美容の極み

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Aug 18, 2009
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1.インフルエンザ、全国的に流行入り目前
2.新型インフル「致死率は米加で0.5%」 研究者推定
3.新型インフルエンザ:診断時間を短縮 新方法開発、迅速治療で重症化防ぐ
4.富大が抗体を短期間で作る技術を開発
5.【新型インフル】ワクチンの安全性と有効性を確認と発表 中国企業
6.人獣共通感染症連合研究センター 長春に設立
7.外科医がいなくなる? 過酷な勤務状況で若手の外科離れが進行
8.がん:細胞のがん化抑える遺伝子、善玉→悪玉に突然変異 仕組み制御できれば新薬も
9.便からがんを簡易検出 岡山大・永坂助教ら新手法開発
10.医療ナビ:人工内耳 音を電気信号に変え、神経を刺激する
11.世界最小の人工心臓埋め込みに成功、ドイツ
12.北京で女児の結合双生児が誕生、分離手術へ
13.ブラジル産プロポリスが体脂肪を減らす
14.治りにくい高血圧がサイン 腎動脈狭窄症に注意を ステント治療が進歩
15.がん患者の口腔ケア用品専門 機関とメーカー連携
16.【日病薬】病院薬剤師の新しい業務展開で中間報告‐多くの施設がスキルミックスを実践・模索
17.「サクシン注射液」から「スキサメトニウム注」への販売名変更
18.救急救命士のエピネフリン投与で報告書-消防庁検討会
19.透析医療“受難の時代”
20.血管新生阻害薬が高血圧を引き起こす機序が明らかに
21.高齢者のセルフネグレクトあるいは虐待は死亡率を有意に増大
22.プレスリリース
1) 読影トレーニングできます「No.26 発熱と体重減少のみられる患者 」
2) 日本ライフラは胸部大動脈ステント付グラフトの国内独占販売締結
3) NIMSと旭化成クラレメディカル、血液浄化用医療用フィルターなどの共同開発に着手
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1.インフルエンザ、全国的に流行入り目前
TBS News2009年8月18日

インフルエンザの患者がこの夏急増し、全国的に流行入り目前となっていることがわかりました。調査を始めた1999年以降、この時期に流行が始まったことはなく、厚生労働省は警戒を強めています。
 国立感染症研究所によりますと、今月9日までの1週間で全国およそ5000か所の医療機関に報告されたインフルエンザの患者の数は、前の週からおよそ2000人増え、4630人でした。
 1医療機関あたりの患者数は0.99人となり、流行開始の目安である1.0人に迫っています。都道府県別にみると、沖縄県、奈良県、大阪府、東京都などで1.0を越えています。
 過去にこの時期に季節性のインフルエンザが流行したことはなく、厚労省は新型インフルエンザの感染が拡大しているとみて、19日午前、舛添厚生労働大臣が国民に注意を呼びかけることにしています


2.新型インフル「致死率は米加で0.5%」 研究者推定
朝日新聞社2009年8月18日

新型インフルエンザの米国とカナダでの致死率が約0.5%に上ると推定されることがオランダ・ユトレヒト大学の西浦博研究員(理論疫学)らの分析でわかった。通常の季節性インフルエンザの致死率は0.1%か、それ以下と推定されており、ほぼ5倍以上になる。米科学誌プロスワンに近く報告する。
 世界保健機関(WHO)などの研究チームも今年5月、最初に感染者が相次いだメキシコでの新型インフルの致死率を約0.4%と見積もっていた。1957~58年に流行したアジアかぜの致死率は約0.5%と推定されており、新型インフルの致死率も同程度とみられる。
 感染者は現在も増え続けていることから、西浦研究員らは流行初期のデータから、患者と確認された確定診断者が死亡する確率を推定した。
 WHOによると、14日時点の死者は米国が436人、カナダは66人。
 日本では死亡例はこれまで15日の1人だけ。致死率が低いのは、持病のない未成年者が患者に多いことに加え、治療薬タミフルの投与、ぜんそくや糖尿病の治療が行き届いていることが理由に考えられるという。


3.新型インフルエンザ:診断時間を短縮 新方法開発、迅速治療で重症化防ぐ
毎日新聞社2009年8月18日

新型インフルエンザで国内初の死者が出た。今年の秋以降、本格的な流行が心配される。感染者の重症化を防ぐには適切な治療をしなければならず、そのためには迅速診断が不可欠だ。現在利用されている診断法の約10分の1の時間で、詳細な判定が可能になる方法が開発されている。
 現在のインフルエンザ診断法は2種類ある。患者の鼻などの粘液から、15分程度でA型ウイルスの抗体を検知する迅速診断。さらに同じA型ウイルスの中でも、新型と季節性など細かい型を見分けるため、遺伝子の違いを調べるPCR検査だ。
 「医療現場で必要なのは速さと簡便さ。今回の新型発生で思い知った」。理化学研究所オミックス基盤研究領域長の林崎良英さんは、6時間程度の時間がかかるPCR検査の限界を指摘する。林崎さんらが東京大医科学研究所、国立感染症研究所と共同で開発を進めている新たな診断法は、遺伝子を短時間で増やす酵素を使うことが特徴だ。
◆増幅酵素を利用
 現在のPCR検査は、温度の変化を利用して遺伝子の二重らせんを1本に引きはがし、それぞれを鋳型にして酵素で再び合成することを繰り返して増幅させる。遺伝子の違いを細かく調べるには、遺伝子の量を増やす増幅が不可欠で、これに時間がかかっていた。
 林崎さんらは、遺伝子診断の迅速化を目指し、正確に大量の遺伝子を複製する特別な酵素の発見に、01年から取り組んだ。100万種類以上の細菌から絞り込む作業を繰り返し、3年かけて土壌中にありふれている細菌「アリシクロバチルス」から抽出した酵素にたどり着いた。この酵素は二重になった遺伝子を、引きはがしながら合成するという両方の役割を担う。温度を変化させたり、調整する必要がないため、低電力の簡易な機器で検査できる。クーラーボックス大のPCR検査機と比べ、携帯電話程度の大きさの機器も実現可能といい、海外からの帰国者向けに航空機内でも使用できる。
 林崎さんは「酵素の発見当時、警戒されていた強毒性鳥インフルエンザH5N1型や、H7型に対応できるよう開発を進めてきた」と話す。
◆タミフル耐性も診断
 今後の流行で懸念されるのは、抗ウイルス薬タミフルが効かない、耐性を持つ新型インフルエンザウイルスの出現だ。季節性のAソ連型(H1N1型)ではすでに、耐性ウイルスが流行している。東京大医科学研究所の河岡義裕教授(ウイルス学)は「新型と季節性のH1N1型が混合することで、新型が耐性を獲得して流行する恐れがある」と警告する。
 タミフルはウイルスの表面たんぱく質、ノイラミニダーゼ(NA)の形を認識し、その働きを阻害する。耐性ウイルスの場合、ウイルス遺伝子の塩基1カ所の変化で形が変わり、薬が効かなくなってしまう。
 現在のPCR法は、塩基1カ所だけの変異は認識できず、通常のウイルスと同じように増幅させてしまう。そのため、新型ウイルスと確定した後、塩基配列を詳しく読みとって、耐性を持つかどうかを確認しなければならない。
 林崎さんらの新たな診断法は、タミフル耐性の有無も同時に判定できる。「ミスマッチ結合たんぱく」と呼ぶ、新開発のたんぱく質を利用するからだ。これは、誤った塩基同士が二重に合わさると、その部分にかんぬきのように結合し、増幅酵素の働きを止める。
 林崎さんは「この診断法を使えば、タミフルが効かない人にタミフルを処方するような誤りを防ぐことができる」と自信をみせる。
◆光って診断
 インフルエンザウイルスで診断時間を試験したところ、ウイルスが600個あれば17分で十分な量に増殖して確定できた。60個で21分、わずか6個でも24分で、確定診断可能な量に増殖させることが可能だった。林崎さんは「通常の診断で十分確保できる量のウイルス100個があれば、30分以内に確定できる」と話す。
 確定の際にも「エキシトンプライマー」と呼ぶ材料を使った新たな技術が使われている。プライマーとは調べたいウイルスの型に特徴的な塩基配列10~20個が並んだ鋳型。これには判明しているタミフル耐性ウイルスの塩基配列などを利用する。
 エキシトンプライマーとは、特殊な蛍光色素を含み、プライマーと増殖酵素が働き、二重になると強く光る。最新のPCR法で使われるプライマーより、明暗の差が大きく、増殖をはっきりと認識することができるようになった。
 新診断法で使う試薬には厚生労働省の認可が必要となる。今シーズンは間に合わないため、臨床研究試験用として、協力病院や検査機関などに診断キットや機器を提供していくという。


