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Aug 16, 2009
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1.新型インフル 県内で死者/57歳男性 国内初/宜野湾市在住 慢性腎不全で透析
2.新型インフル県内で死者 国内初、57歳男性
3.ES細胞:分化制御に、たんぱく質の増減が影響--京大解明
4.マウスES細胞、100%神経系に 脊髄損傷など再生医療に期待…京大グループ
5.鳥インフル感染で延命 名市大、ニワトリで確認
6.胃の悪い人は長生きできず、9年の追跡調査で判明―中国紙
7.貝や酒のうま味成分でがん予防?広島大研究
8.神経難病HAM、鍵握る細胞特定
9.チョコを食べて長生き、心疾患の死亡リスクを3倍軽減
10.[反貧困]若年化する過労死
11.1型糖尿病患者の重篤合併症発現率は過去の報告値よりも低い
12.脳卒中関連のうつ病: 行動療法+抗うつ剤は薬物療法単独より有効
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1.新型インフル 県内で死者/57歳男性 国内初/宜野湾市在住 慢性腎不全で透析
沖縄タイムス社2009年8月16日

県は15日、新型インフルエンザで宜野湾市在住の無職男性(57)が死亡したと発表した。厚生労働省によると、新型インフルエンザによる死亡が確認されたのは国内で初めて。男性は過去に心筋梗塞の治療歴があり、慢性腎不全のため透析治療を受けていた。県によると感染源は不明で、院内感染を示す情報はなく海外渡航歴もない。男性の家族に新型インフルの症状がある人はいないという。
 亡くなった男性は9日にのどの痛みとせきの症状が出た。12日にかかりつけの医療機関で透析中、熱が39度まで上がったため、簡易検査を受けたところA型陽性となり、新型インフル感染とみなされた。
 治療薬タミフルを投薬後も容体は改善せず、同日、沖縄市の中部徳洲会病院に入院。14日、インフル感染による肺炎から敗血症性ショックを引き起こし、15日午前6時54分に死亡した。
 遺伝子を調べる詳細(PCR)検査を行った結果、同日午後4時ごろ、新型インフル陽性が確定した。
 県福祉保健部の宮里達也保健衛生統括監は「インフルエンザは健康な人の多くにとっては一過性の病気だが、ぜんそくや心疾患、糖尿病など基礎疾患がある人や乳幼児、妊婦では重症化することもある」と説明。
 今回の事例について、従来の季節性インフルエンザと同じ程度の病原性(弱毒性)が、強毒性に変異した可能性も低いとし、あらためて県民に予防と冷静な行動を呼び掛けた。県医師会(宮城信雄会長)は死亡者の発生を受け、15日付で県内の全医療機関に対し、新型インフルエンザ感染防止対策への注意喚起を通知した。
 国、県は現在、集団発生や患者の重症化防止に対策の重点を置いている。重症化の恐れがある疾患がある人に対しては早い段階で抗インフルエンザ薬を投与するほか優先的にPCR検査を実施するとしている。


