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July 31, 2009****************************************
1.DS使い心電図トレーニング 山形大医学部、看護学科に導入
2.4例目のタミフル耐性遺伝子 岩手、体内で変異か
3.インフル薬にお茶の力 カテキン加工、タミフルより効果
4.なくそう・減らそう糖尿病:「B型インスリン抵抗症」ピロリ菌除去で完治
5.インスリン分泌促すたんぱく質…神戸大発見
6.タミフル、安価な合成法 原料供給安定 岡山大グループ
7.Some Say 'No' to H1N1 Vaccine for Kids
8.最近増えているという「非定型うつ病」とは
9.末梢神経:鮮明に撮影 MRI改良、死角なし-オランダと日本チーム、世界初
10.新型インフルワクチン、米国の頑な姿勢で品薄状態起きる危険も-英誌
11.オーガニック食品、健康効果は一般食品と変わらず=英調査
12.治験、臨床研究のスピードや質の改善などでWG設置
13.介護サービス利用者451万人、過去最高を更新―厚労省
14.QRISK vs. Framingham、心血管疾患リスクの予測はどちらが優れているか?
15.妊婦の新型インフル感染疑いには早期治療が重要
16.先進医療の概要について
17.プレスリリース
1) FDA Approves Colchicine for Acute Gout, Mediterranean Fever
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1.DS使い心電図トレーニング 山形大医学部、看護学科に導入
山形新聞社2009年7月31日
山形大医学部は、心電図を読み取る力を身に付けるため、携帯型ゲーム機「ニンテンドーDS」を使ったカリキュラムを看護学科に導入した。全国でも珍しいといい、「臨床に近い映像で、個々のレベルに合わせて学習できる。学生のモチベーションもアップするのでは」としている。
医療系出版社が発売した学習ソフトを使用する。画面に現れる波形を見て、不整脈の種類を当てていく内容。瞬時の判断が求められ、実践的なトレーニングが積める。心電図を読み取るための基礎知識や、波形の特徴などもまとめられている。
同大によると、病院に就職したものの1年以内に離職する看護師は、全国で約1割に上る。学生時代に学んだことと、現場で求められる能力とのギャップが大きく、自信を失うことが要因の一つと考えられるという。このため、同大は実践力の強化を重視しており、DS導入はその一環。DSとソフト70組を購入し、9月から付属病院での実習が始まる3年生を対象に貸し出しを始めた。
学生の高橋幸希さん(20)は「本物のような動画で見られるので分かりやすい」、瀬野紗耶香さん(20)も「気軽に練習できて便利。教科書をただ開いているより、やる気が出ます」と話し、好評のようだ。31日に開かれるオープンキャンパスでも、参加した高校生に体験してもらう予定という。
◆メディカ出版(らくらく心電図トレーニングDS \7,140)
http://www.medica.co.jp/ds/?gclid=CNGllPql_5sCFQEupAodpluq_w
2.4例目のタミフル耐性遺伝子 岩手、体内で変異か
岩手日報社2009年7月31日
岩手県は30日、県内で新型インフルエンザを発症した患者から採取したウイルスに、治療薬タミフルへの耐性を示す遺伝子変異が見つかったと発表した。国内4例目。患者はすでに回復し、感染拡大はないという。
県などによると、患者は感染した家族の濃厚接触者で、タミフルの予防投与中に発症した。タミフル耐性を持つ季節性ウイルスとは交雑しておらず、体内で変異した可能性が高いとみられる。
県は「感染予防上必要ない」として、患者の住所や年齢、性別、発症日などを明らかにしなかった。
27日に国立感染症研究所に検体を送り、30日に結果の連絡が届いた。
3.インフル薬にお茶の力 カテキン加工、タミフルより効果
朝日新聞社2009年7月31日
緑茶に含まれるカテキンを加工してインフルエンザ治療薬に応用する技術を、大阪大学と横浜市衛生研究所の共同チームが開発した。季節性インフルエンザや鳥インフルエンザで効果が確認された。感染を防ぐ作用もあるため、鼻やのどに噴霧する予防薬への応用も期待できるという。製薬会社と実用化を目指す。
開発に利用したのは、緑茶に多く含まれているエピガロカテキンガレート(EGCG)というカテキンの一種。カテキンは茶の渋み成分で、EGCGがウイルスの働きを抑えるのは以前から知られていた。だが、そのまま飲むと、体内ですぐに分解され、効果がなくなってしまう。
このため、研究チームは、体内での分解、代謝を抑える作用のある脂肪酸と合成することで、EGCGが分解されずに、ウイルスの感染や増殖を抑える技術を開発した。
この加工したEGCGを季節性インフルエンザや鳥インフルエンザのウイルスに混ぜ合わせて、イヌの腎臓細胞にふりかけて感染力を調べた。すると、治療薬タミフルよりも約100倍、感染を抑える効果があった。鶏の有精卵を使った増殖実験でも、何もしない卵12個では中のヒナが70時間で4割、164時間で全数が死亡したが、加工したEGCGを投与した卵12個では全数が生き残った。
