pregnant women may also show if they have an increased risk of heart disease in the future, a new study has found.
This finding is important because doctors might be able to begin using current screening procedures for gestational diabetes to identify women who are at risk for developing heart disease later in life, the researchers said. Heart disease is the number-one killer of women in the United States and Canada.
While women with gestational diabetes -- a condition leading to temporarily high blood sugars during pregnancy -- have a higher risk of cardiovascular disease than those without, no one knew if mild glucose intolerance in pregnancy is associated with heart disease, the study authors noted.
Gestational diabetes is an important risk factor for future type 2 diabetes. Pregnant women are generally screened for gestational diabetes with a glucose challenge test in the second trimester. If the result is abnormal, they have an oral glucose tolerance test to confirm the diagnosis, according to information in a news release about the study, which is published in the current issue of the Canadian Medical Association Journal.
For the study, researchers examined data on 435,696 women in Ontario who gave birth between April 1994 and March 1998. All of the women were followed until March 31, 2008, and the study excluded women who had preexisting diabetes.
"Women who had an abnormal glucose challenge test but then did not have gestational diabetes had an increased risk of future cardiovascular disease compared to the general population, but a lower risk than women who actually did have gestational diabetes," co-author Dr. Baiju Shah, of the Institute for Clinical and Evaluative Sciences in Toronto, said in a news release from the journal's publisher.
27.プレスリリース
1) FDA Issues Early Communication about Ongoing Safety Review of Weight Loss Drug Orlistat Review includes both prescription drug Xenical and OTC drug Alli
The U.S. Food and Drug Administration announced today that it is reviewing adverse event reports of liver injury in patients taking the weight loss drug orlistat, marketed as the prescription drug Xenical and the over-the-counter medication Alli.
Between 1999 and 2008, the FDA received 32 reports of serious liver injury in patients taking orlistat. Of those cases, 27 reported hospitalization and six resulted in liver failure. Thirty of the adverse events occurred outside the United States. The most commonly reported adverse events included yellowing of the skin or whites of the eyes (jaundice), weakness, and stomach pain.
The FDA is reviewing additional data submitted by orlistat manufacturers on suspected cases of liver injury, and the issue has been discussed at the FDA’s Center for Drug Evaluation and Research Drug Safety Oversight Board.
“The issues here are complex, but FDA has benefited from the input of the Board, including comments from representatives from three FDA Centers and several other Agencies in the Department of Health and Human Services,” said Steven Osborne, M.D., executive director of the Board.
The FDA’s analysis of these data is ongoing, and no definite association between liver injury and orlistat has been established at this time. Consumers taking Xenical should continue to take it as prescribed, and those using over-the-counter Alli should continue to use the product as directed.
Full text of the Early Communication about an Ongoing Safety Review can be found here. The Early Communication is a risk communication tool used by the FDA to inform the public about its ongoing safety reviews of drugs. The FDA will release its findings on orlistat as soon as the review is completed.
Consumers who have used orlistat should consult a health care professional if they experience symptoms possibly associated with development of liver injury, particularly weakness or fatigue, fever, jaundice, or brown urine. Other symptoms may include abdominal pain, nausea, vomiting, light-colored stools, itching, or loss of appetite.
The FDA urges both health care professionals and consumers to report suspected side effects from the use of orlistat to FDA's MedWatch Adverse Event Reporting program either online, or by regular mail, fax, or phone.
