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Sep 02, 2009****************************************
1.全腎協、透析患者らへのワクチン優先接種を 国に要望
2.子ども向け用量を明確化 厚労省が検討会議で作業
3.糖尿病に脂肪老化が関与=新薬開発に期待-千葉大
4.防衛医大、紫外線硬化の止血剤を開発
5.肝臓のがん細胞、9割正常に戻る…マウスで成功
6.今季の新型インフルウイルス変異の可能性は低い、米大学研究
7.「季節性」より「新型」強力、秋から主流に
8.新型インフルに救世主? 「チオレドキシン」に脚光 京都大ウイルス研
9.アスピリンの定期的服用、健康な人には悪影響も 英研究
10.流されやすい人は、右脳の働きが弱いようだ
11.メタボの引き金、たんぱく質を発見…熊本大
12.【検証 メタボリックシンドローム】善玉タンパク質 アディポネクチン
13.【トロンビン阻害薬「ダビガトラン」】脳卒中リスクを有意に低下‐大規模臨床試験で明らかに
14.新しい骨粗鬆症治療薬として期待されるdenosumab:FREEDOM
15.足首の血圧で脳卒中発症後の心疾患リスクが判明
16.うつ病で脳の報賞中枢の機能が低下することが画像研究で明らかに
17.ESC会議2009で話題の中心は?
18.Swine Flu May Be Less Dangerous Than Predicted: Study
19.Reflux Drugs OK With Blood Thinners
20.Key Protein May Link Obesity, Diabetes, Heart Woes
21.新型インフルエンザに関する報道発表資料
22.新型インフルエンザA(H1N1)の治療
23.新型インフルエンザA(H1N1)の診断ガイダンス
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1.全腎協、透析患者らへのワクチン優先接種を 国に要望
日本経済新聞社2009年9月2日
新型インフルエンザのワクチン接種について、全国腎臓病協議会(全腎協)は1日、厚生労働省を訪れ、慢性腎不全などの基礎疾患(持病)を持つ透析患者へのワクチンの優先接種や、国による費用負担などを要望した。同省の担当者は「ワクチンの接種は10月下旬以降。それまでに検討したい」とした。
は腎臓病を含めた基礎疾患を持つ患者への感染予防や感染した場合の対策パンフレットの早期配布を求めた。同会の宮本高宏会長は「患者が不要な不安を抱かないようにしてほしい」と求めた。
透析を行っている医師らで構成する日本透析医会も、透析患者のワクチン接種について「透析治療を行っている全国約4000病院で接種可能にしてほしい」と提案した。同会の山崎親雄会長は「日常的に透析をしている病院で接種できれば、接種漏れを防げる」としている。
2.子ども向け用量を明確化 厚労省が検討会議で作業
共同通信社2009年9月2日
子どもの病気の治療に必要な薬なのに、子ども向けの用法、用量や安全性が明らかにされていないものがある。成人に関する開発段階の治験データしかないことが背景にあり、厚生労働省はこうした問題を解消しようと専門家による検討会議を設置。使用方法などを説明する添付文書の改定を製薬会社に促し、医療現場に示す作業を進めている。
国内で承認されている薬の多くが、成人を対象にした治験のデータを基に製造販売を認められている。子どもへの使用については添付文書に「安全性は確立していない」「必要最小限の使用にとどめ、慎重に投与すること」などと書かれるにとどまり、使用しても安全なのかや、適正な使用量はあいまいなケースが多い。
2006年3月に設置された検討会議が早い段階で取り上げたのがアセトアミノフェン。成人同様、子どもの発熱や痛みのごく一般的な薬として長年使用されてきたが、粉末や錠剤のタイプでは子ども向けの用量が示されておらず、認められた効能も「解熱」だけで「鎮痛」は含まれていなかった。
欧米4カ国での承認状況、国内外の論文やデータを基に検討した結果、使用方法について「体重1キロ当たり1回10~15ミリグラム。使用間隔は4~6時間」などの用法用量で「乳児、幼児、小児において適切な解熱、鎮痛を得ることができる」と明確にする報告書が06年12月にまとめられた。
「この薬は使用頻度が高い半面、医師によって使用量が少なすぎたり多すぎたりする場合があった。標準的な用量を示せたことで、医師も安心して効果的に使えるようになったのではないか」と、関係者は説明する。
会議は、関係学会の意見を基に6種類の薬についてほぼ検討を終え、アセトアミノフェンを含む3種類について既に添付文書を改定した。
この問題に詳しい専門家は「現場の立場からすれば、治験が行われていないのは危険と言わざるを得ない」と指摘。
米国では、小児の治験を実施した製薬企業に新規医薬品の特許権延長を認めるなどの優遇制度を設けており、今後開発される薬で小児の治験を促すためには、同様の制度が国内でも必要だとしている。
3.糖尿病に脂肪老化が関与=新薬開発に期待-千葉大
時事通信社2009年9月2日
脂肪組織の老化が進むと、血糖値を下げるインスリンの効き目が悪くなり、糖尿病を発症しやすくなることを、千葉大医学部付属病院の南野徹助教らがマウスの実験で解明した。米医学誌ネイチャー・メディシン電子版に2日までに発表した。
日本人に多い2型糖尿病の患者でも、内臓脂肪が老化していることが判明。細胞の老化には、がん抑制遺伝子として知られる「p53」が関与しているため、p53の働きを制御する新たな糖尿病治療薬を開発できるかもしれないという。
細胞は分裂を繰り返すうちに、DNAの集合体である染色体を完全には複製できず、末端部分が徐々に短くなって老化する。
研究チームは、この染色体の末端部分を維持しようとする酵素が欠損したマウスを実験に使用。脂肪分が多い餌を与えると、インスリンの効き目が悪くなったが、これには脂肪組織の老化とp53の活性化が関与していた。