作用を調べると、ウイルスが細胞に侵入するのを防いだり、仮に侵入してもウイルスの遺伝子が増殖しないようにしたりしていた。
主任研究者の大阪大学の開発邦宏助教(有機化学)が08年に特許を出願。製薬会社など数社から、治療薬やマスク、スプレーなどを商品化したいとの引き合いが来ており、現在交渉中だ。数年内の実現を目指すという。
開発さんは「緑茶を飲んでも効果はないが、開発した成分は高い効果があった。作用からみれば、新型インフルエンザにも効果が期待できる。茶葉から大量に抽出でき、安価で副作用も少ない」と話す。
4.なくそう・減らそう糖尿病:「B型インスリン抵抗症」ピロリ菌除去で完治
産経新聞社2009年7月31日
◇東北大大学院チームが成功
胃潰瘍(かいよう)などを引き起こすピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)を除去することで、糖尿病の一種「B型インスリン抵抗症」を完治させることに、東北大大学院の片桐秀樹教授(代謝学)らのチームが成功した。成功例はまだ1例だが、新たな治療法として普及すると期待される。
この病気では、免疫異常によって血糖値を下げるホルモン「インスリン」に対する抗体ができて、高血糖と低血糖を繰り返す。患者は、急に血糖値が下がると冷や汗や震えの症状を訴える。だが、通常の治療に使うインスリン注射などの効き目は悪く、治療法は確立されていない。数千人から数万人に1人が発症すると推定されている。
チームは、B型インスリン抵抗症の80代男性が、止血の働きをする血小板が減る「特発性血小板減少症(ITP)」を併発していることに注目した。ITP治療に有効なピロリ菌除去をすると、血糖値が正常に戻り抗体も完全になくなった。男性は1年後も糖尿病を再発せず、完治したと判断された。
片桐教授は「B型インスリン抵抗症の原因に、ピロリ菌の感染がかかわっている可能性がある。除菌が根治療法として効果的ではないか」と話す。
成果は18日付の英医学誌ランセットに掲載された。
5.インスリン分泌促すたんぱく質…神戸大発見
読売新聞社2009年7月31日
糖尿病治療に有効なインスリンの分泌を促す、たんぱく質(Epac2)を神戸大の清野進教授らが見つけた。
新たな糖尿病治療薬開発につながる成果で、31日の科学誌サイエンスに発表する。
これまで、膵臓のβ細胞にあるEpac2が、インスリン分泌に関与することはわかっていたが、日本で最も多い、100万人以上が服用する治療薬「スルホニル尿素薬(SU薬)」が効くのは、Epac2とは関係ない仕組みと考えられていた。
清野教授らは、今回、このSU薬が、従来の仕組み以外にも、直接Epac2と結合することで、インスリン分泌が促されることを突き止めた。
6.タミフル、安価な合成法 原料供給安定 岡山大グループ
朝日新聞社2009年7月31日
岡山大大学院教育学研究科の石川彰彦准教授(有機合成化学)らのグループが、抗インフルエンザウイルス薬タミフルを安価な原料で合成する方法を開発した。タミフルの製造は植物由来の原料が使われ、供給が不安定で原料代は高騰しがち。石川准教授らは、実験室レベルで2通りの原料から合成に成功。いずれも、原料が安定して入手でき、安価なことが特徴という。
タミフルは、シキミ科の植物トウシキミから抽出されるシキミ酸を原料に合成。トウシキミは主に中国で栽培されているが、天候に生産量が左右されるうえ、タミフルの需要増加により、枯渇する可能性が指摘されている。
石川准教授らは、食品添加物に使われる有機化合物「D―酒石酸」と、点滴や錠剤などに使われる糖類「D―マンニトール」から、それぞれタミフルを合成する方法を開発した。石川准教授によると、シキミ酸から合成する場合と比べ、工程数は7~9工程とほぼ変わらず、D―マンニトールの場合は原料価格が3千分の1に抑えられるという。今後は実用化に向け、合成の効率を高めるなど改良を重ねるという。
タミフルは2017年ごろには特許が切れ、後発医薬品(ジェネリック)としての製造販売が可能になる。国内外で10以上のグループが、シキミ酸を用いない新規合成法の開発に取り組んでいる。
7.Some Say 'No' to H1N1 Vaccine for Kids
Parents Worry Vaccine Will Be Rushed to Market Without Adequate Safety Testing; Focus on Mercury-Containing Preservative
CBS News2009年7月31日
The United State is scrambling to prepare for a likely resurgence of the H1N1 (or swine flu) virus this fall. Some 159 million Americans are being urged to get the vaccine when it's ready - among them 78 million children.