2.新型インフル県内で死者 国内初、57歳男性
琉球新報社2009年8月16日

県は15日、宜野湾市在住の新型インフルエンザに感染した患者の男性(57)が同日朝、入院先の中部徳洲会病院(沖縄市)で死亡したと発表した。国内では5月に初の感染者が確認されて以来、死亡者は初めて。男性は心筋梗塞の治療歴があり、慢性腎不全のため、中部保健所管内の透析医療機関で透析治療を受けていた。県によると男性の死因は、肺炎を引き起こしたことによる敗血症。感染源については不明。周囲にインフルエンザ症状のある人や渡航歴のある人はいないという。
 インフルエンザは健康な人には一過性の病気だが、ぜんそく、心疾患、腎疾患、糖尿病などの基礎疾患のある人や、乳幼児、妊婦では重症化することがあると言われている。
 国の指針では重症化しやすい患者の入院については保健所に報告し、優先的にPCR検査を実施するとしているが、中部徳洲会病院が県に報告したのは男性の死亡後だった。
 男性は9日からのどの痛みやせきの風邪症状があり、10日に透析を受けた際に簡易検査を実施。そのときは陰性だったが12日の透析中に体温が39度まで上昇し、簡易検査でA型陽性が判明した。全身状態がよくないため同日、中部徳洲会病院に入院し、14日に意識レベルが低下し、15日朝死亡した。
 死亡後、緊急で遺伝子を調べるPCR検査を実施し新型インフルエンザ陽性が確認された。県は「新型インフルエンザは通常の季節性インフルエンザと同程度の毒性でタミフルなどの治療効果が高いが、ほとんどの人が免疫を持っていないため、極めて伝染力が高い。周囲に風邪症状がいる人の場合は自分自身もインフルエンザに感染している可能性が高いため、感染防止のため、外出をなるべく控え、外出時はマスクをするように」と呼び掛けている。
◆国立研で検体調査へ 舛添厚労相
 舛添要一厚生労働相は15日、新型インフルエンザに感染した宜野湾市の男性が死亡したことを受けて、那覇空港で記者会見し「患者の検体を国立感染症研究所でウイルス変異が起きていないか確認する」と述べた。
 国内初の死亡者が出たことについて、哀悼の意を表した上で「今後全国的、大規模に患者が増える可能性がある。医療態勢やワクチン整備などの対策を充実させたい」と表明、国民に冷静な対応、手洗いやうがいの励行など感染拡大防止策の徹底を呼び掛けた。舛添氏は、衆院選応援のため同日来県し、17日まで滞在する。
<死亡男性容体経緯>
 【入院前】
 9日 午後、のどの痛みとせきの症状が出るが自宅で経過観察をする。
 10日 中部の医療機関で人工透析。前日の症状に加え、37度台の熱があったためインフルエンザ簡易検査を行ったがA型陰性。解熱剤を処方。
 12日 同じ医療機関で人工透析を受けた際に食欲低下と悪心、おう吐を訴える。受診時に発熱はなかったが、透析中に39度まで上昇。簡易検査でA型陽性を示す。透析後タミフルを投薬した。胸部写真で心陰影の拡大が見られ、全身状態も良くないため同医療機関が中部徳州会病院を紹介した。
 【入院後】
 12日夕 中部徳州会病院来院時は38・8度で、強い全身けん怠感や筋肉痛、悪心、呼吸苦を認めたため入院。
 14日 未明に意識レベルが低下し、肝機能障害と血小板が減少。意識レベルは一度改善するも、夕方から呼吸苦が強くなった。胸部XP撮影でバタフライ陰影の像が見られたため、うっ血心不全を疑い透析。
 15日 循環不全となり、午前1時半に心臓が停止。心肺蘇生で一度は心拍再開するも同6時54分、死亡が確認された。
 県は緊急にPCR検査を行い、午後4時ごろ新型インフルエンザ陽性であったことを確認した。
<県の会見一問一答>
 15日に開かれた記者会見の主なやりとりは次の通り。
 ―直接的な死因は。
 「死亡診断書によると敗血症性ショック。新型インフルエンザから起因した肺炎で引き
起こされたとみられる」
 ―透析をしていたが、透析医療機関での院内感染の可能性は。
 「今の時点ではそういう情報は得ていない。感染源は不明だ」
 ―同機関のA型陽性患者の有無は。
 「把握してない。見込みが甘いと指摘されればそうかもしれない」
 ―新型インフルエンザ患者ではないかと疑ったのはいつか。県に報告があったのはいつか。
 「病院側は入院時から新型インフルエンザ患者だろうと見ていた。中部保健所に報告が
 あったのは(患者死亡後の)15日午前9時前後だ」
 ―県としてはどの時点で、男性について把握したかったか。
 「7月24日施行の感染症法で入院患者の県への報告が求められている。入院は12日
夕だったので、13日には連絡を受けるべきだったと考える」
 ―連絡が不徹底だったことについて。
 「改善の必要がある。連絡を徹底するよう(各病院に)呼び掛けていく。
【参照】
新型インフルエンザ患者の死亡例について(沖縄県)厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/houdou/2009/08/dl/infuh0815-02.pdf