さらに、膵臓から分泌されるインスリンが少ない2型糖尿病モデルのマウスを使い、脂肪組織でp53を働かないようにしたところ、インスリンの効き目が改善した。
4.防衛医大、紫外線硬化の止血剤を開発
日刊工業新聞社2009年9月2日
防衛医科大学校の石原雅之教授らは、紫外線(UV)で硬化する止血剤を開発した。接着性、密封性に優れた不溶性のハイドロゲルを採用。アルギン酸カルシウムで傷口や切断面を処理後、ハイドロゲルで覆い、UV照射を行うだけで素早くつく。急激かつ大量の出血が短時間で続く場合でも効果を発揮するため、災害や事故現場での実用化が期待される。
早ければ年内にも止血剤や生体接着剤としての能力を確かめる臨床試験を実施。自衛隊や消防、救急病院を中心に普及を目指す。
アルギン酸カルシウムで傷口を圧迫止血しつつ、キトサンゲルを塗ったシールを被覆。押さえながらUVを1―1分半照射した後にシールをはがせば止血は完了する。
大腿(だいたい)部の動脈・静脈を傷つけたラットで実験を行ったところ、従来の止血剤よりも高い生存率を確認。処置してから3日後には動脈圧が出血前と同程度にまで回復し、異常は生じなかったという。
5.肝臓のがん細胞、9割正常に戻る…マウスで成功
読売新聞社2009年9月2日
肝臓のがん細胞のほとんどを、正常な細胞に変化させることに、米ハーバード大の森口尚史研究員(肝臓医学)らが、マウスの実験で成功した。
遺伝子と化学物質を使う手法をとった。新たながん治療につながる成果で、2日から米ボストンで開かれる幹細胞シンポジウムで発表する。
研究チームは、がん細胞の7割近くを正常な細胞に変えられる2種類の化学物質を発見。がん細胞の一部を正常な細胞に変える能力を持つ遺伝子とともに、人のがん細胞を移植したマウスの肝臓に導入した。
その結果、マウス8匹はすべて8週間生きており、がん細胞の85~90%は見た目も性質も正常な細胞となっていた。
6.今季の新型インフルウイルス変異の可能性は低い、米大学研究
AFP News2009年9月2日
新型インフルエンザA型(H1N1)ウイルスが今シーズンに毒性の強いウイルスに変異する可能性は低いとする研究結果が1日、医学専門サイト「PLOS Currents」に発表された。
米メリーランド大学(University of Maryland)の研究チームはフェレットで実験を行い、H1N1ウイルスはまだ季節性インフルエンザ株と簡単には交雑しないことを明らかにした。ウイルスの交雑が進むと、毒性の高いインフルエンザウイルスが誕生する可能性が高まる。
なお、H1N1ウイルスと季節性インフルエンザの両方に感染させた一部のフェレットに呼吸器と腸の疾患が見られた。研究チームは、H1N1ウイルスによる死亡例には、ウイルスへの重感染と複数の疾患が関係している可能性があるとして、さらなる調査の必要性を訴えている。
7.「季節性」より「新型」強力、秋から主流に
読売新聞社2009年9月2日
米国立衛生研究所(NIH)は1日、新型インフルエンザは季節性インフルエンザより感染力が強いとする動物実験の結果を発表した。
秋からの本格的な流行では、新型が主流になる可能性が高いとみられる。
米メリーランド大の研究チームが、イタチの仲間フェレットに新型インフルエンザと季節性インフルエンザを同時感染させたところ、新型だけがほかのフェレットに感染し、季節性は広がりにくかった。また、新型と季節性のウイルスの遺伝子同士がフェレットの体内で組み換えを起こすことはなく、致死性の高い新たなウイルスが生まれる現象は見つからなかった。
新型インフルエンザは季節性インフルエンザと同時に流行するという説があるが、研究チームは「秋以降、新型は季節性を押しのけ、優勢になる」と予想している。
8.新型インフルに救世主? 「チオレドキシン」に脚光 京都大ウイルス研
産経新聞社2009年9月2日
新型インフルエンザが全国的に流行する中、アレルギー抑制などの分野で研究が進められてきたタンパク質「チオレドキシン」が一躍脚光を浴びている。粘膜の炎症抑制に優れた効果を発揮する上、副作用の心配がなく、劇症化防止や症状緩和に役立つ新薬開発が期待されており、すでに複数の製薬メーカーが着目。研究を進める京都大学ウイルス研究所は2年以内の人への臨床実験を目指しており、早期実用化を求める声は日増しに高まっている。
チオレドキシンは、アレルギーや薬による副作用の抑制に役立つタンパク質を探していた同研究所の淀井淳司教授らの研究チームが、平成2年に人の細胞内から発見。研究を進める中で、のどや胃の粘膜に起こる炎症を抑える効果があることも判明した。
同研究所と国立感染症研究所(東京)の共同実験では、インフルエンザウイルスに対し、チオレドキシンを多く発現させたマウスは通常のマウスに比べて約8倍の耐性をもつことがわかり、14年に論文発表。新型インフルエンザに対しても効能が発揮される可能性は高いとみられている。
淀井教授によると、新型インフルエンザで死亡に至るのは、ウイルスが体内に入って過剰な免疫反応が起こり、急性間質性肺炎などを発症するケースが多い。タミフルなどの抗ウイルス剤のほか、症状を抑える抗炎症剤が効果的という。しかし、抗炎症剤として一般的なアスピリンやステロイド系は免疫を抑え過ぎたり強い副作用が出る心配があり、インフルエンザには向かないとされる。
この点、チオレドキシンは人の細胞にもあることから、呼吸器内科の専門家も「投与しても抗原性などによる副作用はない」と指摘。淀井教授は「チオレドキシンには過剰な免疫反応を抑える働きもあり、新型インフルエンザに対する解熱作用のほか、急性間質性肺炎などの劇症化を防ぐ作用も期待できる」と話す。
京大ウイルス研究所は現在、厚生労働省や京大付属病院の協力を得ながら実用化に向けた研究を進めており、国内外の製薬メーカー数社も協力を打診しているという。
一方、チオレドキシをめぐっては、京大系のベンチャー企業「レドックス・バイオサイエンス」(京都市)と大手清酒メーカー「黄桜」(同)が5年前から進める研究開発で、日本酒の酵母から純度の高いチオレドキシンを抽出することに成功。