4.富大が抗体を短期間で作る技術を開発
富山新聞社2009年8月18日

富山大学大学院の研究グループが、ウイルスや細菌、がんに反応する質の高い抗体をこれまでより短い期間でつくる技術を開発しました。
 世界で最も早い技術だということです。
 開発したのは、富山大学大学院医学薬学研究部の村口篤教授と岸裕幸准教授らの研究グループです。
 ウイルスや細菌の感染を防ぐ抗体をつくる細胞である「抗体産生細胞」は、人の血液中で細胞1万個に1個以下しか含まれていないため、検出や採取が困難でした。
 しかし今回の技術では特殊なマイクロチップを使い、わずか7、8時間で検出することに成功しました。
 このマイクロチップには、「抗体再生細胞」のリンパ球がちょうど入る直径10ミクロンの小さな穴が23万個開いています。
 抗原でリンパ球を刺激して、ひとつひとつの細胞を解析することができ、その中から、よりすぐれた「抗体産生細胞」を選び出すことが可能です。
 抗体をつくるには、これまで4か月から6か月かかりましたが、この技術では1週間に短縮でき、新型インフルエンザなどの感染症の予防や治療に用いることができるということです。
 村口篤教授は「リンパ球の中には、がん細胞を効率よく殺す細胞があります。この細胞を今回と同じような方法で見つけて、その遺伝子をとってそれを利用してがん患者に戻して、がんの治療に用いるという新しい遺伝子治療法の開発にもつながると思っております」
 この研究は、富山市の医薬品会社「エスシーワールド」や県工業技術センターと共同で行われ、研究成果は16日付けのアメリカの医学雑誌「ネイチャー・メディシン」のインターネット版に掲載されました。
 今後、このシステムや抗体は、エスシーワールドで製品化される見通しです。


5.【新型インフル】ワクチンの安全性と有効性を確認と発表 中国企業
共同通信社2009年8月18日

新華社電によると、中国の医薬品研究会社「北京科興生物製品」は18日、同社が製造した新型インフルエンザ用ワクチンの臨床試験で、ワクチンの安全性と有効性が確認されたと発表した。同社は、世界で初めて初期段階の臨床試験を完了したとしている。
 臨床試験は7月22日から始め、3歳以上の1614人にワクチンを接種したところ、強い副作用は起きず、抗体がつくられたことも血液検査で確認された。


6.人獣共通感染症連合研究センター 長春に設立
朝日新聞社2009年8月18日

中国医学科学院病原生物学研究所と吉林大学との提携により、人獣共通感染症連合研究センターがこのほど吉林省長春市で発足した。双方の協力には次のような内容が含まれる。▽関連の科学研究プロジェクト共同申請▽予備的研究プロジェクトの支援のための共同出資▽共同で担当する課題の達成▽専門テーマのシンポジウムを不定期に開催して学術交流を深める▽実験室の安全の保証を前提として、相互の技術プラットフォームを段階的に開放して、双方の研究作業の進展を促進する▽相互の人材育成課程、大学院課程を開放して、若手の科学研究者、大学院生、ポストドクターの育成をはかり、共同で担当する課題の達成を通じて、協力チームを育成する―などだ。「科学時報」が18日伝えた。
 同センターの設立により、人獣共通感染症の研究がよりレベルアップし、国内の伝染病の予防対策が共同で推し進められ、人獣共通感染症の予防にふさわしい貢献をすることが期待される。


7.外科医がいなくなる? 過酷な勤務状況で若手の外科離れが進行
産経新聞社2009年8月18日

 産科や小児科の医師不足が叫ばれて久しいが、
ここ数年、“花形”ともいえる外科医の減少が目立
っている。長時間に及ぶ手術や当直など勤務状況
が過酷であるにもかかわらず、報酬はそれに見合
わないことなどを嫌い若い医師の外科離れが進ん
でいるという。こうした状況を懸念した医療関係
者は、NPO法人「日本から外科医がいなくなる
ことを憂い行動する会」を発足させた。外科医を
増やすための情報発信や待遇の改善を国に訴えて
いくという。
■じわじわ進行…
 厚生労働省の調査によると、平成18年までの10年で医師総数は約15%増え26万3540人。一方、外科系(外科、心血管外科、呼吸器外科、小児外科)は約8%減の2万6075人。これまで医師不足が指摘されてきた産婦人科(産科、婦人科を含む)の約6%減よりも減少幅が大きい。一方、小児科は約10%えている。産科と小児科の「医療崩壊」の影で外科医の減少がじわじわと進行していたのだ。
 外科医の中でも29歳以下の若手医師数をみると、16年の医師数は2184人で、8年の調査に比べて1000人以上も減少している。若手の「外科離れ」が目立っている。
 外科医の大多数が加入する日本外科学会の新規会員数も昭和60年以降減少傾向にあるという。平成20年の新規会員は前年に比べ78人少ない832人だった。同学会は「このままでは近い将来、深刻な外科医不足が起こることは避けられない」と危機感を強める。
■6割が当直明け手術
 同学会が外科医1276人を対象に実施した18年の調査(複数回答)によると、外科医が考える志望者の減少理由として、「労働時間が長い」(71・9%)がトップ。これに「時間外勤務が多い」(71・8%)、「医療事故のリスクが高い」(68・2%)、「訴訟リスクが高い」(67・3%)、「賃金が少ない」(67・1%)が続く。
調査を行った大阪大学の門田守人(もんでん・もりと)副学長は「医学の進歩により手術が高度化し、医師一人にかかる負担は重くなっている」と指摘する。
 同学会が18年に実施した調査(1355人回答)の結果は、過酷な勤務実態をあぶり出した。
 「当直勤務明けに手術に参加しているか」との問いには、31%が「いつもある」と回答。「しばしばある」も28%にのぼり、約6割が当直明けに手術をこなしているのが現状だ。
 門田副学長によると、病院に勤務する外科医の週平均労働時間は労働基準法が定める時間を大幅に上回る69時間。一方、診療所の医師は48時間。しかし、病院に勤務する医師の収入は診療所の医師に比べ約2分の1にとどまっている。
 また、治療結果に不満を持った患者が訴訟を起こすケースが産科に次いで2番目に多く、リスクを伴う治療を避ける萎縮(いしゅく)医療を招いているという。
■今は崩壊前夜
 7月10日に開かれた「行動する会」の発足式では同会監事で東北大病院の里見進院長が「今は40代の医師が支えているが、外科医療は崩壊前夜だ」と現状を説明した。国は21年度から医学部の定員数を増やしている。しかし、門田副学長は「外科医が一人前になるには10年以上かかる。その間、外科医不足を解消するためにするべきことは多い」と指摘する。
 門田副学長は解決策として、(1)勤務環境の整備(2)労働内容にみあった報酬の実現(3)医療事故が起きた場合、原因を究明する医療版事故調査委員会の早期設置-などを挙げている。


8.がん:細胞のがん化抑える遺伝子、善玉→悪玉に突然変異 仕組み制御できれば新薬も
毎日新聞社2009年8月18日

細胞のがん化を抑えている遺伝子が突然変異し、がんを引き起こす珍しい現象を、小川誠司・東京大病院特任准教授(血液腫瘍(しゅよう)学)らが血液がんで発見した。現在の治療法は骨髄移植しかないが、「善玉」から「悪玉」に変身する仕組みを制御すれば新薬の開発につながる可能性がある。
 現象が見つかったのは、正常な血液が作られなくなる骨髄異型性症候群。国内に7000~1万人の患者がいると推定され、進行すると白血病になる例も多いという。
 研究チームは、同症候群の患者222人の遺伝子を調べた結果、11番染色体に異常がある患者群(17人)では、遺伝子「C-CBL」が変異していることを突き止めた。
 C-CBLは通常、がん細胞を含め細胞の増殖を抑制する働きがある。しかし、変異したC-CBLをマウスの細胞に組み込むと、細胞の異常増殖を促すたんぱく質の働きが活発になって、がんを引き起こした。異常増殖の割合は、正常なC-CBLのない細胞ほど高く、積極的に細胞増殖を促進する機能を獲得していることも判明した。
 小川さんは「細胞増殖を促進するたんぱく質の働きを妨げる薬剤を開発できれば、有効な治療薬になる可能性がある」と話す。7月20日付の科学誌ネイチャー電子版に発表した。