-- Online
--Regular Mail: use postage-paid FDA form 3500 and mail to MedWatch, 5600 Fishers Lane, Rockville, MD 20852-9787
--Fax: 800-FDA-0178
--Phone: 800-FDA-1088
2) ハートケア情報委員会 「インフルエンザと心臓病」に関する解説を追加
心臓病に関する情報提供を行う「ハートケア情報委員会」では、空気の乾燥する秋に再流行が懸念されている「新型インフルエンザ」と「心臓病」の関係の理解を深めて頂くため、当委員会のホームページ( http://heartinfo.jp/ )の「ニュース」ページに「インフルエンザと心臓病」に関する解説を8月26日(水)より追加いたします。
当委員会のドクター(財団法人 心臓血管研究所所長 相澤 忠範、東海大学医学部付属病院教授 伊苅 裕二、埼玉県川越市・平成クリニック理事長 高山 泰雄)が新型インフルエンザの特徴、インフルエンザが引き起こす心臓病の重篤化、心臓病の人のインフルエンザ対策などを解説したしております。
心臓病の方も、そうでない方も再流行の前にご一読頂き、日常生活にお役立て頂きたいと考えております。
また、心臓病の治療法として「カテーテル治療」が主流となる中、「カテーテル治療」や治療機器の「薬剤溶出ステント」の認知も高まってきています。ステントを留置された患者さんも増加傾向にあり、これらの患者さんへの留意事項や注意点をまとめた「ステント留置後の患者様へ」もホームページの新コンテンツとして追加いたしました。
定期的に更新している「ハートのつぶやき」や「ドクターズコラム」なども新しいコラムを追加し、情報提供の充実を図っております。
3) 武田薬品など、パニツムマブの進行・再発の結腸・直腸癌を対象とした臨床試験結果を発表
・パニツムマブの進行・再発の結腸・直腸癌を対象とした臨床試験の結果について
武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区)およびその100%子会社である武田バイオ開発センター株式会社(本社:東京都千代田区、以下、「武田バイオ社」)が、2008年6月30日に厚生労働省に製造販売許可申請を行った抗癌剤パニツムマブ(米国・欧州製品名:Vectibix(R))について、武田バイオ社とAmgen Inc.(本社:米国カリフォルニア州サウザンドオークス、以下、「アムジェン社」)が共同で追加的に実施している臨床第3相試験のうち、一部の主要解析結果が得られましたのでお知らせします。なお、今回の試験結果は、参考情報として厚生労働省に追加報告する予定です。
本試験は、進行・再発の結腸・直腸癌の患者さん1,186例を対象としたセカンドライン治療に関するもので、無増悪生存期間と全生存期間を主要評価項目としています。本試験の結果、パニツムマブは、KRAS遺伝子が変異していない進行・再発の結腸・直腸癌の患者さんにおいて、FOLFIRI療法単独群(イリノテカン、5-FU/ロイコボリン併用療法)に比べ、FOLFIRI療法に本剤を上乗せした併用療法群で無増悪生存期間を有意に延長しました。全生存期間の中央値はパニツムマブ併用群が延長したものの統計的に有意差はありませんでした。なお、KRAS遺伝子が変異した進行・再発の結腸・直腸癌の患者さんについては、パニツムマブ併用による無増悪生存期間および全生存期間の延長は認められませんでした。
有害事象については、一般にイリノテカンをベースとした化学療法と抗EGFR抗体を併用した治療に想定される範囲内のものであり、皮膚障害、下痢、および低マグネシウム血症などでした。
当初、本試験は、全ての登録患者さんの治療効果を比較検討する試験計画でしたが、抗EGFR抗体の進行・再発の結腸・直腸癌に対する治療効果にKRAS遺伝子変異の有無が関連していることが明らかにされつつあるため、KRAS遺伝子変異の有無を考慮して治療効果を解析する試験計画に変更しました。本試験においては、90%以上の登録患者さんのKRAS遺伝子変異の有無を確認しています。
なお、本試験の有効性・安全性に関する詳細な結果につきましては、本年9月に開催される欧州臨床腫瘍学会議で発表いたします。
4) 大日本住友製薬、情報提供を目的とした患者さん向けコンテンツ「ファブリー病とは」を開設
「ファブリー病」に関する患者さん向けWEBサイトの開設について
大日本住友製薬株式会社(本社:大阪市、社長:多田 正世)はこのたび、当社医療情報サイト内に希少疾患であるファブリー病に関する情報提供を目的として、患者さん向けコンテンツ「ファブリー病とは」を開設しましたのでお知らせいたします。
「ファブリー病とは」の主な特徴は次のとおりです。
・当社が作成した患者さん向け説明資材「ファブリー病ハンドブック」(名古屋セントラル病院血液内科・ライソゾーム病外来 坪井一哉 先生監修)をもとに構成しています。
・患者さんやご家族の方が十分ご理解いただけるように病態から診断・治療までを分かりやすく解説しています。
・診断が確定した場合の医療費助成制度について、申請から審査、承認までの流れを詳しく紹介しています。