提携するバイオベンチャー企業「セラバリューズ」(東京)が、のどや胃粘膜の炎症抑制に効果があるキャンディーやドリンク剤などの製品化を手掛け、来年にも市販を始める方向で動いている。
9.アスピリンの定期的服用、健康な人には悪影響も 英研究
AFP News2009年9月2日
健康な人が心臓発作を防ぐ目的で毎日アスピリンを服用する場合、逆に体に悪い影響を及ぼす可能性があるとする研究結果が、30日発表された。
英エジンバラ(Edinburgh)の末梢血管疾患予防機関「Wolfson Unit for Prevention of Peripheral Vascular Diseases」は、動脈硬化性疾患を抑制するためのアスピリンの定期的な服用について、50歳から75歳までの男女3350人を対象に調査を実施。その結果、健康な人、つまり心臓病の症状や心臓病の病歴がない人では、服用による出血のリスクが無視できないことがわかった。
英心臓基金(British Heart Foundation)のピーター・ウェイスバーグ(Peter Weissberg)教授は、アスピリンの定期的な服用について、「狭心症や心臓発作など動脈疾患の症状がある患者では、他の症状の発生を防ぐ効果があるが、こうした疾患がない人では出血のリスクの方がまさってしまうため、アスピリンは服用すべきではないだろう」と話す。
10.流されやすい人は、右脳の働きが弱いようだ
読売新聞社2009年9月2日
常識や雰囲気に流されやすい人は、論理的に考える際に活発になる右脳の部位の働きが弱いことが、慶応大の辻井岳雄准教授(認知神経科学)らの研究で分かった。
米誌に発表する。
研究チームは、大学生ら48人を対象に、「鯨は哺乳類。哺乳類は歩ける。よって鯨は歩ける」のように、常識ではありえないが、三段論法では正解となる問題を50問出題。同時に、右脳前部の「下前頭回」と呼ばれる論理的思考をつかさどる部位の働きを調べた。
その結果、三段論法の問題の正答率が高いほど下前頭回の働きが強い傾向があり、100点だった人は、20点ほどの人に比べ、下前頭回が4倍近く活発に働いていた。
研究チームは「下前頭回の活動の弱い人は、論理的な思考より、常識や雰囲気に流されやすい傾向がある」と分析している。
11.メタボの引き金、たんぱく質を発見…熊本大
読売新聞社2009年9月2日
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を引き起こす原因たんぱく質を、熊本大学の尾池雄一教授らが見つけた。
このたんぱく質が脂肪組織で慢性的な炎症を起こし、最終的に糖尿病が発症することも確かめた。新たな治療薬開発につながる成果で、2日付の米科学誌「セル・メタボリズム」に発表する。
尾池教授らは、肥満や糖尿病、動脈硬化症の患者の血液中で、Angptl2というたんぱく質の濃度が高いことを発見。このたんぱく質をヒトの血管の細胞に作用させると、白血球を呼び寄せて炎症につながることがわかった。
慢性的な炎症があると様々な生体物質が作られ、インスリンの働きが悪くなって血糖値が高まるなど病気の引き金になることが知られている。Angptl2を働かないように遺伝子操作したマウスに、脂肪の多い餌を与えても、通常のマウスよりも血糖値が低く抑えられ糖尿病を発症しなかった。
12.【検証 メタボリックシンドローム】善玉タンパク質 アディポネクチン
産経新聞社2009年9月2日
□臓器障害、がん化抑制
心筋梗塞(こうそく)など生活習慣病を起こすメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の研究から見つかった善玉タンパク質、アディポネクチン。その作用が詳細に明らかになるとともに、動脈硬化の修復をするだけでなく、心臓や腎臓、肝臓の組織が壊れたり、がん化したりするのを防ぐ役割が明らかになってきた。体内で病気予防の主役として働くアディポネクチンの最新の研究成果を紹介する。
□阪大グループ、進む研究 動脈硬化を修復
■体内の消防隊
アディポネクチンの発見の経緯をたどると、この物質の重要な特徴がよくわかる。ヒトのアディポネクチンは、1990年代後半に松澤佑次・大阪大名誉教授(住友病院長)、下村伊一郎教授、船橋徹准教授ら阪大医学部第二内科の肥満研究グループが、松原謙一大阪大名誉教授らとともに脂肪組織から初めて発見した。脂肪組織だけが分泌し、肥満にかかわるさまざまな傷害や病気を修復するという自己防御の能力があるホルモンのようなタンパク質の性質を示す論文を相次いで発表、世界を驚かせた。
なにしろ、当時は医学界でも脂肪組織は単なる栄養の貯蔵庫としか考えられていなかった。アディポネクチンなどの発見により、脂肪組織がタンパク質を分泌する臓器の働きをしていることが証明されたことは医学の概念を変える成果でもあった。
「巨大な脂肪の組織から、多種類のタンパク質が分泌されていました。なかでも最も大量に産生されていたのがアディポネクチンで、その後の検討で、膵臓(すいぞう)から分泌されて血糖を下げるホルモンであるインスリンの1千~2千倍の量で血液の中を流れていることもわかってきました」と下村教授は語る。アディポネクチンという名前は、脂肪組織(アディポ)で作られ、いろんな臓器にひっついて(ネクチン)作用するという意味でつけられた。
ところが、不思議なことに内臓脂肪の量が増えるのに反比例して、アディポネクチンは減少していく。このミステリーは、病気との関連を示す証拠にもなった。つまり、脂肪組織に脂肪がたまると、脂肪組織で余分な活性酸素が生じて細胞を傷つける酸化ストレスが上昇する。この現象がアディポネクチンの産生や分泌を抑えてしまう。そして、いったん低アディポネクチン血症が起こってしまうと、病気の原因になる組織の炎症を消したり、動脈硬化になった血管を修復したりするなどアディポネクチンによる防御機構が利かなくなり、病状が進行してしまう。まさにメタボ予防のため体内を巡回する消防隊の役割を果たしていたのだ。
■幅広い関わり
メタボによる病気については一般的に、内臓脂肪の蓄積によりアディポネクチンが減り、高血糖、高血圧、脂質異常が生じた結果、動脈硬化による心筋梗塞(こうそく)、脳卒中や糖尿病が発症するとされている。最近の研究では、アディポネクチンがこれらの病気以外にも幅広く生活習慣病予防にかかわっていることが次第にわかりつつある。