9.便からがんを簡易検出 岡山大・永坂助教ら新手法開発
山陽新聞社2009年8月18日

 岡山大病院消化管外科の永坂岳司助教(42)らのグループは微量の便から抽出したDNAで大腸がんや胃がんの有無を調べる方法を開発した。簡便に早期発見できる新たなスクリーニング(ふるい分け)検査につながる成果として米科学誌「ジャーナル・オブ・ザ・ナショナル・キャンサー・インスティチュート」に掲載する。
 便を使った大腸がんのスクリーニング検査は、便中の血液をみる便潜血反応検査が普及しているが、腫瘍が大きくなり出血した段階で初めて分かり、発見率は20~40%にとどまり早期発見が難しい。
 永坂助教は「便潜血反応と同じ10ミリグラム程度の便で検出でき、健診などで見つからなかったがんを高い精度で発見できる。より多くの症例を調べ、簡単な検査キットの開発にもつなげたい」と話している。


10.医療ナビ:人工内耳 音を電気信号に変え、神経を刺激する
毎日新聞社2009年8月18日

◆人工内耳 音を電気信号に変え、神経を刺激する。
 ◇低年齢での手術有効 情報量には限界/術後ケアに重点を
 補聴器を使っても音が聞き取りづらい難聴者やろう者に、音をもたらす人工内耳。音を聞くための神経を電気で刺激する。
 東京都港区のオーストラリア大使館で7月に開かれた人工内耳のイベントで、2歳半で手術を受けた鈴木理央君(8)は、母和代さん(40)と参加者の前に立った。和代さんが「将来の夢は?」と尋ねると、「1番はサッカー選手、2番は野球選手、3番はお医者さんです」と話した。和代さんはインターネットで人工内耳を知り、「手術のリスクより期待の方が大きい。理央と私たちの言葉で話したいと思った」という。
 人工内耳は82年、オーストラリアで最初に実用化された。開発時に学生だったメルボルン大のリチャード・ダウウェル教授(聴覚学)は「人間とコンピューターがつながる。興味深いと思った」と話す。日本では94年から健康保険が適用され、約5900人が使っているといわれる。
 通常、私たちは意識せずに音を聞いている。静岡県立総合病院の高木明医師(耳鼻咽喉(いんこう)科)は「耳は音の振動をデジタル信号のような電気に変える点で、コンピューターのような働きをしている」と話す。音は空気の振動として耳に入り、この振動を蝸牛(かぎゅう)の中の有毛細胞が電気信号に変え、神経を経て脳に伝わり音として認識される。人工内耳は有毛細胞に代わって音を電気信号に変えて神経に伝える。耳に入る音を大きくする補聴器とは仕組みが異なる。
 人工内耳は蝸牛に埋め込んだ10~20前後の電極で神経を刺激する。伝える情報量は正常の耳と比べて圧倒的に少なく、聞こえ方も違う。家族の声も手術後、元と同じように感じるにはしばらく時間がかかるという。中途失聴者の場合、少ない情報を以前の聞こえ方の記憶と結びつけて音声を理解していく努力が必要だ。
 乳幼児は、音声言語の記憶がないので、手術時期やその後のケアが重要になる。耳の神経からの情報を言葉として認識する脳の「言語野」が急速に発達するのは3~4歳まで。低年齢で手術をした方が言語獲得がスムーズな傾向にあるが、手術前の耳の状態や置かれた環境などで個人差が大きいという。
 人工内耳の利用者のうち小児の割合は世界で54%、日本では40%。1000人に1人の割合でいる先天性高度難聴の子どもも、新生児聴覚スクリーニングで早期発見されやすくなった。「今後、人工内耳を使った子どもの成長ぶりが広く理解され、障害が軽減できるとの認識が深まれば、高度難聴児を持つ親にとって有力な療育手段として選ばれていくのではないか」と話す。
 京都大の本庄巌名誉教授は「医師の理解が不十分な面もあり、人工内耳の情報が患者にきちんと伝わっていないこともあるのではないか。また、手術後の聞こえをサポートする専門性の高い言語聴覚士を充実させることも重要だ」と指摘する。
 ◇音楽が楽しめる可能性も
 人工内耳は音の高低がわかりにくく、音楽を楽しむのは難しいと言われる。洗足学園音楽大は01年から、人工内耳で音楽を楽しむための研究をしている。複数の打楽器をそれぞれ鳴らして聴き分ける実験をしたり、聴きやすい曲を集めた演奏会を開いている。
 研究に参加する東京都内の会社員、真野守之さん(55)は「以前好きだった歌謡曲も、手術直後は高い音が一本調子に聞こえて同じ曲に思えなかった。今は楽しんで聴ける」と話す。また、「生の音楽を聴いた後は、普段は集中しないと聞き取れない電話の声がすっと聞こえるなど、聞こえ方が楽になる」という。同大音楽感受研究室の松本祐二室長は「言葉より音楽の方が、人工内耳の電極を広範囲に刺激するからではないか。今後、練習プログラムをまとめたい。趣味が広がり、日々の聞こえが向上する可能性もある」と話す。


11.世界最小の人工心臓埋め込みに成功、ドイツ
AFP News2009年8月18日

ドイツの病院で、世界最小の「補助人工心臓」の患者への埋め込み手術が世界で初めて行われた。手術を行ったハイデルベルク大学病院(University Hospital of Heidelberg)が17日、明らかにした。
 この人工心臓を体内に装着する第1号となったのは、50歳の女性患者で、7月末に埋め込み手術を受けた。以来、女性は自宅でほぼ通常の生活を送っているという。
 プラスチックとチタンでできた重量92グラムという最小の補助人工心臓は、小さいだけでなく、従来の装置よりも高機能で患者への負担が少ない。
 同病院で心臓外科を担当するマティアス・カルック(Matthias Karck)医師は、補助心臓は女性の心臓の左心室機能を完ぺきに補っており、作動音も静かで順調に機能しているという。
 補助人工心臓は、心臓の移植提供者待ちの期間にも利用できるほか、体内に埋め込まず、体外から制御する体外設置型としても、使用できる。
 今回、移植された補助人工心臓は、心臓外科医の第一人者、故マイケル・ドベイキー(Michael DeBakey)博士が1990年代に開発した初代の人工心臓「ドベイキー・ハート(DeBakey Heart)」の第5世代目となる。


12.北京で女児の結合双生児が誕生、分離手術へ
AFP News2009年8月18日

中国・北京(Beijing)市内の病院で、腹部が結合した女児の結合双生児が誕生し、医師らは分離手術の方法を検討している。
 結合双生児は、双子の出産10万回に1回の割合で誕生すると言われ、その9割は女児だ。一卵性双生児を妊娠した際に、受精卵の分裂が不完全だと、体の一部が結合した双生児が誕生する。


13.ブラジル産プロポリスが体脂肪を減らす
Searchina2009年8月18日

山田養蜂場は、奈良女子大学の小城勝相教授、市育代助教と共同研究を行い、ブラジル産プロポリスが体脂肪を減らし、血清の脂質を低減させる作用があることを動物試験にて明らかにした。
 今回の実験では、ラットを20%のラードを含む高脂肪食のみ与えた対照群、同高脂肪食に0.05%のプロポリスを混ぜて与えた低用量群、同高脂肪食に0.5%のプロポリスを混ぜて与えた高用量群の3群に分け、8週間飼育を行った。その後、各組織(睾丸、肝臓、腸間膜周り)の体脂肪の量、血清、肝臓に含まれる脂質の量を測定した結果、プロポリスを与えた場合、高脂肪食のみを与えた対照群よりも腸管膜や腎臓周りの脂肪、全白色脂肪(内臓に蓄積する脂肪)、血漿、肝臓に含まれるコレステロールとトリグリセリド(中性脂肪)の量が減少した。
 さらに、脂肪の蓄積や代謝に関わる4種類のタンパク質の量を測定すると、高用量のプロポリスを摂取した場合、脂肪細胞を分化させ、脂肪を蓄積させるPPARγと、トリグリセリドを作るSREBP-1が減少し、脂質をエネルギーに換えるPPARαが肝臓で増えていた。つまり、プロポリスによる体脂肪の減少及び血漿や肝臓でのトリグリセリドの減少には、これらのタンパク質の増減が関与しているといえる。また、コレステロールを作るHMG-CoA還元酵素量が対照群に比べ減少しており、プロポリスはこれらを減少させることでコレステロールの体内合成を抑えていることがわかった。
 また、脂肪の吸収度を調べるため、ラットを、プロポリスを与えない対照群、低用量群(プロポリス42.5mg/kg)、高用量群(425mg/kg)に分け、12時間絶食させた後、各用量のプロポリスを与えた。30分後オリーブ油(5ml/kg)を与え6時間後まで2時間ごとに採血し、血液中のトリグリセリドの量を測定。すると、プロポリスを与えた群では、トリグリセリド量が低い値を示し、プロポリスには脂肪の吸収を阻害する作用があるということも明らかになった。
 これらの実験より、体脂肪が減少するだけでなく、血清や肝臓の脂質の量も減少し、プロポリスが脂肪の吸収を阻害することがわかった。つまり、近年増加する脂質異常症(高脂血症)から発症する脳梗塞や心筋梗塞などの動脈硬化性疾患やメタボリックシンドロームの改善にプロポリスが役立つ可能性が示唆される。
 これまで、ブラジル産プロポリスは抗菌作用や抗炎症作用、抗腫瘍作用、抗酸化作用、抗アレルギー作用など様々な薬理学的作用を持つことが明らかになってきた。今回の実験では、生活習慣病に関係する脂質の代謝に対しても効果がみられたことで、プロポリスの新たな作用が見出された。