3.ES細胞:分化制御に、たんぱく質の増減が影響--京大解明
毎日新聞社2009年8月16日

体のさまざまな組織になる胚性幹細胞(ES細胞)が「Hes(ヘス)1」と呼ばれる細胞内のたんぱく質の増減によって筋肉や骨、もしくは神経などに分化することを、京都大ウイルス研究所の影山龍一郎教授と小林妙子助教らの研究グループが解明した。再生医療への応用が期待され14日(現地時間)発行の米科学誌「ジーンズ・アンド・ディベロップメント」に発表した。
 研究グループはマウスを使った実験で、手を加えない場合のES細胞は、筋肉などになる中胚葉や脳などの神経系細胞へ不規則に分化することを確認。一方、胎児の体節形成に働くHes1を細胞内で増やすと中胚葉になりやすく、減らすと神経系細胞になりやすいことを突き止めた。Hes1を完全になくすと、ほぼ100%が神経系細胞になった。
 近年、大脳皮質の作成や脊髄(せきずい)への移植など、ES細胞の神経系領域への活用は注目の的。しかし、他の細胞がまじった中から神経系細胞だけを取り出す精製作業が必要だった。影山教授は「今回の発見は、純粋な神経系細胞の効率的な作成につながる」と話している。


4.マウスES細胞、100%神経系に 脊髄損傷など再生医療に期待…京大グループ
読売新聞社2009年8月15日

様々な細胞に変化できるマウスの胚性幹細胞(ES細胞)で、周期的に増減を繰り返している「時計たんぱく質」の合成を止めると、ほぼ100%神経系の細胞になることを、京都大ウイルス研究所の小林妙子助教らのグループが発見した。人のES細胞やiPS細胞(新型万能細胞)に応用できれば脊髄損傷などの再生医療に役立つと期待される。15日の科学誌ジーンズ・アンド・デベロップメントで発表する。
 小林助教らは、細胞ごとに2~5時間周期で増減し、体の形成に重要な働きをしている「Hes1」という時計たんぱく質に着目。Hes1の量が少ないES細胞にインスリンなどを加えると、神経系細胞になりやすいことがわかった。Hes1の遺伝子を壊すと、6日間でほぼ100%神経系の細胞になった。
 ES細胞やiPS細胞をそのまま体に移植すると様々な細胞が混じった「奇形腫」というがんになる。これまでの方法では60~70%が神経系に変化するが、他の種類の細胞や未熟な細胞も混じるのが課題だった。


5.鳥インフル感染で延命 名市大、ニワトリで確認
共同通信社2009年8月15日

 鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染したニワトリに、ある種のペプチド(アミノ酸化合物)を投与すると延命効果があると、名古屋市立大大学院医学研究科の岡田秀親名誉教授(免疫防御学)、京都府立大の塚本康浩教授(動物衛生学)らが15日までに発表した。人の治療薬開発などにつなげたいとしている。英科学誌の系列サイトに掲載された。
 岡田氏によると、10羽のニワトリを鳥インフルエンザに感染させ、うち5羽に岡田氏が開発したペプチドを注射したところ、何もしなかった5羽は2日目に死んだが、注射した5羽は3日目も生きていることを複数回の実験で確かめた。今回使ったインドネシアの実験場の都合で殺処分が必要となったため、4日目以降のデータはない。
 ニワトリは、エンドセリンというタンパク質が活性化して炎症が拡大するが、ペプチドがこれを阻害したとみられる。
 人が鳥インフルエンザに感染すると強い肺炎を起こし約60%の患者が死亡する。今回の実験と同様に炎症を抑制できれば治療や延命に効果があるとみられ、岡田氏は「ペプチドが哺乳(ほにゅう)動物でも効くか試したい」としている。