船橋准教授、木原進士講師らは、心臓、腎臓、肝臓の組織が傷害され、伸び縮みができない線維のようになって機能しなくなる状態に着目した。心不全、慢性腎臓病(CKD)、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)などの病気につながる症状である。
マウスを使い、まず心臓については、血圧を上げるホルモン(アンジオテンシンII)を投与し、筋肉の線維化の状態をつくったところ、その組織の傷害部分にアディポネクチンが集まってきてべたべたと張り付き、懸命に修復している像が明らかとなってきた。さらに、より直接的にアンジオテンシンIIに作用し、防御していることもわかった。
腎臓については、臓器6分の5を切除して腎臓への血圧・血流を増やした状態を作ったうえ、あらかじめアディポネクチンの分泌量も減らしておいたところ、強い線維化が起こった。
ところが、アディポネクチンを補充すると予防され、CKDの進行度の指標である尿に排出されるタンパク質の量が3分の1以下に減った。
肝臓についても、アディポネクチンにより線維化が防げたが、この状態を作り出す特定の細胞(伊東細胞)が活発に働くのを抑えるというメカニズムだった。アディポネクチンはこれらの臓器を保護するタンパク質でもあったのだ。
発がん実験では、アディポネクチンが低下した状態では、大腸がんや肝臓がんがより高率に発生してくることがわかった。
「アディポネクチンは、老化とともに発症する生活習慣病に共通してかかわる根源的な物質のようです。通常は、酸化ストレスやいろいろな細胞を傷つける悪玉ホルモン(TNF-α)などを抑えていますが、アディポネクチンが減ってバランスが崩れると、悪循環がどんどん進んで組織の修復不全に陥り、慢性の臓器障害になるのではないかと考えています」と下村教授は説明する。
□メタボ予防の指標に
■増減値を測定
こうしたアディポネクチンの医療への応用について、松澤名誉教授は「アディポネクチンの発見時、それを遺伝的に分泌できないマウスをつくったところ、一見、何の変化もなかった。ところが、高脂肪、高蔗糖(しょとう)のエサを与えるとたちまち動脈硬化や糖尿病を発症し驚きました。アディポネクチンは、生活習慣の乱れによって私たちの体内で起こっている炎症をボヤの間に消して大火事を防ぐ消防隊であり、悪玉の攻撃を防ぐゴールキーパーでもあり、予防医学の中では、もっとも重要な物質のひとつといえるでしょう」と分析する。
さらに、アディポネクチンを直接投与するというような治療戦略よりも誰もが体内にもっている脂肪細胞からの分泌を増やす方法を開発することが大切で、松澤名誉教授は「当面は生活習慣病のマーカーとして増減を測定する形での応用が中心になるでしょう。内臓脂肪が減ればアディポネクチンの分泌が増えるので保健指導の方針が立てやすく、幅広い生活習慣病の予防に効果があります」と予測している。
13.【トロンビン阻害薬「ダビガトラン」】脳卒中リスクを有意に低下‐大規模臨床試験で明らかに
薬事日報社2009年9月2日
独ベーリンガーインゲルハイムは、経口抗凝固剤「ダビガトラン」の大規模臨床試験「RE‐LY」で、脳卒中または全身性塞栓症の発症リスクを有意に低下する成績が得られたと発表した。対照薬のワルファリンに対し、ダビガトランの有効性、安全性で優越性が示され、主要評価項目を達成している。成績は、8月30日に欧州心臓病学会議で発表された。
RE‐LYは、ダビガトランの脳卒中発症予防効果を検討するため、世界44カ国、900施設以上で1万8113人の心房細動患者を対象に実施された国際共同第III相試験。ダビガトラン投与群とワルファリン投与群に無作為割付を行った上で、脳卒中または全身性塞栓症の発症を主要評価項目に設定し、ダビガトランの長期有効性と安全性が検討された。
その結果、ダビガトラン1回150mg1日2回投与群は、ワルファリン投与群に比べて大出血リスクを増加させずに、心房細動患者の脳卒中または全身性塞栓症の発症リスクを34%低下させ、優越性を示したことが分かった。1回110mg1日2回投与群では、ワルファリン投与群と比べて、脳卒中または全身性塞栓症の発症リスクを同程度に抑制し、大出血の発症を20%低下させた。
また、ダビガトランは、出血性脳卒中の発症リスクを有意に低下させると共に、血管死を有意に減少させるなど、主な副次評価項目でワルファリンに対する優越性が示されている。安全性についても、ダビガトラン投与群は150mg、110mgの両用量群ともに、頭蓋内出血や全ての出血の発症が有意に低下する成績が得られた。
14.新しい骨粗鬆症治療薬として期待されるdenosumab:FREEDOM
CareNet2009年9月2日
骨粗鬆症の治療に有用ではないかと期待されているdenosumabは、破骨細胞の形成、作用に不可欠なサイトカインであるRANKL(receptor activator of nuclear factor-κB ligand)に作用し、骨吸収を抑制し骨密度を増加する完全ヒトモノクローナル抗体である。骨粗鬆症、がんの骨転移、関節リウマチによる関節破壊などさまざまな骨代謝異常の治療・予防を目的に開発が行われている。本論は、FREEDOMと呼ばれる国際間無作為プラセボ試験からの報告。NEJM誌2009年8月20日号(オンライン版2009年8月11日号発表)にて掲載された。
骨密度-2.5未満の60~90歳女性7,868例をdenosumab 60mg群とプラセボ群に無作為化
FREEDOM試験(Fracture Reduction Evaluation of Denosumab in Osteoporosis Every 6 Months)は、60~90歳の女性で腰椎または股関節の骨密度Tスコアが、-2.5未満(-4.0まで)の7,868例が参加し行われた。
被験者は無作為に、denosumab 60mg群とプラセボ群に割り付けられ、皮下投与が6ヵ月毎に36ヵ月間行われた。