14.治りにくい高血圧がサイン 腎動脈狭窄症に注意を ステント治療が進歩
共同通信社2009年8月18日

 腎臓に血液を送る腎動脈が狭くなり、血圧が高くなったり、腎機能の悪化で血液透析が必要になったりするのが「腎動脈狭窄症」。主な原因は動脈硬化だが、同じようにして起きる心筋梗塞などに比べ認知度は低い。
 血管に入れた細い管(カテーテル)を患部にもっていき、狭くなったところを広げてステントと呼ばれる金属製の筒を留置する治療が進歩しており、専門医は「高血圧が改善しにくい場合はこの病気を疑ってほしい」と呼び掛けている。
 ▽動脈硬化で
 腎動脈は、心臓から全身に血液を送る大動脈から分かれ、左右一つずつある腎臓につながる。狭窄症の原因はいくつかあるが、動脈硬化で生じる「粥状硬化性」のものが約90%を占め増えている。大動脈から腎動脈への入り口近くにできることが多く、コレステロールなどの塊(プラーク)が連続する。狭窄度は徐々に進行する。
 「動脈硬化は心臓の冠動脈や脳、頸部、下肢の動脈などでも起きやすいが、腎動脈はあまり知られていない」と話すのは、循環器科が専門の横井宏佳・社会保険小倉記念病院 (北九州市)診療部長。
 高血圧や冠動脈の病気を持っている人が合併する頻度も高く、同病院で冠動脈のカテーテル治療を受けた約1400人を調べたところ、5・4%が腎動脈狭窄症だった。
 ▽放置すると腎不全
 腎動脈が狭くなると血液の供給が減り、血圧を上げるホルモンが活性化。血圧が上昇する腎血管性高血圧症が起きる。これが進行すると心臓に負担がかかり、不安定狭心症やうっ血性心不全といった心臓の病気に至る場合がある。
 狭窄症がさらに進んで腎臓に十分な血液が行かなくなったり、高血圧で動脈硬化が進んだりした状態を放置すると、腎臓は萎縮して機能が低下し、慢性腎不全になってしまう。海外の研究では、5年後の生存率は腎動脈狭窄症だけの場合で78%、冠動脈の病気を合併すると45%になるという。
 自覚症状は少ないが、横井さんは「2、3種類の薬を飲んでも血圧が下がらない、安定していた血圧が急に上昇し進行するといった状態は、この病気を疑う手がかりになる」と受診を勧める。通常、血管の超音波検査ができる医療機関なら診断は可能で、MRIやCT、血管造影なども併用する。
 ▽新型で成功率向上
 治療は降圧薬や抗血小板薬の投与のほか、狭窄率が50%以上になることなどでステント治療の適応となる。太ももの付け根などから血管に入れたカテーテルを、大動脈から腎動脈の狭窄部にもっていき、特殊な風船で広げるとともにステントを留置する。
 従来のステントは直径2・64ミリの太いカテーテルを使うため、血管の壁を傷つけやすいなどの欠点があったが、6月に発売された製品は直径1・98ミリの細いもので挿入でき、安全に治療しやすくなったという。
 横井さんは「腎動脈は大動脈からほぼ直角に曲がっており、カテーテルの操作には技術が必要。新製品はステント自体の柔軟性も増し、非常に使いやすい」。海外の臨床試験では、急性期の治療の成功率は約98%と、従来型ステントより約18ポイント向上。合併症発症率も4分の1程度に減った。
 治療には一定の危険性もあり、トレーニングを積んだ医師からきちんと説明を受けた上で判断することが大事。横井さんは「腎動脈狭窄症は早期診断、治療で透析や降圧剤の使用を減らせることの重要性を、患者にも医療関係者にも訴えたい」と話している。


15.がん患者の口腔ケア用品専門 機関とメーカー連携
共同通信社2009年8月18日

 抗がん剤や放射線治療の影響などで、口の中の炎症や乾燥といった症状に悩まされているがん患者向けの口腔ケア用品を、静岡県立静岡がんセンター と静岡県歯科医師会 、サンスター (大阪府高槻市)の3者が共同で開発した。
 ケアで口内の細菌を減らせば、手術後の感染症など合併症の危険性を減らせるなど患者の生活の質(QOL)が向上することは分かっているが、適切な用品は少なかったという。
 抗がん剤や放射線による治療を受けるがん患者の多くは、細胞が傷ついて唾液が出にくくなり口の中が乾燥。粘膜が荒れ、口内炎ができたり舌が腫れたりする。痛みや出血を伴う場合も多い。
 「口内炎で痛い、口が乾燥して粘つく、夜中に口がカラカラになる、歯磨きが思うようにできない、などの訴えがあり『水やうがい薬で何回もうがいしてください』と説明するたびに、いいケア用品がないかと思うことが多かった」と、静岡がんセンター歯科口腔外科の大田洋二郎部長。
 同センターは口腔ケアをがん治療の一環と位置づけ、医師と歯科衛生士、看護師らがチームで対応。舌を切除後、腹部や太ももの筋肉を移植して患部を再建するなどの頭頸部がんの手術で、術前に歯垢の除去と粘膜の清掃を行うと、術後の患部の感染率が3分の1程度に減ることを確認した。
 口やのどの手術を受ける患者に、術前から専門的な口腔ケアを行うと口の中の細菌数が減少。1週間たっても、感染症の原因となる悪いタイプの菌は少ない状態が維持されることも突き止めた。
 ケア用品開発もこの取り組みの延長で(1)口の乾燥を和らげる(2)粘膜に刺激が少ない(3)口の中がさっぱりする―ことに主眼に置いた。
 保湿性と細胞保護作用のある成分を使い、粘性を高め口中で垂れにくくしたジェルタイプのスプレーと、保湿力の高い洗口液、荒れた粘膜にも使える刺激の少ない歯磨きと歯ブラシ、粘膜をケアする柔らかい柄付きスポンジの計5種類。口内炎や口腔乾燥などのあるがん患者以外の人にも使える。
 サンスターが販売。静岡県内の歯科医療機関から順次全国に広げ、来年後半をめどに一般量販店でも販売したいとしている。インターネット でも購入できる。