当社は2007年2月にファブリー病治療剤「リプレガル(R)」を発売し、2008年11月にはファブリー病に関する医療関係者向けコンテンツを開設しました。しかし、ファブリー病は希少疾患であるために、患者さんやそのご家族にとって書籍やインターネットなどから入手できる情報源は限られています。できる限り分かりやすく実用的な情報を提供することで、少しでも患者さんやご家族の方々のお役に立ちたいと考え、患者さん向けコンテンツを開設しました。
当社は、今後もファブリー病に関するさまざまな情報提供活動を通じて、少しでも社会に貢献していきたいと考えています。
WEBサイト「ファブリー病とは」のURLは次のとおりです。
http://kanja.ds-pharma.jp/health/fabry/
(ご参考)
ファブリー病はライソゾーム(リソソーム)病と呼ばれる先天代謝異常症のひとつです。α-ガラクトシダーゼ(α-GAL)というライソゾーム加水分解酵素の活性が低下もしくは欠損することにより、本来細胞内で分解されるべきスフィンゴ糖脂質〔主としてセラミドトリヘキソシド(CTH)〕が様々な細胞や組織内に蓄積し、脳、心臓、腎臓をはじめとした体内の組織や臓器が障害を受け、やがてその機能低下を引き起こす疾患です。
5) 日本光電、小型で静粛性に優れた高出力タービン内蔵の人工呼吸器を発売
日本光電 小型で静粛性に優れた高出力タービン内蔵の人工呼吸器 HAMILTON-Cシリーズを発売開始
医用電子機器メーカの日本光電工業株式会社(本社:東京都新宿区、社長:鈴木文雄)はこの度、小型で静粛性に優れた高出力タービン内蔵の人工呼吸器HAMILTON-Cシリーズ(商品コードHAMILTON-C2)を発売しました。
HAMILTON-C2は、HAMILTON MEDICAL(ハミルトンメディカル、本社:スイス ボナデゥッツ、CEO:Andreas Wieland、以下ハミルトン社)製で、コンパクトな本体に多彩な機能を搭載しており、いつでもどこでも幅広い症例や環境に適応します。人工呼吸器は患者さんの傍らで使用されるため、従来から騒音の解消が大きな課題でしたが、HAMILTON-C2はハイパワータービンを内蔵しながら、静かな駆動を実現しました。また、長時間使用可能なバッテリを内蔵しており、院内搬送や災害時などにも役立ちます。
近年、安全な人工呼吸管理が世界的な医療現場における課題になっています。安全な呼吸管理を目指して開発された本製品は、患者さんの呼吸の状態が一目でわかる「ダイナミックラング」機能、「ベントステータス」機能および、患者さんの容態に適応した設定が行える適応補助換気モード「ASV(Adaptive Support Ventilation)」機能を全て標準搭載しています。
タービン内蔵、長時間駆動可能なバッテリ、コンパクトな本体など、災害時やパンデミック時も使用場所を限定されずに対応可能なことから、感染拡大が懸念されている新型インフルエンザ対策にも効果的です。
本製品の価格(税抜)は498万円で、国内の大学病院や民間病院を中心に、3年間で700台以上の販売を見込んでいます。
HAMILTON-C2の主な特長は次の通りです。
(1)ハイパワーと静かさを兼ね備えたタービン内蔵
パワフルな出力に相反して、静かな駆動を実現。患者さんや医療スタッフのストレス軽減に貢献。
(2)コンパクトな本体にバッテリを内蔵
従来品より小型化し、重さは約45%軽量化。狭い病棟での使用や院内搬送に最適。
内蔵バッテリにより、緊急時でも約2.5時間(オプションの追加で最大約5時間)の動作が可能。
外部充電器による充電にも対応し、バッテリを交換しながらの長時間駆動は、災害時にも力を発揮。
(3)呼吸の状況を一目で把握できる「ダイナミックラング」機能と「ベントステータス」機能
肺の状態をグラフィック表示し、各計測値の変化や自発呼吸の出現が一目でわかる「ダイナミックラング」機能と、ウィーニング※の指標が視覚的に認識できる「ベントステータス」機能を標準搭載。分かりやすいモニタリングで安全管理をサポート。
(4)容態に適応した設定が行える適応補助換気モード「ASV」機能
肺の状態や自発呼吸の変化に応じ設定条件を調整し、患者さんの肺を保護しウィーニングまでの期間の短縮をサポートする「ASV」機能を搭載。
(5)完全日本語対応10.4インチタッチスクリーン
日本語カラータッチスクリーンで直感的操作を実現。
●用語説明
※ウィーニング:人工呼吸器から段階的に離脱すること。人工呼吸に自発呼吸を混ぜながら、次第に自発呼吸部分を多くしていき、最終的に人工呼吸をなくすプロセス。
<主な製品仕様>
換気モード:(S)CMV+、SIMV+、PCV+、PSIMV+、SPONT、ASV、NIV、NIV-ST
ダイナミックラング:コンプライアンス、気道抵抗、自発呼吸、一回換気量
ベントステータス:酸素濃度、PEEP、分時換気量、吸気圧、RSB、%fspont
寸 法:W660mm×H1,400mm×D460mm(架台を含む)
重 量:9.5kg(架台含まず)
http://fcm-news.blog.so-net.ne.jp/2009-08-25