主要エンドポイントは、X線上の新規の椎体骨折。副次エンドポイントは、非椎体および股関節の骨折とされた。
新規の椎体骨折リスク68%低いなど骨折リスクが低減
プラセボ群と比べてdenosumab群は、新規の椎体骨折リスク発生が相対的に68%低かった。累積発生率は、プラセボ群7.2%に対しdenosumab群2.3%で、リスク比は0.32(95%信頼区間:0.26~0.41、P<0.001)。
股関節骨折もdenosumab群のほうが、相対的に40%低かった。累積発生率は、プラセボ群1.2%に対しdenosumab群0.7%で、ハザード比は0.60(同:0.37~0.97、P=0.04)。
非椎体骨折もdenosumab群のほうが、相対的に20%低かった。累積発生率は、プラセボ群8.0%に対しdenosumab群6.5%で、ハザード比は0.80(同:0.67~0.95、P=0.01)。
がん、感染症、心血管疾患、治癒の遅れ、低カルシウム血症のリスク増加は認められず、顎骨壊死例やdenosumabの投与有害反応はなかった。
Cummings SR, San Martin J, McClung MR, Siris ES, Eastell R, Reid IR, Delmas P, Zoog HB, Austin M, Wang A, Kutilek S, Adami S, Zanchetta J, Libanati C, Siddhanti S, Christiansen C; FREEDOM Trial.N Engl J Med. 2009 Aug 20;361(8):756-65. Epub 2009 Aug 11.
15.足首の血圧で脳卒中発症後の心疾患リスクが判明
WebMD2009年9月2日
新しい研究によれば、末梢動脈疾患(PAD)患者は、症状を伴わなくても、一過性脳虚血発作(TIA)や脳卒中発症後の転帰不良のリスクが4倍以上高い。
しかし、同研究において、足首の血圧を測定する簡単な検査で無症候性PADが検出されるということが判明し、患者にリスクを減少させる機会が与えられた。
脳卒中やTIAを発症した患者では、心疾患のリスクが非常に高い。プラークが動脈を詰まらせている徴候であるPADを合併している患者ではさらにそのリスクが高まる。
しかし、一部のPAD患者は無症候性である。これらの無症候性患者もTIAや脳卒中発症後のリスクが高いのか?
ノースカロライナ大学(チャペルヒル)のSouvik Sen, MD, MPHおよび共同研究者によれば、その通りである。
Sen博士の研究チームは、TIAまたは脳卒中発症直後のPAD症状(運動後の足、脚、臀部の疼痛(間欠性跛行と呼ばれる症状)など)のない患者102例を対象として、足関節上腕血圧比(ABI)と呼ばれる検査を用いてPADを検出した。
ABIは、足首の血圧を測定し、それを上腕の血圧と比較する簡単な検査である。足首の血圧が著明に低い場合は、プラークが末梢動脈を詰まらせていることが示唆される。これがPADである。
Sen博士の研究では、TIA/脳卒中発症患者の約4分の1にPADが認められた。それらの患者では、その後2年の間に、TIA、心臓発作、心臓死が発生する可能性が4倍高く、脳卒中が発生する可能性が5倍高かった。
一般集団を対象としてABI検査を用いてPADのスクリーニングを実施することは推奨されない。しかし、PADのリスクが高い患者については検査を行うのが賢明である。
Sen博士らによれば、ABI検査は、最近脳卒中又はTIAを発症した患者において、リスクを認識し、そのリスクを減少させるためにさらに積極的な措置を講じるのに有用であると考えられる。
Sen博士の研究は、『American Heart Association journal Stroke』11月号に掲載される予定である。
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16.うつ病で脳の報賞中枢の機能が低下することが画像研究で明らかに
Medscape Medical News 2009年9月2日
最近うつ病になった患者は、健常対照者に比べて、脳の報賞中枢の機能が低下していることが最新の画像研究で確認された。この知見は、うつ病の早期診断と治療にとって重大な意味を持つと考えられる。
ロンドン健康科学センター(オンタリオ州ロンドン)の研究グループが機能的磁気共鳴画像(fMRI)を用いた研究で、健常対照者とうつ病患者のそれぞれに本人の好きな曲を聴かせると、健常者のほうが内側眼窩前頭皮質と側坐核/腹側線条体の活動が強いことが分かった。うつ病患者はほぼ全員が薬物治療未経験であり、うつ病に関連する問題がつい最近になって現われた者である。
「うつ病の早期段階でのメカニズムをもっとよく解明することは、治療と診断の向上の鍵であり、公衆衛生における意義も大きいと考えられる」と筆頭著者のElizabeth A. Osuch, MDがMedscape Psychiatryに語った。
この論文は、『NeuroReport』8月号に掲載されている。
快楽の欠如
以前は楽しかった活動での快楽がなくなってしまう快感消失症が、うつ病症状の中心であり、これは脳の報賞処理領域の障害が関与していると考えられている。
脳の報賞系を調べたこれまでの考え方では、報賞系は賭事や正/負のフィードバックといった判断に関連付けられていた。その他の研究でも、脳のこの領域を刺激するために否定的/肯定的な単語や画像を用いていた。
本研究の著者グループによると、そうした研究で得られた知見で「うつ病では内側尾状核/腹側線条体の反応性が減弱するが、この考え方では対照群の内側前頭前皮質はうつ病患者とは異なり活性化する」ことが示されている。
さらに著者らによれば、内側眼窩前頭皮質は特に、絶対報賞よりも相対報賞に関係している。「快楽のもっとも基本的な能力がうつ病では一次的に喪失していると考えられるので、この内側眼窩前頭皮質の機能は臨床的に重要である」と著者らは記している。
健常対照者では音楽を聴くと報賞処理系が活性化することがこれまでの研究で示されている。しかし症状が発現している者でこのメカニズムを評価した研究は、著者らによれば今回が初めてである。