16.【日病薬】病院薬剤師の新しい業務展開で中間報告‐多くの施設がスキルミックスを実践・模索
薬事日報社2009年8月18日

日本病院薬剤師会がまとめた「薬物療法の質の向上と安全確保に資する病院薬剤師の新しい業務展開―新しい業務展開実態調査結果を踏まえて」の中間報告によると、剤形変更の処方や処方変更、投与量変更、投薬・注射の中止は、既に3割の施設で取り組んでいることが分かった。また、フィジカルアセスメントを実施している施設は、していない施設と比較して、新たな業務に積極的に取り組んでいることも明らかになった。
処方変更や投薬中止、3割の施設が取り組む
 実態調査は、スキルミックスとして薬剤師が果たすべき新たな業務展開を明らかにするために、既に現場で取り組まれている新業務の実態について調べられた。調査は、▽薬剤師の基本業務に基づく薬物治療の充実と安全確保▽チーム医療による薬物治療の充実と安全確保▽病院機能に基づく薬物治療の充実と安全確保▽地域医療の充実と安全確保--のカテゴリーに分けて、設問として、具体的な新しい業務を盛り込む形で行われた。
 「基本業務に基づく薬物治療」についてみると、具体的な業務に挙げられた「処方参画」では、医師の同意を得て実施している業務として、「処方薬の剤形(散薬・錠剤・一包化等)変更を処方している」が、1052病院(33・1%)に上った。また、「入院患者の処方スケジュールを確認し、定時処方切れなどの投与日数の調整のための臨時処方」も、445病院(14・0%)で実施していた。「保険薬局で後発品に変更した処方薬を、診療録に反映させるための代行入力」は298病院(9・4%)だった。
 さらに、薬物治療への直接的な処方参画として、「慢性期患者について定期処方を処方している(do処方)」が434病院(13・6%)あり、「症状が安定している外来患者に、副作用の有無などの患者情報を踏まえ、過去の処方歴をもとに処方入力している」施設が144病院(4・5%)あった。また、「入院患者の検査データ、バイタル、自覚症状など患者情報を踏まえ、不眠、疼痛、便秘などの症状改善のために臨時処方をしている」219病院(6・9%)で実施していた。
 具体的な業務としてあげられた「医薬品の適正使用のための薬学的管理」では、薬物治療中の状態を定期的にモニターし、処方変更、投与量の変更、投薬・注射の中止を提案している施設が、933病院(29・3%)と3割を占めた。また、添付文書の使用上の注意事項を考慮し、副作用予測または回避に必要な「血圧、脈拍、体温測定や聴診、視診などのフィジカルアセスメント」も、143病院(4・5%)で実施していた。実施率は低いものの、「褥瘡、熱傷、傷口など傷面に外用剤を塗布し適正な塗布の仕方を指導」なども54病院(1・7%)で取り組んでいた。
癌化学療法にも参画‐問題点とアウトカム示す
 「チーム医療による薬物治療の充実と安全確保」のカテゴリーで、具体的な業務として挙げられた「感染制御」では、院内感染対策への参画として、「O‐157、SARSなど新たな感染症発生時の情報収集、対策を実施」が868病院(27・3%)に上った。また「褥瘡対策」では、病態に適した外用薬について医師に情報提供している施設が1409病院(44・3%)、病態に適したドレッシング剤について医師に情報提供しているが937病院(29・5%)と多かった。
 「病院機能に基づく薬物治療の充実」についてみると、具体的な業務として挙げられた「癌化学療法」としては、703病院(22・1%)がレジメン作成検討会で適切なレジメン作成の提案に取り組んでいた。治療法決定後のインフォームドコンセントに同席し、薬剤関連事項について患者に説明している施設も158病院(癌治療実施施設の9・4%)あった。さらに、102病院(6・0%)では、外来化学療法で副作用をモニターし、治療が必要か否かを薬剤師が判別していた。「外来化学療法で副作用をモニターし、発疹、脱毛、口内炎など軽症な副作用の場合、医師の了解のもとで軟膏塗布などを実施」も36病院(同じく2・1%)あった。
 それらの結果を踏まえ、日病薬では良質で安全な癌化学療法における薬剤師の業務フロー案を作成し、業務を実施するための主な問題点と実施により想定されるアウトカムを取りまとめている。
フィジカルアセスメント実施施設、処方変更の提案は2倍‐専門薬剤師の有無でも差
 中間報告では今後の薬剤師の業務展開について、薬剤師が病棟に常駐し、従来のカンファレンス傍聴、カルテや看護日誌の閲覧など、間接的な情報収集のみでは不十分と指摘している。間接情報にとどまらず、必要に応じて触診や聴診といったフィジカルアセスメント、あるいはバイタルサイン測定など、患者の状態の経過観察による直接的な患者情報の収集が不可欠とした。
 ぞの理由として、フィジカルアセスメントを実施している施設は、新たな業務展開に積極的に取り組んでいるとの結果が得られていると紹介。具体的には、実施施設では、患者の状態をモニターして処方変更などを提案しているが60・8%で、全病院29・3%の2倍強に上ることや、注射薬の投与直後から直接患者の副作用症状を経過観察しているが、7倍近くの28・7%を占めていることを挙げている。そのほか、癌および感染制御の認定・専門薬剤師が従事する施設でも、多くの新たな業務への取り組みが展開されていることが分かった。


17.「サクシン注射液」から「スキサメトニウム注」への販売名変更
日医News第1151号(平成21年8月20日)2009年8月18日

平成二十年十一月,ヒドロコルチゾン製剤「サクシゾン」と筋弛緩剤「サクシン」を誤投与したことによる死亡事故が発生したことから,日医では,「医薬品の販売名の類似性等による医療事故防止対策の強化・徹底について(注意喚起)同年十二月十九日付日医発第九三一号(医安七二)」において医療安全対策に係る周知徹底をお願いしてきたところである.
 今般,製薬メーカーの対応として,アステラス製薬株式会社が,「サクシン注射液」の販売名を「スキサメトニウム注」に変更すべく,販売名変更代替新規承認申請を行い,承認を受けた.組成・性状,効能・効果,用法・用量,使用上の注意については,従来製品からの変更はない.
 同社は現在,安全対策としての情報提供を実施しているところだが,出荷・発売時期は八月下旬とのこと.
 なお,名称の類似が指摘されている薬剤は,他にも存在しているので,これまでどおりの医療安全対策を講ずるようお願いする.
 本件については,平成二十一年七月二十二日付(法安一七)にて都道府県医師会宛に通知済である.



18.救急救命士のエピネフリン投与で報告書-消防庁検討会
CareerBrain2009年8月18日

総務省消防庁は8月17日、「消防機関における自己注射が可能なアドレナリン(エピネフリン)製剤の取扱いに関する検討会」の報告書を公表した。自己注射型のエピネフリン製剤を、救急救命士がアナフィラキシーショックを起こしている患者に代わって投与する際の手順や注意事項がまとめられている。
厚生労働省が3月に発出した通知により、救急救命処置の範囲などが一部改正され、アナフィラキシーショックで危険な状態にある患者が、自己注射が可能なエピネフリン製剤「エピペン」を処方されている場合、救急救命士による投与が可能となった。これを受け、消防庁は6月15日に同検討会を設置し、体制整備のために検討を進めてきた。
 報告書では、救急救命士によるエピペンの使用は、メディカルコントロール体制の中で医学的な質が保証され、事後検証を前提に行われるべきとされた。各メディカルコントロール協議会には、地域の実情に応じたプロトコールの作成や処置に際しての医師によるオンラインでの助言体制、事後体制や教育体制を構築することを要請している。
 対応時の必須事項として、救急救命士はエピペンの処方があるか119番通報時などに確認するほか、アナフィラキシーが疑われ、本人が打つことが困難な場合に、代わりに救急救命士がエピペンを打つこととされた。
 エピペンの取り扱い手順としては、使用前に使用期限や薬液の変色、沈殿物の有無を確認し、添付の連絡シートにより患者本人のものであることを確認する。
 エピペンの先端に指や手を当てることなく、中央部を持ちながら使用し、患者の太ももの前外側の皮膚に直角に強く押し当て、注射液が確実に出るように5秒間保持。その後、注射した所を数秒間もむとしている。
 また、針が出ていることを確認し、使用済みのエピペンをハザードボックスに破棄する。その後、エピペンを使用したことを搬送先の医療機関に伝えるほか、救急救命処置録に記載する。
 留意事項として、救急救命士は通常の救急活動と同様、緊急性が高く十分に実施できない場合を除き、患者からインフォームドコンセントを得る必要があるとしたほか、自分に針を刺してしまう可能性があるため、エピペンの先端に指や手を当てて使用することは絶対に避けるよう指示している。
 使用後は、エピペンをリキャップせずに、ハザードボックスに破棄する(患者本人が使用した場合と取り扱いが異なる)。投与後は薬液の大部分が注射器内に残るが、針が出ていれば一定量のエピネフリンが投与されており、問題はないとしている。もし、針が出ていない場合は、再度投与を行うとしている。