6.胃の悪い人は長生きできず、9年の追跡調査で判明―中国紙
Record China2009年8月16日

2009年8月13日、生命時報によると、暑い夏は食欲不振に陥りがちだが、胃の具合と老人の死亡率には関連性があることが、イスラエルのベングリオン大学で行われた研究からわかった。胃に問題のある老人ほど早く亡くなるという。
病気を患っている70~82歳の老人1258人を対象に、9年間にわたる追跡調査が行われた。研究グループの代表者によれば、調査の結果、健康状況や人口学的特徴、栄養状態などの要素を除くと、胃の働きを改善すると病気の老人が死亡するリスクが軽減されることが判明した。
胃は栄養を摂取する重要な消化器だが、同時にホルモンを分泌する内分泌器官や免疫器官としても重要な役割を果たしている。研究によれば、胃腸には多くのホルモン分泌細胞が存在しており、その数は体内の他の分泌細胞の総数を上回るほどで、胃に問題が出ると他の多くの器官の働きにも問題が生じやすくなり、その結果、死亡するリスクが高まる場合があるという。
中国医学でも古来より「脾臓や胃腸を内傷すれば、百病を生む」と言われ、胃の機能を保つことは非常に重要だと中国の専門家も指摘し、ゆっくりよく噛むことや、消化されやすい食べ物を摂ること、規則正しい食生活を送ることなどが大事だと話している。


7.貝や酒のうま味成分でがん予防?広島大研究
産経新聞社2009年8月16日

広島特産のカキや日本酒でがん予防? 貝類や日本酒に含まれるうま味成分の一種、コハク酸にがん細胞の増殖を抑える効果があるとの研究結果を、広島大の加藤範久教授(分子栄養学)らが15日までにまとめた。
 コハク酸はカキや酒かすに含まれるが、機能性についてはあまり注目されていなかった。加藤教授は「貝汁に含まれる程度の濃度でも抑制効果が期待できる。コハク酸を日常の食事で取ることで、がんが予防できるかもしれない」と話している。
 加藤教授は、コハク酸がある環境で大腸がんや胃がん細胞を培養すると、増殖が半分程度に抑えられるのを確認。ラット実験で、がんの増殖を促すとされる血管新生が起きにくくなることも確かめた。


8.神経難病HAM、鍵握る細胞特定
読売新聞社2009年8月16日

次第に歩けなくなるウイルス性の神経難病「HAM=ハム」の発病の鍵となる細胞を、聖マリアンナ医大難病治療研究センターの山野嘉久准教授らが特定し、米オンライン科学誌に発表した。
 原因となるヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV―1)の推定感染者は110万人で、その一部がHAMを発症する。九州・沖縄に多いとされてきたが、最近は全国に拡大しており、今回の研究結果が、治療法の開発につながることが期待される。
 山野准教授らは、外敵から体を守るリンパ球の一つT細胞の中に、HTLV―1に感染しやすいT細胞があり、ウイルス感染で性質が一変。炎症を起こす物質「インターフェロンγ」を放出するようになり患者の脊髄を攻撃、HAMが発病することを突き止めた。
 HAMは1986年、日本の研究者により発見された。歩行困難、排尿障害、手足などの感覚障害などが起き、寝たきりになることもある。根治させる治療法はない。国内の患者数は約1500人。


9.チョコを食べて長生き、心疾患の死亡リスクを3倍軽減
AFP News2009年8月15日

心臓発作の病歴がある人は、週に2-3回チョコレートを食べることで全く食べない場合に比べ、心疾患で死亡するリスクを約3倍軽減できる。少量でも効果は薄れるものの、全く食べないよりは効果的。このような研究が医学誌「Journal of Internal Medicine」9月号に発表された。
 スウェーデンのカロリンスカ研究所(Karolinska Institute)のImre Janszky氏が率いる研究チームは1990年代初め、ストックホルム(Stockholm)県在住で初めて心臓発作を起こして入院した患者のうち、糖尿病を患っていない45-70歳の男女1169人を対象に追跡調査を行った。
 退院前に過去1年間の食習慣について聞き、チョコレートを食べる頻度も調査した。退院3か月後に健康診断を実施し、その後8年間経過を観察した。その結果、心臓発作による死亡はチョコレート消費量に反比例することが分かった。この傾向は性別、年齢に関係なくあてはまった。
 チームの1人はAFPの取材に電子メールで回答し、カカオに含まれる抗酸化物質が寄与しているのではないかと指摘した。
 抗酸化物質は、ゆっくりと体内に蓄積して細胞に損傷を与えうる「フリーラジカル」と呼ばれる分子から細胞を守る働きがあり、心疾患、がん、老化などに効果があると考えられている。
 研究結果を裏付けるための臨床試験が必要だと研究チームは指摘している。