著者らは、健常対照者の腹側線条体と内側前頭前皮質はうつ病患者よりも活性化され、その領域での差が症状の重症度に関係しているはずだというこの理論を仮説として立てた。
また、この理論は、判断や抽象的言語ないし視覚処理による交絡がないので、これまでの研究で用いられた理論よりも優れている可能性がある。さらに、うつ病では認知機能も障害されるので、今回の方法論は言語解釈や実行機能の必要も排除できると著者らは述べている。
対照者のほうが活動が大きい
今回の研究では、主診断が大うつ病エピソードである患者16例と、それに年齢・性別をマッチングさせた健常対照者15例を集めた。被験者全員に、『精神障害の診断と統計の手引き第4版』の構造化面接、Snaith-Hamilton Pleasure Scale、ベックうつ病質問票を実施した。
fMRIの実施に先立ち、被験者全員に各自が好きな音楽3、4曲を用意してもらい、それらの曲に「中立」の評価(好きでも嫌いでもない)を与えるように指示した。スキャンの間には、被験者に選んだ曲のそれぞれ最初の3分間を聴かせ、それに評価をつけさせた。曲を聴かせる時と、それぞれの曲を聴かせた後に被験者が評価をする時のスキャン時間は、最大12分間とした。
すると、スキャン中の評価によって測定される好きな曲の快楽度または快楽から中立を引いた快楽度は、2つの群間で有意差がなかった。しかし、fMRIの所見には、対照群と患者群との間で有意差があった。
特に、内側眼窩前頭皮質と側坐核/腹側線条体の活動は対照群のほうがうつ病患者群より強かった。また、右線条体の活動は健常対照群のみで見られた。うつ病患者群では、Snaith-Hamilton Pleasure Scaleがブロードマン10野の活動と正に相関し、右淡蒼球および中側頭回の活動と負に相関していた。
「今回の研究結果により、最近になってうつ病を発症した者の快楽の喪失が、楽しい経験に関与する脳のきわめて特定の箇所に結びついていることが分かった。こうした脳の領域を標的にして治療することができれば、うつ病をもっと早期に、まさしくその根元で治療できる可能性がある」とOsuch博士は述べている。
NeuroReport. 2009;20:1204-1208.
17.ESC会議2009で話題の中心は?
Medscape Medical News2009年9月2日
今年のヨーロッパ心臓病学会(ESC)の最新臨床試験セッションでは、新規の薬剤やデバイスを従来のものと比較する大規模試験のなかで、承認されている既存の療法や治療戦略を使った最適な治療を調べた小規模試験も少し含まれている。heartwireが以前報道した通り、例えばMADIT-CRTやPLATO試験のように強い期待を集めている試験では早期発表しようとする傾向も強まっているので、今年の発表内容について興奮の度合いは減っているかもしれないが、それらだけでなく、参加者はいろいろな試験の重要な詳細を熱心に聞いているとプログラム委員会はheartwireに語った。
会議劈頭の日曜日の「ホットライン」セッションでは、新規と旧来の抗血小板薬の他に、新規の選択的Xa因子阻害薬オタミクサバン(otamixaban)の静注の臨床試験1本と、肝毒性のために中止になったキシメラガトラン(ximelagatran)と同じ薬剤クラスに属するもう一つの直接血小板阻害薬であるダビガトラン(dabigatran)の試験1本が目立っていた。ダビガトランの試験は、脳卒中のリスクが高い心房細動患者を対象にしてワルファリンとダビガトランを比較した1万8000人規模のRE-LY試験である。オタミクサバンの試験は、ACS患者を対象にして、オタミクサバンと未分画ヘパリン(UFH)+エプチフィバチドを比較した3200人規模のSEPIA-ACS1試験であり、TIMIグループが実施している。
ACS患者を対象にして初めての可逆的P2Y12 受容体アンタゴニスト経口薬であるticagrelorをクロピドグレルと比較するPLATO試験の最終結果は、Dr Lars Wallentin(ウプサラ臨床研究センター、スウェーデン)が第1日に発表することになっている。予備的結果は、スポンサーが早い段階で出しており、heartwireが報道した。ESC2009会議のプログラム座長であるDr Fausto Pinto(リスボン大学、ポルトガル)によれば、火曜日に発表されるPLATO試験、RE-LY試験、さらにMADIT-CRT試験のいずれも、臨床現場に大きな影響を与えるものだと期待できる。MADIT-CRT試験の予備的結果もすでに発表されており、heartwireが当時報道した。
プログラム委員会の委員でESC副会長のDr Steen Dalby Kristensen(オルフス大学病院、デンマーク)は、PLATO試験の結果は早期発表にも関わらず十分に興味深いとheartwireに語った。
「この試験は18000人以上の規模であり、非STEMI型からSTEMI型までのACS患者で侵襲的治療と非侵襲的治療の両方の場合というあらゆる患者グループを対象にしている。
強力かつ迅速な抗血小板作用を持つこの可逆的薬剤で出血が増えるかどうかを調べることは、これより強い薬剤による治療もありうるという明らかな問題があるので、重要である。」
Kristensen博士も、25000人規模のACS患者を対象にしてクロピドグレルの標準用量投与、高用量投与および維持用量投与とアスピリンとを比較したCURRENT-OASIS 7試験について言及している。「アスピリンは米国では325から350 mgの用量が用いられているが、ヨーロッパでは75から150 mgまでの間で用いられる傾向がある。これと同じことがクロピドグレルでも言え、我々は伝統的に300 mgの初回投与を用いているが、(この試験では)さらに高用量が用いられている。」その上、現在の臨床ではクロピドグレルを75 mgの維持用量で用いるようになってきている。「維持用量を1日に150 mgという高用量にすると、転帰が改善するかどうかは興味深い問題である。我々はそれについてずっと討論を続けてきたが、この臨床試験でおそらく答えが得られるだろう。」