19.透析医療“受難の時代”
CareerBrain2009年8月13日~18日

(1)高まるリスク、増える業務量…
「増子クリニック昴」(名古屋市)の町田みゆき看護課長は今から2年前、本院の「増子記念病院」からほぼ10年ぶりに透析医療の現場に復帰して、驚いた。かつて働き盛りだった透析患者の高齢化が進み、身の回りの介助が必要な人が増えていた。
 昴には現在、240人ほどが透析を受けに通っている。その3人に1人が、65歳以上の高齢者だ。80歳以上の後期高齢者もかなりいる。
 透析中の血圧低下や終了時の転倒など、高齢化は患者たちに新たなリスクをもたらした。急激な血圧低下によるショック状態などを避けるため、本来は1時間置きのバイタルチェックを、15分ごとに実施しなければならない患者もいる。透析室では、午前中から「夜間透析」が終わる午後11時すぎまで、ほとんど気を抜けない状態が続く日もある。
 町田さんは日中、“プレイングマネジャー”として勤務表を片手に院内を走り回る。勤務シフトの作成など管理職としての業務に充てるのは、午前と午後の患者が入れ替わる際などのわずかな時間だ。
■深刻化する人手不足
 町田さんは、透析医療の技術はこの10年間で大きく進歩したと感じている。しかし、患者の高齢化によって介助業務が増える一方、スタッフの人数はこの間、ほとんど変わっていない。スタッフ一人当たりの業務量は、むしろ格段に増えた。
 昴では、ベッドが49床ある2階で、症状が比較的軽く、身体の自由度も高い人たちを受け入れている。1階(31床)に足を運ぶのは、車いすが必要だったり、症状が重かったりする患者たちだ。
 透析を安全に提供するのに必要な看護スタッフの定数を1階5人、2階7人と自主的に決めているが、最近は共に定員割れが続いている。看護職の全国的な不足が叫ばれる中、人員を補充しようにも思うように集まらない。
 高齢化に伴い、施設側は新たな設備投資も迫られている。増子クリニック昴は、市内に2つあった透析クリニックを統合して2005年11月に開院した。旧クリニックでは、高齢患者を想定したエレベーターやバリアフリー構造が整備されていなかった。分院の統合には、高齢患者のニーズに対応する意味合いもあった。「透析医療を続けるには、これらの設備を整えることが最低条件」(町田さん)になっている。
 高齢患者のリスクや新たな設備投資ニーズの高まり、業務量の増加…。二重苦、三重苦に見舞われる中、現在の診療報酬で透析室に十分な管理体制を敷くのは簡単ではないと、関係者は口をそろえる。
 町田さんは「いくら技術が進歩しても、見守りやケアが必要な患者さんがこれからも増え続けたら、安全に透析を提供するのは難しくなるかもしれない」と危惧している。
■透析医療の苦境、病院でも
 苦しい状況は、本院の増子記念病院でも変わらない。2000年代に入って透析医療の診療報酬の引き下げが続いた影響もあり、社会復帰した患者らに実施する「夜間透析」を取りやめたり、実施日を減らしたりする病院が周辺に相次いだ。これに伴い、本院では透析室の受け入れ患者が急増。一方で、3つある透析室には看護スタッフ3人の欠員が生じているところもある。
 増子記念病院の佐藤久光看護副部長は、「患者が重症化し、対応できる透析ベッドが不足している。そのため、分院にも“準重症患者”が通院せざるを得なくなっている」と頭を悩ませている。
(2)揺らぎ始めた「世界一の透析現場」
「透析患者にとって日本は、世界一恵まれた国」と語るのは糸賀久夫さん(60)。1972年に透析治療を受け始めて以来、医療の進歩を肌で感じてきた患者の一人だ。NPO法人東京腎臓病協議会(東腎協)の第7代会長を務め、患者が平等に透析医療を受けられる環境を目指して活動を続けてきた。国や地方自治体による助成制度も、こうした運動の末、勝ち取ったものだという。糸賀さんは今、「看護師不足」や「診療報酬の引き下げ」の影響が透析患者にも及び始めていることに危機感を抱いている。
■生きがい与えてくれた「夜間透析」
 糸賀さんは今、「夜間透析」を縮小・閉鎖する医療機関があることに不安を感じている。
 3年前、58歳で早期退職するまで、週に3回夜間透析を受けながら、5日間を働き続けた。
 昼間に働き、夜間に透析を受けるのは、体力的に楽ではない。「命を縮めるようなものだ」と忠告されたこともある。でも、糸賀さんにとっては違った。社会復帰して健常者と机を並べて働くことが生きがいだった。「これがあったから、苦しい人生も乗り越えられた」。
 看護師不足やコスト削減の影響を受けて、夜間透析をやめる医療機関もある。
 糸賀さんは「今は高齢の患者が増えて、日中透析を受ける人が多い。そうなると、病院としてはコスト面を考えると、人数が少ない夜間は閉鎖しようということだろう」と語る。しかし本音では、社会復帰に不可欠な夜間透析体制を継続してほしいと願っている。
■嘔吐、失神…「透析は怖いものだった」
 糸賀さんが透析を受け始めた当時、透析技術は発展途上の段階だった。水分の引き過ぎで吐いたり、失神したり…。「透析は“怖いもの”だったから、終わるとほっとしていた」。
 生きるために、透析の苦しさに耐えてきたが、透析を受けられるのはむしろ幸運なことだった。
 当時は透析に必要な医療機器自体が少なく、高齢者は透析をほとんど受けていなかった。たとえ透析を受けられたとしても、3-5年生きられればよしとされた時代。手にした可能性を最大限生かそうと、食事療法などの自己管理を徹底してきた。
 それから40年近くが経過し、日本の医療技術は格段に進歩した。今や「透析患者にとって世界一恵まれた国」と呼ばれるまでになった。それでも糸賀さんは、医療を取り巻く状況に不安を感じている。
 医療機関の厳しい経営状態を背景に、現場のあえぐさまが糸賀さんの目には見えているからだ。病院の透析ベッドの幅がどんどん狭くなってきたり、看護助手もいなくなったりした。
 「医療崩壊といわれているこの時代。透析医療だけは“聖域”だと楽観視する気には全くなれない」
■医療者が困れば、患者も困る
 透析は1日置きに4時間前後実施するのが一般的だ。いったん始めると、腎移植をしない限り一生続けなければならない。患者側は、「穿刺はうまくいくか」「血圧低下はしないか」といった不安をいつも抱えている。治療が長年に及ぶと、合併症の重症化などのリスクも出てくる。
 食事療法や水分管理は昔に比べて随分楽になった。とはいえ、自己管理が求められることに変わりはない。
 これらを受け止めながら治療を継続するために、透析医療ではメンタル面の管理も重要になる。「だからこそ、それを支える看護師や医師とのコミュニケーションが重要になってくる」と糸賀さん。
 診療報酬の削減、マンパワー不足などで透析現場が困窮すれば、医療提供の側面だけでなく、メンタル面でも患者に影響が及ぶと危惧している。
 「世界一恵まれた透析医療」が揺らぎ始めた。糸賀さんは、患者側も何らかの行動を起こす必要があると仲間に呼び掛けている。
(3)「生きる権利」を次の世代に
「患者と医療者は両翼。わたしたち患者も、安穏と医療を受けているだけの時代ではない」-。NPO法人東京腎臓病協議会(東腎協)の小関盛通事務局長はいつも、透析医療を守るために患者ができることを考えているという。診療報酬の削減などで医療現場が困窮すれば、患者にも影響が及ぶと考えるからだ。
■ 診療報酬に“翻弄”
 透析医療の診療報酬点数は、変動が激しい。例えば外来での「人工腎臓」の点数は、1日につき透析時間が「4時間未満」で1630点、「4時間以上5時間未満」で2110点、「5時間以上」で2210点だったものが、2002年度の診療報酬改定で時間区分が撤廃され、一律1960点になった。
 06年度の報酬改定では、腎性貧血の治療に用いる「エリスロポエチン製剤」を包括評価することになり、点数は一律2250点になった。
 昨年度は、透析時間が生命予後に影響を与える可能性があることなどが考慮され、時間区分による評価が復活。「4時間未満」2117点、「4時間以上5時間未満」2267点、「5時間以上」2397点になった。
 こうした透析医療の診療報酬点数の変化が患者に影響を与えてきたと、小関さんは言う。
 一般に、透析は4時間以上実施した方が、予後が良いといわれている。しかし、小関さんによると、時間によらず点数が一律になった時期には、透析時間を3時間にする医療機関もあったという。小関さんは「診療報酬点数が下がれば仕方がないのかもしれないが、時間が短いと心臓に負担が掛かったり、予後不良のリスクが高くなったりするのは間違いない」と話す。
 透析の現場では、患者の高齢化が進み、要介護者も増えた。長年透析を受けている人や、糖尿病性腎症が進行して透析を受け始めた患者などは、合併症による重症化が問題となっている。リスクを抱える患者が増加する中、透析室では十分なスタッフをそろえられないでいる。さらに高齢患者の送迎など、透析を実施する医療機関の負担は増すばかりだ。
 こうした中、医療機関に診療報酬上の手当てが十分になされないと、患者の命にもかかわりかねないとの不安がある。このため診療報酬を守るための働き掛けは、患者側にも重要になる。小関さんは「医療機関を救う根本的な変革を国に訴えたい」と話す。
■苦難の時代に戻らないために
 東腎協では、全国腎臓病協議会(全腎協)と共に38年間にわたり、国に請願書を出し続けてきた。今年3月に出した請願書には、腎臓病および糖尿病性腎症の予防対策と腎不全・透析治療に移行しないための啓発活動に取り組むことや、医師や看護師、ホームヘルパーなどの人材不足を早急に解消するための具体策を講じることなど8項目を盛り込んだ。
 中でも小関さんが危惧するのが、透析を始めるきっかけとなった疾患が糖尿病性腎症である患者が増えていることだ。昨年透析導入した患者では4割強を占めるという。「食事管理など自己管理をきちんとすれば、透析を導入するまで悪くはならない。自分でコントロールができるなら、苦しい透析に入る道を選ばないでほしい」。
 小関さんがこう主張するのは、この問題が糖尿病性腎症の患者にとどまらないからだ。透析患者が増えれば、それに伴うコスト増が社会保障費を圧迫する。やがては、患者に医療費負担を求める声が上がらないとも限らない。
 助成の体制がいったん崩れると、元に戻すのは難しい。いずれは患者個人ではカバーし切れないだけの負担を求められる苦難の時代に回帰する危険性もはらんでいると、小関さんはみている。
 「現在の透析医療は、先輩たちが一つずつ『生きる権利』を勝ち取ってくれたもの」と小関さん。これを次の世代に引き継ぐためにも、「患者は無関心でいられない」と考えている。
(4)透析室から病棟へ 進む人材流出
千葉県佐倉市の「聖隷佐倉市民病院」では今年度、月平均1868件の透析を扱っている(5月までの実績)。これに対して、透析室(57床)の看護スタッフは18人。単純計算だと、一人当たり月に100件以上を担当していることになる。
 スタッフ当たりの担当件数は、運営主体の聖隷福祉事業団が国立病院の経営を引き継いだ2004年度以降、右肩上がりが続いている。特に、06年度は91.38件で、前年度の69.23件から一気に20件以上増えた。
 同病院では、透析導入後に患者が外来透析を希望すれば、可能な限り対応する方針を取っている。その一方で、透析室の看護スタッフを増員することは、病院にとって容易ではない。
 現在の診療報酬体系は、入院患者を受け入れる病棟部門の収入については、看護スタッフをどれだけ配置しているかで差をつける仕組み。06年度の報酬改定では、患者7人に対して看護スタッフ1人を配置すると診療報酬が高くなる「7対1入院基本料」が新しくできた。
 これに対して、透析室には看護職員の配置に関する診療報酬上の基準はなく、これらの部門にどれだけ手厚く人員を配置しても報酬は変わらない。
 国の医療費抑制策などで経営環境が悪化する中、たとえ看護スタッフを採用できたとしても、病院としては収入に直結する病棟の体制維持を優先せざるを得ない。その結果、看護スタッフの偏在が院内で進みがちになる。
 透析医療に従事する看護師らが加入する「日本腎不全看護学会」が06年末、138病院を対象に実施したアンケートでは、過去2-3年以内に透析部門の看護師を「増員した」のは29病院にとどまり、ほぼ半数に当たる64病院が逆に「削減した」と回答した。人員削減の理由には、「病棟への異動」や「7対1による影響」を挙げるケースが多かった。
 透析中の急激な血圧低下などを防ぐには、患者の状態を把握し続けなければならない。高齢化の進行に合わせて、病棟だけでなく透析室にも手厚い人員配置を敷く必要がある。
 十分な看護スタッフを確保できない病院では、臨床工学技士や看護助手など、比較的採用しやすいスタッフの増員で対応していると、同学会ではみている。
 「7対1」の新設により、病院間のスタッフ偏在にも拍車が掛かった。大学病院や自治体病院など地域の有力病院が、より多くの看護スタッフを確保しようとする動きが各地で加速し、ただでさえ看護スタッフの不足が叫ばれる中、民間病院による新規採用が一層困難になった。
 08年には、患者の重症度などを測る「看護必要度」の基準が新たに導入され、この基準に当てはまる患者が1割以上いるなどの条件をクリアしないと、「7対1」を算定できない仕組みになった。
 しかし、いったん流出したマンパワーを取り戻すのは容易ではない。聖隷佐倉市民病院の内田明子看護次長は、「新卒看護師は、大学病院志向が強い」と話す。「中小規模の民間病院では、新規採用に本当に苦労している」。
 同病院では、透析室から病棟への配置換えには今のところ踏み切らずに済んでいる。ただ、常勤スタッフを病棟に優先して配置しているため、透析室にはパートなどの非常勤スタッフが増えた。子育て中のスタッフも多く、勤務シフトを組むのに苦労する日も多い。
 内田さんの心境は複雑だ。「7対1ができて、病棟では看護の質が確実に向上した。だけど、安全で適切な透析や、生活を支える看護を十分に提供できるだけの体制を維持する自信がない」。
■報酬改定で人員配置基準を
 日本腎不全看護学会は、来年度の診療報酬改定で透析室の人員配置に関する基準を定めるよう、診療報酬について議論する中央社会保険医療協議会に要望している。現在、透析患者の看護必要度に応じた配置人数の算出方法も検討中だ。
 同学会の調べでは、全国で透析医療に従事する看護師は1984年以降、増え続けている。しかし透析患者10人当たりの看護師数で見ると、91年の1.52人をピークに減り始め、昨年には1.2人を初めて割り込んだ。増え続ける透析ニーズに、看護師の増員が追い付かない。
 こうした中、配置基準を設定することで、透析室から病棟などへのスタッフ流出に歯止めを掛ける狙いがある。同学会の水附裕子理事長は、「透析を安全に提供できる体制を守りたい」と話している。