That has parents worried - not just about the virus, but also about giving their kids yet another vaccine, as CBS News medical correspondent Dr. Jon LaPook reports.
Kori Buro is giving her daughters the usual childhood immunizations. But if a vaccine against the new form of H1N1 becomes available, her girls will not be in line.
"I don't want to have that kind of vaccination in my child yet until I know it's safe - 100 percent safe," Buro said.
A backlash against vaccines has picked up steam in recent years. A vocal minority fears vaccines can cause autism, despite consensus among experts that they don't. Now warnings are cropping up on the Web that the new H1N1 vaccine could be rushed to market without enough proof that it's safe.
"Are parents going to be given complete, truthful information about swine flu vaccine risks and have the right to say "yes" or "no" before their children are lined up and vaccination in the school setting?" Barbara Loe Fisher of the National Vaccine Information Center asked in a video on YouTube.
The concerns include possibly using chemical additives - or "adjuvants" - to boost the effectiveness of the vaccine. They have never been used in flu vaccines in the U.S., but have safely been used in others such as tetanus.
Critics also worry that some forms of the vaccine will contain thimerosol, a mercury-containing preservative.
"Thimerosol has never been associated in any valid scientific way with any adverse affect to the fetus or to young people," said Dr. William Schaffner of the Vanderbilt University Medical Center.
The government says a thimerosol-free vaccine will be available. But moms like Kori Buro still aren't sold.
"I don't feel just because the government is telling me to get this flu shot for her, or my youngest that I should go and do that," Buro said, indicating one of her children.
But, "You would be heart-broken if you did not vaccinate your child and that child got sick with influenza and found that your child was in the hospital close to death," Schaffner said.
The challenge for health officials - convincing the public to heed their advice, instead of a mother's intuition.
8.最近増えているという「非定型うつ病」とは
毎日新聞社2009年7月31日
◇感情の起伏激しく--ささいなことで落ち込み/好きなことでは気分改善
◇仕事は続け、規則正しい生活や運動を
外資系証券会社で働いていた女性(31)は入社2年後、出勤前になると体が重く、休みがちになった。きっかけは上司に言われた「最近、仕事が遅いぞ」の一言だった。友人や同僚との飲み会は楽しいが、上司の評価が気になり、誰かのささいな一言で激しく落ち込む。寝ても寝たりなくなり、パークサイド日比谷クリニック(東京都千代田区)を訪れた。
「『こころの病気』から自分を守る処方せん」(毎日コミュニケーションズ)の著者で同クリニックの立川秀樹医師は「非定型うつ病の典型例」と話す。クリニックではここ数年、同じ症状で受診する20~30代の女性が増えているという。