10.[反貧困]若年化する過労死
人民新聞社Peoples News2009年8月15日

「若い人たちが命がけで働かされてる。息子の労災認定は、こうした若い人の命を守るためです」─東田京子(仮名)さんは、息子の直さんを失った。02年3月に社員寮の自室での自殺だったという。
若年過労死・過労自殺が頻発している。若年過労死からみえてくる過酷な職場の現実とは?「もう一つの働き方」を構想するための、正社員の長時間労働、過労死・うつ・自殺の問題を考えるシリーズ。働くことの意味や生きる意味をより深く考える機会としたい。
ウツが蔓延するIT職場
システムエンジニアだった東田直さんは、大手ソフト開発会社で、医療事務システムの操作マニュアル作成などを担当していた。直さんが働いていた職場には今もウツで休職している人がいるという。
直さんは大学院修士課程を修了後の2000年に入社したが、1年目くらいから会社の業績不振やリストラを苦にして、「酒を飲まないと眠れない」などと周囲に訴えていたという。02年1月、精神科医に「ずっと重圧を感じていた。死への願望がわいてくる」と話し「抑うつ神経症」と診断された。知人に送った電子メールにも「ただただ忙しいだけ。
 肉体的にも精神的にもくたくた」と記している。仕事は午前8時ごろ出社し、午後10時を超えて帰宅する日が多く、自殺前7ヵ月間の時間外労働時間は月平均60時間を超え、自殺前1ヵ月は徹夜を含め180時間を超える時間外労働をしていた。
過労が原因だとして遺族が出した労災申請について、いったん申請を棄却した厚木労働基準監督署は、行政不服審査判決直前に、あらためて労災と認定した。 自殺する直前1ヵ月の残業時間を会社の説明を踏まえ117時間とみなしていたが、再調査で159時間に上っていた実態が判明したことなどから認定を見直した。
経験ない新入社員に激務
「24才の健康な青年がたった半年でうつ病にかかり、命まで落とさなければならなかったのか」息子を自殺でなくした清川さんは怒る。
清川圭さん(仮名)は、大学卒業後の1996年4月、コンピューターシステムの開発などを行う同社にシステムエンジニアとして入社した。やがてストレスでうつ病になり、同年9月に東京都府中市内の団地で飛び降り自殺した。
遺族は労災認定を求める裁判で、「十分な研修を受けずに難度の高い仕事をさせられて強いストレスを受けていた。会社側は体調の変化に気付いていたはずなのに、業務を軽減するなどの対策を講じなかった」と主張。会社側は「長時間勤務や過重な労働はなかった」と反論した。
圭さんは数学科を卒業、コンピューターにはほとんど触れていなかったが、会社案内のパンフレットや説明会で「経験がなくても初心者からていねいに教えます」と言われ、安心して入社したという。
ところが、研修期間が3ヵ月から2ヵ月に短縮され、知識も理解もないまま、すさまじい仕事の嵐の波にのみこまれてしまう。体調を崩し、メンタルヘルスの対応もなく長期休暇ももらえないまま、いったん退職届を書く。ところが上司から退職願受理後に「9月いっぱい働くと雇用保険が出るから30日まで出社するように」と言われ、うつ病が進行し、判断力もないまま業務を続行。会社からの帰宅途中に自殺した。
ひとりの過労死の背後には、何人もの過労死予備軍がいるといわれている。特にシステムエンジニアは、頻繁な仕様変更と納期に追われ、納期前の超長時間労働が、常態化している。「できる奴ほど潰される」という格言もあり、若手技術者を使い捨てる典型的職場と化している。