20.血管新生阻害薬が高血圧を引き起こす機序が明らかに
CareNet2009年8月18日

腫瘍に栄養を送る血管の新生を阻害する薬剤(血管新生阻害薬)を使用している癌患者の最大3分の1に高血圧症が発現する理由が、マウスを用いた新しい研究によって明らかにされた。
研究著者である米デューク大学(ノースカロライナ州)メディカルセンター内科・細胞生物学・免疫学教授のThomas Coffman博士によれば、「ベバシズマブ(商品名アバスチン)、スニチニブ(同スーテント)、ソラフェニブ(同ネクサバール)などの血管新生阻害薬は、悪性腫瘍を支える血管の新生を促す血管内皮増殖因子(VEGF)と呼ばれる重要な物質を阻害する。今回の研究の結果、VEGFの遮断は、血管の健康を調節する一酸化窒素経路(nitric oxide pathway)と呼ばれる重要な生物学的システムを阻害し、高血圧を引き起こすことが示された」という。
同氏らは今回、VEGFR2と呼ばれる重要なVEGF受容体を遮断する抗体を使用。高用量の抗体を投与したマウスでは、約1週間後、“急速かつ持続的”な血圧の上昇が認められた。研究結果は、医学誌「Hypertension(高血圧)」オンライン版に8月3日掲載された。
Coffman氏は「癌を成長させないために必要な高用量の血管新生阻害薬によって、高血圧、ひいては心血管系合併症のリスクが有意に増大する。癌患者の寿命は延びている。つまり、以前はさほど重要でないと考えられていたかもしれない高血圧やその他の副作用について、現在は、より真剣にとらえねばならない。長期の高血圧は重大な影響をもたらす可能性がある」と述べている。
同大学腫瘍内科医のHerbert Hurwitz博士は「血管新生阻害薬を使用している癌患者の多くは、従来の降圧薬による高血圧のコントロールが可能である。ただし、今回の知見は、長期の高血圧リスクをよりよく予防するための特異的な方法を示しており、重要である。また、脳卒中や心臓発作など(重篤であるが一般的でない)その他の副作用を予防する方法も示唆している」と述べている。