うつ病は大きく(1)メランコリー型(2)非定型(3)その他(季節性、産後など)に分類できる。うつ病と聞いて一般的に浮かぶタイプは、食欲不振や不眠などの症状が著しいメランコリー型だ。対照的に、非定型は過眠や過食が多く、ささいなことで急に落ち込むが、自分の好きな事では気分が良いなど、感情の起伏が大きい。
メランコリー型とは違う薬が効くうつ病として半世紀前に認識されたが、世界的な診断基準に明記されたのは94年。「単なるわがままとも受け止められ、医師の間でも病気という認識が広まらなかった」と立川医師は解説する。
患者の特徴として「幼少期に満足できる愛情を受けられず、自信がなく不安が強いタイプと、親の過保護の下でストレスなく育ち、社会に出て落差につまずくタイプが多い」という。近年目立ってきたのは「現代は、IT(情報技術)が浸透し、顔を合わせたコミュニケーションが少なくなっている。こうした社会の影響も及んでいるのではないか」と話す。
冒頭の女性は抗うつ薬や感情調整薬を服用し、何事も極端に否定的にとらえる考え方を改めるような「認知行動療法」を行った。転職を繰り返しながら昨年末には国内の証券会社に就職し、今は通院しながら仕事を続けている。立川医師は「メランコリー型は休職も必要だ。しかし、非定型の場合、多少つらくても頑張って仕事に行き、規則正しい生活を送ることが重要。周囲には優しい言葉で接してほしいが、本人が悪い場合はきちんと指摘し、時には励ますことも大事だ」と話す。
NPO法人「不安・抑うつ臨床研究会」代表の貝谷(かいや)久宣医師は「非定型うつはパニック障害と併発したり、その後に症状が表れることが多い。パニック障害の増加に伴い増えているように感じる」と話す。自らの診察経験では「うつ病患者の約4割が非定型ではないか」と推測する。
非定型の人は、対人関係で拒絶されたと感じると、過敏に反応してしまいがちだ。例えば上司に「この文章を少し直して」と注意されただけでひどく落ち込み、社会生活に支障をきたす。夕方以降に激しい不安や孤独を感じ、涙が止まらなくなったり、リストカットなどの行動に出る人も多い。この「不安・抑うつ発作」の時に、過去に傷ついた経験などがよみがえることもある。
どんな治療が効果的なのか。貝谷医師は非定型うつ病の人とそうでない人に同じ作業を行ってもらい、思考の中心となる前頭葉の働きを調べた。すると、非定型の人は血流があまり増えないことが分かった。このため「前頭葉の働きを高めることが有効と考えられる。認知行動療法に加え、運動や腹式呼吸をする瞑想(めいそう)なども効果的」という。
9.末梢神経:鮮明に撮影 MRI改良、死角なし-オランダと日本チーム、世界初
毎日新聞社2009年7月31日
脊髄(せきずい)から手足に延びる末梢神経を鮮明に撮影する装置をオランダ・ユトレヒト大の高原太郎准教授(画像診断学)と東海大の研究チームが世界で初めて開発し、30日付の米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表した。全身撮影が可能で、撮影時間は5分程度。末梢神経がかかわる病気の診断や治療に役立つ可能性があるという。
チームは、末梢神経細胞内の水分子が、中枢神経や他の細胞と異なる振る舞いをすることに着目。MRI(磁気共鳴画像化装置)を改良し、末梢神経の水分子だけに反応する特殊な電磁波を当てることで、鮮明な画像化に成功した。
現在、神経の撮影には超音波が利用されているが、骨などが邪魔して死角ができるのを避けられなかった。この手法は死角がないうえ、直径2ミリ程度の細い神経も鮮明に写る。
高原准教授は「臨床での利用には画像の解像度をさらに高める必要がある。しかし、原因不明の神経痛の原因部位や神経断裂の場所を探したり、神経が細くなっていく筋萎縮性側索硬化症(ALS)の進行状況の把握に応用できるだろう」と話す。
10.新型インフルワクチン、米国の頑な姿勢で品薄状態起きる危険も-英誌
Bloomberg2009年7月31日
新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)ワクチンについて、供給拡大につながる化学製剤を米国が使用しない姿勢を取っていることで、諸外国で需要が最盛期となった際に品薄状態が起きる公算がある。英医学雑誌ランセットが論説した。
抗原に対する免疫応答を高める製剤「アジュバント」は、米国でインフルエンザワクチンへの利用が一切認められておらず、またマウスを使った一部の実験で免疫障害を引き起こす可能性が指摘され議論を呼んでいる。世界保健機関(WHO)は7日に、アジュバントの使用による世界のワクチン量の拡大を提言しており、ランセット誌はこれまで同様の製剤に頼る米国の計画を批判した。
新型インフルエンザの流行に伴い、米厚生省は4月に公衆衛生の緊急事態を宣言し、米食品医薬品局(FDA)に対しアジュバントを含む未認可医薬品の使用を認める権限を与えた。
ランセットの論説の著者は「既に逼迫しているワクチンの在庫が底を突くのを回避するため、米国は投与量を節約する戦略を支持すべきだ」と指摘、「すべての国が新型インフルエンザワクチンを必要としているが、現在の生産能力ではその需要を満たすことはできないからだ」と説明した。
11.オーガニック食品、健康効果は一般食品と変わらず=英調査
AFP News2009年7月31日
英ロンドン大学衛生熱帯医学大学院の研究チームが行った調査によると、オーガニック食品(有機食品)の栄養価や健康効果は、一般食品とさほど変わりがないことが分かった。調査結果の詳細が29日、学術誌「American Journal of Clinical Nutrition」に掲載された。
世界のオーガニック食品の市場規模は、2007年時点で推定480億ドル(約4兆5700億円)に上るが、同研究チームは、消費者がオーガニック食品の「健康なイメージ」に割高な値段を払っていると指摘している。
英食品基準庁の委託で行われた今回の調査は、過去50年間に発表された162の論文を系統的に分析。その結果、オーガニック食品とそうでない一般的な食品に栄養面などで大きな差は認められなかったという。