第2日と第3日
第2日のホットラインのセッションの中心的話題は、プロセスと管理の問題に重点を置いた待機的一次PCIを扱ったNORDISTEMI、PRAGUE-7、TRIANAといった小規模試験と、GRACE登録による左主幹冠動脈ステント留置の分析である。ESC会議のホットラインセッションに薬剤溶出性ステント(DES)の新技術の話題がないのが目に留まるが、これはこの数年間で初めてのことである。最新臨床試験(late-breaking trial)のセッションで新しいDESを取り上げたのは、唯一、ISAR-TEST-4試験のみであり、ステントの各種の「リムス」薬を、永久ポリマー被覆のあるものとないものとで、3元ランダム化で比較した。
第3日の火曜日の最後のホットラインセッションは、心不全、高血圧、不整脈の研究が取り上げられた。取り上げられた研究は、AF患者を対象にしてイルベサルタン(irbesartan)を調べた9000人規模のACTIVE I試験、管理していない高血圧患者を対象にバルサルタン(valsartan)の効果を調べた3000人規模のKYOTO Heart Study、腎障害を伴う急性心不全患者におけるロロフィリン(rolofylline)を評価したPROTECT試験などである。デバイス方面では、ヨーロッパCRT調査とドイツPreSCD II登録の最新データの発表と、Dr Arthur Moss(ロチェスター大学、ニューヨーク)によるMADIT-CRT試験の最終結果の発表がある。
Pinto博士は、このプラグラムで何か聴衆を驚かせるようなことがあるかという質問に対して、「最終結果を待ってください」と答えた。
ホットラインの概要
Pinto博士はheartwireに対して最新臨床試験(late-breaking-trial)のセッション以外のプログラムの重要項目をいくつか挙げている。
・3日間(日、月、水曜日)にわたって開かれる臨床試験最新情報(Clinical-trial-update)
のセッションでは、クロピドグレルまたはプラスグレル(prasugrel)とプロトンポンプ阻害薬、心房細動に対するスタチン類、血流予備量比、さらにはイバブラジン、ロシグリタゾン、ビバリルジンといった新旧薬剤の注目の話題の情報が提供される。
・ESCの新ガイドラインに関して、高血圧から失神まであらゆる項目を取り上げている各セッション。
・臨床の実践に直接的に関係する「循環器内科でもっとも展開の速い分野」の概観。
・20以上のセッションに割り当てられた基礎研究の臨床への意義による、応用への新たな筋道。
・腫瘍薬の循環器系への作用といった 問題を調査する、ヨーロッパ臨床腫瘍学会など関連緒学会との新しい合同セッション
・ESCの編集委員ネットワークが、国内の循環器系学術誌でのもっとも課題の大きい話題に ついて論じる「編集委員に会う(Meet the Editors)」という新しいセッション。
・WHFの前会長であるDr Philip Poole Wilsonを追悼する心不全の特別講演。
臨床試験最新情報のセッションについてPinto博士は、「『European Heart Journal』がこうした臨床試験について速報レビューと同時にオンライン版に載せるのは初めてのことだ」と語った。
18.Swine Flu May Be Less Dangerous Than Predicted: Study
Researchers challenge 'superbug theory' in animal tests using three flu strains
HealthDay News2009年9月1日
Fears that the H1N1 swine flu will turn into a "superbug" this year may be unfounded, say researchers at the University of Maryland.
In laboratory tests, the virus responsible for the swine flu pandemic did not take a virulent turn when combined with other strains of seasonal flu. But it did spread more rapidly than the other viruses, confirming the need for swine flu vaccinations, the researchers said.
The researchers exposed ferrets to three different viruses, the H1N1 swine flu and two seasonal strains of flu. The H1N1 strain dominated the others, reproducing by about twice as much, the researchers reported online in the journal PLoS Currents.
"The H1N1 pandemic virus has a clear biological advantage over the two main seasonal flu strains and all the makings of a virus fully adapted to humans," Daniel Perez, the lead researcher and program director of the University of Maryland-based Prevention and Control of Avian Influenza Coordinated Agricultural Project, said in a Sept. 1 university news release.