11.1型糖尿病患者の重篤合併症発現率は過去の報告値よりも低い
Medscape Medical News2009年8月15日

1型糖尿病(T1DM)患者における重篤合併症の発現率は、特に強化療法を受けている場合、過去に報告されている発現率よりも低いことを示す長期研究の結果が『Archives of Internal Medicine』7月27日号に報告された。
「Diabetes Control and Complications Trial(DCCT)で糖尿病の強化療法による長期合併症の減少が実証されたことで、1型糖尿病の臨床治療目標は変化してきた」とDCCT/Epidemiology of Diabetes Interventions and Complications (DCCT/EDIC) Research GroupのDavid M. Nathan, MDらは記している。「強化療法が行われるようになったこの時代において1型糖尿病の臨床経過を扱った長期研究はほとんどない。本研究の目的は、現在の1型糖尿病の臨床経過を明らかにすることであった」
研究者らはDCCT(1983年から1993年まで患者を従来療法または強化療法に割り付けた)のデータを用い、長期合併症の累積発現率を分析した。1993年以降はDCCTに登録された全患者に対して強化療法の実施が推奨された。
解析対象集団はDCCTの1型糖尿病コホート(N = 1441)とPittsburgh Epidemiology of Diabetes Complications(EDC)研究(ペンシルベニア州アレゲーニー郡の1型糖尿病患者を対象とした観察研究)から選択したDCCT登録基準を満たす患者161例であった。
DCCTの強化療法では正常に近い血糖値が目標であり、この達成には1日3回以上のインスリン注射またはインスリンポンプが使用された。従来療法は1日1-2回のインスリン注射であり、目標として特定の血糖値は設定されなかった。DCCTの評価項目は増殖性網膜症、腎症(アルブミン排泄率> 300 mg/24時間、クレアチニン値≥2 mg/dLまたは腎代替療法の実施として定義)、心血管疾患の発現率などであった。
DCCTの従来療法群では、糖尿病となってから30年後の増殖性網膜症、腎症、心血管疾患の累積発現率はそれぞれ50%、25%、14%であった。EDC研究コホートにおける各発現率は47%、17%、14%であった。
これとは対照的に、DCCTの強化療法群ではこれらの合併症の累積発現率が明らかに低く(21%、9%、9%)、失明したり、腎代替療法が必要となったり、糖尿病による切断術を受けたりした患者は同じ時間枠において1%未満であった。
「1型糖尿病患者の重篤合併症の発現頻度は、特に強化療法を受けている場合、過去に報告されている発現頻度よりも低い」と本研究の著者らは記している。
本研究の限界としては、合併症の判定および定義の方法が異なるため、過去データとの歴史的比較に正確さを欠くことが挙げられる。またEDC研究の対象集団は糖尿病の発症時期が早かった。
「DCCT/EDICの従来療法およびEDC研究の結果から、医師は臨床転帰の実際を知ることができ、過去25年間に1型糖尿病となった患者とこれについて話し合うことが可能になった。一方、強化療法群の結果から、1型糖尿病患者が将来的にどんなことを期待できるについて、その概観が示されている」と本研究の著者らは結論付けている。「現在の標準治療である強化療法によって経時的に合併症発現率は50%以上低下し、糖尿病の経過の早期にこの治療を実施することで最も高い有益効果が得られると考えられる」
本研究は米国立糖尿病・消化器病・腎臓病研究所(NIDDK)、米国立眼病研究所(NEI)、米国立神経疾患・脳卒中研究所(NINDS)、General Clinical Research Centers Program、Clinical and Translation Science Centers Program、米国立研究資源センター(NCRR)、Genentech社の支援を受けた。また本研究はLifescan社、Roche社、Aventis社、Eli Lilly社、OmniPod社、Can-Am社、B-D社、Animas社、Medtronic社、Medtronic Minimed社、Bayer社より無償または割引価格での物品および/または設備の提供を受けた。本研究の著者らは関連する金銭的関係がないことを公表している。
Arch Intern Med. 2009;169:1307-1316