研究チームの一員アラン・ダンゴー氏は「オーガニックと通常の食品の間に栄養面でわずかな違いはあったが、公衆衛生的な妥当性は何らないと思われる」と指摘。今回の調査により、オーガニックかどうかで栄養的な優劣を裏付ける証拠はないことが示されたとしている。
一方、景気後退(リセッション)の影響で消費者が支出を抑えていることもあり、英国など一部の市場では、オーガニック食品の売り上げが落ち込んでいる。
12.治験、臨床研究のスピードや質の改善などでWG設置
CareerBrain2009年7月31日
2007年3月に策定された治験、臨床研究の5カ年計画をめぐり、厚生労働省の「新たな治験活性化5カ年計画の中間見直しに関する検討会」(座長=楠岡英雄・大阪医療センター院長)は7月30日、第2回会合を開き、国民に対する治験、臨床研究の普及啓発の在り方について議論した。構成員からは、メディアへの情報提供や患者へのフィードバックなどに関する意見が出た。10月の最終報告の取りまとめに向け、同検討会では8月初旬、中核病院や拠点医療機関のネットワーク整備や、治験、臨床研究のスピードアップや質の改善などについて検討するワーキンググループ(WG)を設置。9月に開かれる次回会合では、WGの報告を踏まえて議論する。
5カ年計画では、(1)中核病院・拠点医療機関の体制整備(2)治験・臨床研究を実施する人材の育成と確保(3)国民への普及啓発と治験・臨床研究への参加の促進(4)治験の効率的実施及び企業負担の軽減(5)その他の課題―の5つの重点項目(アクションプラン)を設定。この日の検討会では、そのうちの(3)について意見交換した。
楠岡座長は、昨年に厚労省の研究班が実施した臨床研究に関する意識調査の結果を説明。対象となった20-60歳代の一般人約500人のうち、「臨床試験・臨床研究」を知っていた人は全体の92.0%と多かったが、20-40歳代が連想するイメージは、「人体実験」や「癒着・賄賂」といったネガティブな言葉が多かった。これらの言葉が出た原因について研究班では、新聞やテレビドラマなどからの情報やイメージの影響と分析している。
一方、小林史明構成員(日本医師会治験促進センター研究事業部長)は、昨年に同センターなどが実施したアンケート調査で、回答した252人の一般人のうち、治験という言葉を聞いたことがある人は全体の44.4%だったことを報告。このうち、「聞いたことがあり、意味・内容は理解し説明できる」と答えたのは24.4%だった。
■メディアと研究者の間に認識のずれ
認知度に関連して構成員からは、メディアへの情報提供の在り方について多くの意見が出た。楠岡座長は、治験を知った理由の一つがテレビドラマだったという別の調査結果を例示し、それがネガティブなイメージを与えた原因になっていると指摘。その上で、「バイアスが掛かった情報が容易に流れるシステムがある中で、バイアスのない情報を提供していくことが一番難しい」と述べた。
また、佐藤裕史構成員(慶大医学部クリニカルリサーチセンター教授)は、意義のある研究結果が一般メディアで報道されていないとして、「個々の研究者も声を上げていくべきだ」と、研究者側からメディアに発信する必要性を指摘した。国立がんセンターの山本精一郎構成員は、「メディア側もニュースを求めているので、(メディア側の理解不足と研究者側の認識の)ギャップを埋めれば結果が出ると思う」と主張。楠岡座長は「(研究の)エビデンス度をある程度評価できる仕組みも必要ではないか」と問題提起した。
13.介護サービス利用者451万人、過去最高を更新―厚労省
CareerBrain2009年7月31日
厚生労働省は7月30日、昨年度の「介護給付費実態調査結果の概況」(昨年5月-今年4月審査分)を発表した。昨年度に一度でも介護予防サービスか介護サービスを利用したことがある人は451万6400人で、前年度比14万6000人(3.3%)増加し、2001年の調査開始以降、過去最高を更新した。厚労省では、「大きな制度改正はなかったため、高齢者の自然増による影響」としている。
調査は、各都道府県の国民健康保険団体連合会が審査したすべての介護給付費明細書や給付管理票を集計対象とし、厚労省の大臣官房統計情報部が集計を行った。
調査結果によると、昨年度の介護サービス受給者は367万300人で、前年度比4万200人(1.1%)増加した。
内訳は、居宅介護サービスが266万9100人で2万2700人(0.8%)増、地域密着型介護サービスは29万5600人で3万4300人(13.1%)増、施設介護サービスは108万600人で5100人(0.4%)増加した。
居宅介護サービスでは、通所介護が125万5700人で3万9600人(3.2%)増、福祉用具貸与も130万3400人で8万5400人(7.0%)増加したが、訪問介護は116万1000人で4万8200人(3.9%)減少した。
施設介護サービスでは、介護福祉施設が51万4900人で1万2600人(2.5%)増、介護保健施設が46万4100人で4800人(1.0%)増となった。その一方で、介護療養施設は15万9200人で1万5600人(8.9%)減少した。厚労省によると、「11年度末までに予定されている介護療養病床の廃止が、影響の一つとして考えられる」という。
また、介護予防サービスを利用した人は109万9700人で、6万5200人(5.2%)増えた。
このほか、今年4月審査分の介護サービス受給者1人当たり費用額(利用者負担を含む)は18万1200円で、前年同月比2万1000円(1.1%)増えた。居宅介護サービスは11万3900円で2900円(2.7%)増加したが、地域密着型介護サービスは21万9500円で1500円(0.7%)減少した。
都道府県別に見ると、最も高かったのは高知の20万5400円で、以下は沖縄19万9000円、石川19万8100円と続いた。一方、最も低かったのは岩手の16万7700円で、秋田の17万1100円、埼玉の17万1800円も低かった。
14.QRISK vs. Framingham、心血管疾患リスクの予測はどちらが優れているか?