21.高齢者のセルフネグレクトあるいは虐待は死亡率を有意に増大
CareNet2009年8月18日

セルフネグレクト(自己放任)や他者からの虐待が認められた高齢者は、死亡率が、そうでない人に比べ有意に増大するという。セルフネグレクトの場合には、1年以内の死亡率がおよそ6倍に増大していた。米国Rush大学のXinQi Dong氏らが、9,000人超の高齢者について、前向きに調査をして明らかにしたもので、JAMA誌2009年8月5日号で発表した。高齢者のセルフネグレクトあるいは他者による虐待は大きな問題となっているが、死亡率との関連を調べた研究は珍しいという。
65歳以上の9,318人を、中央値6.9年で追跡
Dong氏らは1993~2005年にかけて、シカゴ地域に住む65歳以上の高齢者、9,318人について調査を行った。そのうち、セルフネグレクトが報告されたのは1,544人、虐待は113人だった。
追跡期間の中央値は6.9年(四分位範囲7.4年)で、その間に死亡した人は4,306人だった。
セルフネグレクトの1年死亡率は5.8倍、虐待の総死亡率は1.39倍に
セルフネグレクトを報告した高齢者の1年死亡率は、270.36/100人年、1年以降死亡率は9.46/100人年だった。一方、セルフネグレクトの報告のなかった高齢者の死亡率は、5.01/100人・年だった。
セルフネグレクトを報告した高齢者は、そうでない人に比べ、1年以内の死亡に関するハザード比が5.82(95%信頼区間:5.20~6.51)だった。1年以降の死亡に関する同ハザード比は、1.88(同:1.67~2.14)と、1年以内より低下はするが依然として有意に高かった。なかでも、白人(補正後ハザード比:1.63)、男性(補正後ハザード比:1.72)の死亡率が高率だった。
一方、虐待の報告された高齢者の死亡に関するハザード比は、1.39(同:1.07~1.84)だった。
なお、セルフネグレクトや虐待による死亡率の増大は、認知能力や身体機能レベルの低いグループ以外でも認められた。
Dong X et al. Elder self-neglect and abuse and mortality risk in a community-dwelling population. JAMA. 2009 Aug 5; 302(5): 517-26.


22.プレスリリース

1) 読影トレーニングできます「No.26 発熱と体重減少のみられる患者 」

この度、医療関係者向けサイト「読影トレーニングサイト(URL: http://dokuei-skill.jp )」におきまして、「No.26 発熱と体重減少のみられる患者 」コンテンツを公開しましたのでご案内いたします。
 当サイトでは、呼吸器系疾患の症例クイズで読影トレーニングしていただけます。登録していただきますと回答履歴を蓄積することが可能です。成績優秀者には表彰状が発行されます。登録なしでも、全てのクイズを試せます。
クイズ作成協力:北里大学名誉教授 松林隆先生
◇読影トレーニングサイトDokuei-skill.jp
http://dokuei-skill.jp
※このサイトは医療関係者向け情報のページです。一般の方のご入場はお断りいたします。
■バックナンバー■
1. 難治性の喘息様症状と喀血を伴う患者
2. 呼吸困難と発熱のみられる70歳男性患者
3. 多量喫煙の47歳男性患者
4. 数ヵ月にわたる咳嗽がみられる女性患者
5. 左胸部の不快感を訴える高齢男性患者
6. 肺癌で肺葉切除術を受けた喫煙患者
7. 散発的にごく少量の喀血がみられる患者
8. 間欠的な咳嗽と血痰がみられる女性患者
9. ツベルクリン反応陽性の高齢女性患者
10. 喘鳴を伴う喫煙高齢女性患者
◇このニュースリリースに関してのお問い合わせ先◇
大鵬薬品工業株式会社
TEL  03-3293-2170(直通)
お問い合わせ時間 9:00〜17:30(土・日・祝日を除く)


2) 日本ライフラは胸部大動脈ステント付グラフトの国内独占販売締結

■2015年度に市場の約3割のシェア獲得を見込む
 日本ライフライン は、ボルトンメディカル社(スペイン)と胸部大動脈ステント付グラフトに関する日本国内の独占販売契約を締結することを決議したと発表。
 現在、血管の疾患である動脈瘤に対する治療としては、外科手術により動脈瘤の部分を人工血管に置き換える治療が一般的に行われている。しかし、この治療法は、外科手術による患者への身体的負担が大きく、高齢者や合併疾患を有する患者の場合は治療が難しいケースが多い。
 これに対して、ステント付グラフトによる治療は、従来の外科手術と比較して、低侵襲な治療方法であり、欧米では既に広く普及している。また、国内においても既に、腹部大動脈ステント付グラフトは2006年に、胸部大動脈ステント付グラフトは2008年に他社製品が薬事承認を取得、使用が開始されていて、今後の普及が見込まれている。
 同社としては、医療現場の多様なニーズに応えるため、従来の人工血管に加え、新たにステント付グラフトを取扱商品のライナップに加えることは必須と判断し、今回の契約締結を決定した。
 同社としては、2012年度を目標に日本国内へ導入したいと考えている。その3年後に年間売上高で約10億円、胸部大動脈ステント付グラフト市場の約3割のシェア獲得を見込む。(情報提供:日本インタビュ新聞社 Media-IR)


3) NIMSと旭化成クラレメディカル、血液浄化用医療用フィルターなどの共同開発に着手

物質・材料研究機構と旭化成クラレメディカルが共同開発に着手
■概要
 1.独立行政法人物質・材料研究機構(理事長:潮田 資勝、以下「NIMS」)と旭化成クラレメディカル株式会社(社長:吉田 安幸)は、血液浄化用医療用フィルターならびにバイオ医薬品プロセス用分離デバイスの共同開発に着手することに合意した。今回の合意では、NIMSのナノ有機センター(センター長:一ノ瀬 泉)の研究グループが開発した水処理用ナノ膜の技術を血液浄化システム等に応用するために、ナノ膜の分離性能の最適化や安全性の向上を目指す。
 2.NIMSでは、有機分子を高速濾過する多孔性ナノシートを開発しており、同様な分画分子量(濾過される分子の大きさ)をもつ市販の水処理膜と比較して、約1000倍の処理速度を実現している。また、高分子やタンパク質を除去するナノ膜の製造において、独自の技術を開発してきた。
 3.一方、旭化成クラレメディカルは、血液透析で使用される人工透析膜(ダイアライザー)の市場において、国内1位、世界シェア2位を競うトップメーカーである。ダイアライザーの需要は、経済成長が著しい中国やインドなどで増加しており、市場が急速に拡大することが見込まれている。また同社は、血液浄化療法(アフェレシス)用、バイオ医薬品向けのウイルス除去用のデバイスなども手がけており、医療用膜分野では世界最高水準の優れた技術力を有し世界の医療技術の進歩に貢献している。
 4.今回の合意では、NIMSの水処理膜の特許を旭化成クラレメディカルに実施許諾するとともに、両者の先端技術を組み合わせたシナジーで、臨床応用のための優れたデバイスを開発し、医療技術の向上に貢献することを目指す。本合意は、JSTの戦略的創造研究推進事業(CREST)からの受託研究の成果普及にも一翼を担う。
三洋電機、自社の電解水技術が新型インフルエンザウイルス抑制に効果があることを確認
世界初(※1) 三洋電機の電解水技術(※2)が
新型インフルエンザウイルス抑制(※3)に高い効果
 三洋電機株式会社は、これまで、長年培った電解水技術が、季節性インフルエンザウイルスを始め、さまざまなウイルスの抑制に対して有効であることを、公的研究機関との共同研究を通じて証明してまいりました。
 今回、新たに、この電解水技術が、今年の春から猛威をふるっている“新型インフルエンザウイルス”についても、その抑制に高い効果があることを、群馬県衛生環境研究所との共同研究において確認いたしました。
 当社は今後も、今回の共同研究で得られた実証データにもとづき、電解水技術の研究・応用をさらに発展させてまいります。
I.今回新たに実証された電解水の効果
 三洋電機の電解水技術により、新型インフルエンザ臨床株の感染価(※4)を99%以上抑制できることを確認しました。
◆新型インフルエンザとは
 2009年春、世界的流行を引き起こした新型インフルエンザは、感染により高熱、筋肉痛、鼻水などの症状を引き起こします。特に若年層への感染が危惧されており、WHOでは警戒レベルをフェーズ6に上げるなど、世界的に警戒態勢が取られています。
◆新型インフルエンザウイルス臨床株とは
 新型インフルエンザの患者様から採取したウイルスです。ウイルスの遺伝子検査により、世界的に流行中の新型インフルエンザウイルスであることが確認されました。
※1:2009年8月18日現在
※2:水道水を電気分解することで生成される希薄な電解水技術
※3:感染価(ウイルスの感染力を表す定量値)の低減
※4:ウイルスの感染力を表す定量値


http://fcm-news.blog.so-net.ne.jp/2009-08-19

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