12.脳卒中関連のうつ病: 行動療法+抗うつ剤は薬物療法単独より有効
Medscape Medical News2009年8月14日

回復期の脳卒中患者のうつ病に対し短期間の心理社会/行動療法と抗うつ剤を併用すると、薬物療法単独の場合より短長期的に高い効果が得られることが新しい試験で示された。
うつ病の脳卒中患者を対象にした初めての心理社会/行動療法の長期試験において抗うつ剤の併用療法を同じく抗うつ剤を使用した通常の治療と比べた結果、うつ病スコアが有意に改善した。この改善は短期間で認められ、1年後も維持されていた。特に、心理社会/行動療法と抗うつ剤の治療を8週間受けた患者のうつ病スコアは47%低下した。通常の治療を受けた患者のスコア低下は32%であった。
この結果は臨床的、統計的に有意であると研究者らは言う。うつ病が改善した患者は自らの回復を非常に大きいと考えており、うつ病の改善度が低かった人より身体状態や社会参加の面で改善したと感じていた。
「脳卒中後のうつ病は重大な公衆衛生問題である。脳卒中患者の1/3が臨床的うつ病にかかるが、これによって脳卒中から回復しにくくなり認知機能の悪化や社会機能の低下を引き起こすなどの悪影響がある」と試験を実施したワシントン医科大 (シアトル) 精神行動科学教授Richard C. Veith, MDは発表で述べた。
この試験は8月6日の『Stroke』オンラインに掲載されている。
同試験によればうつ病はあらゆる類型の脳卒中の深刻な後遺症であり、生存者の33%以上がうつ病にかかるという。脳卒中後うつ病は回復とリハビリ効果の悪さ、社会機能の低下、仕事復帰の遅れ、医療サービスの使用増加、心血管イベントの続発リスクと全原因死亡率の上昇に関連するとされていると著者らは記す。
短い追跡期間の研究で認められた抗うつ剤の効果の程は様々であるが、短期または長期間で寛解や反応が認められたという明確なエビデンスはない。一方著者らは、16のランダム化対照試験に関する2006年のメタ解析において、各種抗うつ剤による脳卒中後うつ病の総合的改善はプラセボより明らかであったと指摘している(Ann Pharmacother. 2006;40:2115-2122)。
しかし、抗うつ剤治療の補助として行われる短期間の行動療法は十分研究されていないとも記す。
「適切に計画された非薬物治療試験が出てきたのはごく最近であり、どちらも短期間 (3カ月) のうちに [脳卒中後うつ病の] 軽減がみられたことは重要である。我々の試験は臨床的、統計的に重要な長期間のうつ病軽減を報告した初めての試験である」と書く。
この試験では臨床的うつ病の非入院脳卒中患者101例 (男性59%、25-88歳)が試験対象となった。患者は4カ月前から中等度の虚血性脳卒中を患っていた。参加者は薬剤を併用する8週間の心理社会/行動療法群またはセルトラリンなどの選択的セロトニン再取り込み阻害薬を併用する通常治療群の片方にランダム化された。
心理社会/行動療法の介入は、8週間で9回患者を訪問した治験専門の看護師によって行われた。看護師はうつ病教育と積極的行動を中心とした1時間のセッションを実施した。このセッションでは嬉しい出来事を増やす方法、否定的な考えを見つけ修正する方法、問題解決、介護者のサポートが主題として取り上げられた。
試験の開始時、標準的評価尺度 (Hamilton Rating Scale for Depression) ですべての患者が中等度のうつ病であった。両群の平均スコアは基本的に約20と同等であった。
9週目、心理社会/行動療法群のうつ病スコアが通常治療群に比べきわめて有意に低下した。
通常治療群の参加者でも1年間にわたってうつ病の軽減が認められたが、心理社会/行動療法群よりゆっくりで、寛解の程度も低かったと研究者らは記す。
「抗うつ剤治療を併用した短期間の心理社会/行動療法介入は、短期間でうつ病を緩和し寛解を達成するためにきわめて有効であり、その効果は2年間続いた」と著者らは結ぶ。
米国立ナーシングリサーチ研究所が同試験の研究費を一部拠出した。研究者らは開示情報で関連する金銭的関係はないと報告した。
Stroke. 2009;12:95-97.

http://fcm-news.blog.so-net.ne.jp/2009-08-16

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