CareNet2009年7月31日
イギリスで近年開発された心血管疾患リスク予測アルゴリズム「QRISK」のパフォーマンス評価が、Framinghamとの比較で行われた。QRISKの独立したパフォーマンス評価はこれまで行われていなかったという。オックスフォード大学医学統計センターのGary S Collins氏らが、イギリス保健省からの依頼で行ったもので、一般開業医(GP)の患者コホートを対象に、前向きオープンコホート研究にて、心血管疾患の10年リスクについて検討した。結果は「QRISKはFraminghamと比べて、心血管疾患10年予測リスクのパフォーマンスを改善した」と報告している。BMJ誌2009年7月18日号(オンライン版2009年7月7日号)掲載より。
35~74歳の540万人・年、心血管イベント43,990件を評価
本研究は、イングランドとウェールズの一般開業医診療所274施設から、患者107万人が参加し行われた。被験者は、1995年1月1日~2006年4月1日の間に登録された、35~74歳の540万人・年で、心血管イベントは43,990件だった。
主要評価項目は、カルテの記録から、最初に診断された心血管疾患(心筋梗塞、虚血性心疾患、脳卒中、一過性脳虚血発作)。
ハイリスク患者同定で、QRISKのほうが優れる
結果、判別と検定統計は、QRISKがより良好だった。QRISKでは、男性では偏差が32%、女性では37%を示した。Framinghamでは、それぞれ27%、31%だった。
QRISKは、男性で13%、女性で10%、予測リスクを過小したが、一方Framinghamでは、男性で32%、女性で10%、予測リスクが過大であった。
全体で患者85,010例(8%)が、Framinghamでのハイリスク分類から、QRISKでは低リスクに再分類された。そしてこれらの患者で心血管疾患10年リスクが観察されたのは、男性で17.5%(95%信頼区間:16.9%~18.1%)、女性で16.8%(同:15.7%~18.0%)だった。
男性の心血管疾患イベント出現率は、Framinghamでハイリスクと同定された患者では23.7例/1,000人年(同:23.2~24.1)、QRISKでハイリスクと同定された患者では30.5例/1,000人年(95%信頼区間:29.9~31.2)だった。
女性では、Framinghamでハイリスクと同定された患者では22.2例/1,000人年(同:21.4~23.0)、QRISKでハイリスクと同定された患者では26.7例/1,000人年(同:25.8~27.7)だった。
Collins氏は、「QRISK心血管疾患リスク因子は、心血管疾患のリスクが高い集団を同定することにおいては、長年にわたり定着しているFraminghamに対して、改善を提供するものである。QRISKは、10年心血管疾患リスクを過小に評価するが、それはFraminghamの過大評価予測よりも小さいものだ」と結論している。
Collins GS et al. An independent external validation and evaluation of QRISK cardiovascular risk prediction: a prospective open cohort study. BMJ. 2009 Jul 7;339:b2584. doi: 10.1136/bmj.b2584.
15.妊婦の新型インフル感染疑いには早期治療が重要
(Lancet誌から)日経メディカル2009年7月31日
米国の症例分析の結果
米疾病対策センター(CDC)が、米国で新型インフルエンザウイルス(ブタ由来A/H1N1インフルエンザウイルス;S-OIV)感染の流行が拡大した当初2カ月間における妊婦の感染例について分析した結果、感染が疑われる妊婦に対しては早期に治療を開始する必要があることが示唆された。CDCのDenis J Jamieson氏らの報告で、詳細はLancet誌電子版に2009年7月29日に掲載された。
季節性インフルエンザの感染においては、妊娠していない女性に比べ妊婦の合併症罹患や死亡のリスクが高いことが示されている。今回のパンデミックでも、米国内で2番目に死亡した感染者は妊婦だった。流行当初、妊婦に対するS-OIV感染の影響はほとんど報告されていなかったが、妊婦が感染すると重症化する恐れがあると考えたCDCは、妊婦の感染例に関するサーベイランスを強化していた。
著者らは今回、米国内での流行開始から1カ月間(4月15日から5月18日)に報告された妊婦の新型インフルエンザ感染症例(確定例+疑い濃厚例)について、また、当初2カ月(4月15日から6月16日まで)に報告された妊婦の死亡例について概説した。
今回、発症率や入院率の算出に当たっては、2007年の米国人口調査の結果から生殖年齢(15~44歳)の女性の数を得るとともに、妊娠率、流産率などを利用して分析対象期間に全米で妊娠していたであろう女性の数を推定する方法を用いた。
発症率は妊婦10万人当たり1.0と推定
2009年4月15日から5月18日までの間に、米国内13州で、31人の確定例妊婦、3人の疑い濃厚例妊婦が報告された。年齢は15歳から42歳(中央値は26歳)で、約半数がヒスパニック系であり、5人に1人は未産婦だった。34人中22人(65%)は妊娠初期または中期で、9人(26%)は妊娠後期だった。
これらの妊婦のうち、発症前7日間に肺炎またはインフルエンザ様疾患の患者と濃厚接触があったのは11人(32%)。4人(12%)は発症前7日間にメキシコを旅行していた。疫学的関連が認められない患者が22人(65%)いた。
基礎疾患については、7人(21%)に喘息歴があったが、治療薬を使用していたのは1人のみ。喘息以外の慢性疾患で治療中だった患者が2人いた。1人は妊娠糖尿病でインスリンを使用しており、もう1人は妊娠に気付かずに高血圧と甲状腺機能亢進症に対する治療薬を使用していた。季節性インフルエンザに対するワクチン接種を受けていたのは3人(9%)だけだった。
確定例および疑い濃厚例の計34人の妊婦のうち、33人(97%)に発熱があり、32人(94%)はインフルエンザ様疾患(発熱と咳またはのどの痛みあり)を呈していた。発熱以外で多かった症状は、咳(94%)、鼻漏(59%)、のどの痛み(50%)、頭痛(47%)、息切れ(41%)、筋痛(35%)など。嘔吐(18%)と下痢(12%)は少なかった。肺炎が疑われた患者は6人で、胸部X腺撮影により診断が確定した患者は4人だった。
これらの症状は、妊娠していない生殖年齢の女性や一般の人々とほぼ同様だったが、息切れのみ妊婦に有意に多かった。妊娠していない生殖年齢の女性と比較したリスク比は1.7(1.0-2.7)、一般集団と比較したリスク比は2.3(1.5-3.6)となった。
34人のうち、17人(50%)にオセルタミビルが投与されていた。このうち8人(24%)は発症から48時間以内に使用を開始していた。また、17人中1人にはザナミビル、別の1人にはアマンタジンが投与されていた。
入院は、発症から24時間以内が3人(9%)、24時間を超えて入院した患者が11人(32%)いた。入院期間は2日から15日だった。計14人のうち3人が集中治療ユニットに入院した。
米国で当初1カ月間に報告された確定例と疑い濃厚例に占める妊婦の割合は0.62%(5469人中34人)で、発症率は妊婦10万人当たり1.0と推定された。入院は、米国全体では5469人中229人(4.2%、3.4-4.8)だったが、妊婦では34人中11人(32.4%、17.4-50.5)で顕著に多かった。妊婦が感染した場合の入院率は10万人当たり0.32(95%信頼区間0.13-0.52)、一般集団では10万人当たり0.076(0.07-0.09)で、リスク比は4.3(2.3-7.8)になった。
死亡した妊婦へのオセルタミビル投与は遅かった
当初2カ月間(4月15日から6月16日)に、米国では45人がS-OIV感染により死亡していた。うち妊婦は6人(妊娠初期が1人、中期が1人、後期が4人)。6人のうち1人は軽症の喘息と乾癬、1人は妊娠32週時のBMIが49.6の肥満、1人は血液凝固第V因子ライデン変異を持ってはいたが、全員が発症前はほぼ健康といえる状態だった。
死亡した6人の発症から受診までの日数の中央値は3.5日(1~7日)。受診し、そのまま入院した患者が2人いたが、それ以外の患者は受診から3~4日後に入院していた。最初の受診から死亡までの日数は6~19日(中央値12日)だった。
全員にオセルタミビルが投与されたが、投与開始は発症から6~15日目(中央値9日)と遅かった。また全員がウイルス性の肺炎を発症、その後急性の呼吸器窮迫症候群を呈して機械的換気を要した。2次性の細菌性肺炎または出血性肺炎が認められた患者はいなかった。
妊娠11週だった妊婦を除く5人に帝王切開を行い、生児を得た。5人の新生児はいずれもS-OIV感染の兆候を示さなかった。4人の新生児が健康な状態で退院。妊娠27週の妊婦から出生した新生児については入院が続いたが、健康に問題はなかった。
胎児に対する安全性に不安があるとして妊婦に対する抗ウイルス薬の投与は避けたいと考える医師や、抗ウイルス薬の使用を拒む妊婦がいることは確かだが、今回の分析から、妊婦の新型インフルエンザ感染に対する抗ウイルス薬の利益は、潜在する可能性のあるリスクを上回ると考えられる。「妊婦がS-OIVに感染した場合には迅速に抗ウイルス薬を用いた治療を行う」とした現行の勧告(詳細は2009.4.30「CDCが妊婦の治療・予防でも抗ウイルス薬を推奨」)を支持するものだ。
また、ワクチンは、ひとたび利用が可能になれば公衆衛生施策の重要な構成要素になる。米国のガイドラインは、パンデミックワクチンの接種対象として妊婦の優先順位を高くしてある。しかし、季節性インフルエンザの予防接種率を見る限り妊婦の接種率は一般集団よりかなり低いため、接種を強力に促すことが緊要と考えられた。
今回はS-OIV感染が胎児に及ぼす影響は明らかにしていない。「今後、感染妊婦を追跡して、胎児への影響についても調べる必要がある」と著者らは述べている。
なお、CDCの定義では、確定例(confirmed case)は、急性発熱性呼吸器疾患を呈し、RT-PCRまたはウイルス培養により確定診断が行われた患者とされている。また感染の疑いが濃厚な症例(probable case)は、急性発熱性呼吸器疾患を呈し、A型インフルエンザ陽性だが季節性インフルエンザを検出するRT-PCRでH1とH3が陰性だった患者となっている。CDCは州と各地域の保健局に対し、これら確定例と疑い濃厚例について、標準化された5ページにわたる症例報告への記入を求めている。
原題は「H1N1 2009 influenza virus infection during pregnancy in the USA」
16.先進医療の概要について
厚生労働省2009年7月31日
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/index.html
17.プレスリリース
1) FDA Approves Colchicine for Acute Gout, Mediterranean Fever
Agency also provides new information to physicians regarding safe use of drug
The U.S. Food and Drug Administration has approved Colcrys to treat acute flairs in patients with gout, a recurrent and painful form of arthritis, and patients with familial Mediterranean fever (FMF), an inherited inflammatory disorder. The medication’s active ingredient is colchicine, a complex compound derived from the dried seeds of a plant known as the autumn crocus or meadow saffron (Colchicum autumnale).
Colchicine has been used by healthcare practitioners for many years to treat gout but had not been approved by the FDA. The FDA has an initiative underway to bring unapproved, marketed products like colchicine under its regulatory framework. This initiative promotes the goal of assuring that all marketed drugs meet modern standards for safety, effectiveness, quality and labeling.
Physicians historically have given colchicine hourly for acute gout flares until the flare subsided or they had to stop treatment because the patient began experiencing gastrointestinal problems. A dosing study required as part of FDA approval demonstrated that one dose initially and a single additional dose after one hour was just as effective as continued hourly dosing for acute gout flares, but much less toxic. As a result, the drug is being approved for acute gout flares with the lower recommended dosing regimen.
The FDA is alerting healthcare professionals to this new dosing regimen and also warning about the potential for severe drug interactions when patients take colchicine.
The medicinal value of using colchicum was first identified in the first century A.D. and its use for treating acute gout dates back to 1810. Physicians have prescribed the medication since then. Although single-ingredient colchicine has not been approved by the FDA until now, a combination product containing colchicine and an agent that increased the excretion of uric acid in the urine was approved by the FDA in 1939.
FMF is the most common of the hereditary periodic fever syndromes and is characterized by recurrent episodes of fever, arthritis and painful inflammation of the lining layers of the lungs and abdomen. Though rare in the United States, it is more common in Mediterranean countries. Physicians have prescribed colchicine for FMF for many years based on studies showing that it reduced the frequency of attacks but use of colchicine for FMF had never been approved. With this approval, Colcrys becomes the first drug approved to treat FMF.
Colcrys is manufactured by Mutual Pharmaceutical Company, Inc., Philadelphia.
http://fcm-news.blog.so-net.ne.jp/2009-08-01