"I'm not surprised to find that the pandemic virus is more infectious, simply because it's new, so hosts haven't had a chance to build immunity yet. Meanwhile, the older strains encounter resistance from hosts' immunity to them," Perez added.
In the lab tests, after being infected with the new swine flu virus and one of the more familiar seasonal viruses (H3N2), some of the ferrets developed intestinal illness in addition to respiratory symptoms. The researchers hope further studies will determine if this type of co-infection and multiple symptoms are behind some of the deaths caused by the new pandemic virus.
Also, the swine flu virus caused infections deeper in the ferrets' respiratory system than the H1 and H3 seasonal viruses, which remained in the nasal passages.
"Our findings underscore the need for vaccinating against the pandemic flu virus this season," Perez said. "The findings of this study are preliminary, but the far greater communicability of the pandemic virus serves as a clearly blinking warning light."
Perez's team used samples of the H1N1 pandemic variety from last spring's initial outbreak of swine flu. They believe theirs is the first study to look at how swine flu interacts with seasonal flu viruses.
Another hopeful sign that the swine flu pandemic might be milder than predicted came last month from two infectious-disease experts at the U.S. National Institute of Allergy and Infectious Diseases.
Drs. David Morens and Jeffery Taubenberger challenged the notion that a mild flu in the spring can herald a more severe resurgence in the fall, a theory that has some scientists predicting a potentially dangerous swine flu resurgence this fall.
"Pandemic history suggests that changes neither in transmissibility nor in pathogenicity are inevitable," concluded Morens and Taubenberger in an article published in the Aug. 12 issue of the Journal of the American Medical Association.
Looking at the 1918-19 Spanish flu, which is thought to have killed 20 million to 40 million people worldwide, the researchers said the course of that illness varied greatly globally. They found no proof that it began in the spring with a less severe wave of infection and became more lethal through the summer as it picked up mutations.
They also studied 14 major flu epidemics dating to the 16th century and found no evidence supporting the "herald waves" theory.
Overall, "examination of past pandemics reveals a great diversity of severity," they said. "Some newer evidence [is] casting doubt on original herald wave theories."
19.Reflux Drugs OK With Blood Thinners
Taking antacids with anti-clotting drugs doesn't change outcomes after a heart attack, researchers find
HealthDay News2009年9月1日
Antacids don't interfere with anti-clotting drugs such as Plavix and Effient in patients who have suffered a heart attack or unstable angina, a new study finds.
The results counter other studies that concluded that a class of antacids known as proton pump inhibitors (PPIs) could block the effect of anti-clotting drugs. Doctors often prescribe PPIs along with anti-clotting drugs to reduce the risk of gastrointestinal bleeding.
"The current findings provide some reassurance to clinicians that PPIs and clopidogrel [Plavix] can be safely combined in patients in whom there is a strong indication to use both drugs," said lead researcher Dr. Michelle O'Donoghue, an investigator in the TIMI Study Group at Brigham and Women's Hospital in Boston.
As to why the findings differ from earlier results, O'Donoghue said the answer may lie in the patients themselves and in the type of data analyzed.
"Patients who are treated with a PPI may differ quite markedly from other patients," she said. "In particular, there is concern that PPIs are often administered to sicker patients and that this may help to explain why patients on a PPI seem to do more poorly than other patients."
In the current study, the researchers adjusted for these differences, O'Donoghue said.
"Another advantage of the current study is that it was done within the confines of a clinical trial," she said. "In a clinical trial, all endpoints are strictly defined and adjudicated so there may be less of a risk for bias."
The report is published in the Sept. 1 online edition of The Lancet, to coincide with the presentation of the results Monday at the European Society of Cardiology Congress in Barcelona.
For the study, O'Donoghue's group looked at the effects of PPIs like Prilosec in two trials, the TRITON-TIMI 38 trial and a smaller trial. In the TRITON-TIMI 38 trial, researchers randomly assigned 13,608 patients to clopidogrel (Plavix) or prasugrel (Effient) after having a heart attack or unstable angina.
Giving the PPIs in combination with anti-clotting drugs did not increase the risk of death, heart attack, or stroke, the researchers concluded.
"We did not find use of a PPI to be associated with a higher risk of cardiovascular events for patients taking either clopidogrel or prasugrel," O'Donoghue said.
Dr. Dirk Sibbing, from the Technische Universitat Munchen in Germany and co-author of an accompanying commentary, said this study shows that PPIs affect the anti-clotting drugs, but not patient outcomes.
"It seems that patients who carry a risk profile comparable to that of patients enrolled in TRITON-TIMI 38 can be safe on PPI treatment as long as compliance to regular anti-platelet drug intake is well-controlled," Sibbing said.
However, cautions should remain for high-risk patients and those who are less responsive to Plavix, Sibbing said. Also, he said he believes that for some patients taking Effient and PPIs, the combination may be harmful, he said.
"In any case, monitoring of compliance to anti-platelet treatment is mandatory in all patients, but specifically in the group of patients under concomitant PPI treatment," Sibbing said.
"Specific studies, however, are warranted in this group of patients to clarify this issue," he said.
O'Donoghue doesn't disagree. "In the end, only a randomized clinical trial can definitively demonstrate the safety of combining these two classes of drugs," she said.
20.Key Protein May Link Obesity, Diabetes, Heart Woes
Molecule in fat tissues spurs chronic inflammation that gives rise to disease, researchers say
HealthDay News2009年9月1日
Researchers say they know why obesity leads to diabetes and cardiovascular disease, a finding that may help experts target therapies to limit the health impact of being very overweight.
A Japanese team discovered a protein that causes ongoing, low-grade inflammation within fat tissues, which contributes to the health consequences that come with obesity, said Yuichi Oike of Kumamoto University in Japan.
The report appears in the Sept. 2 issue of Cell Metabolism.
The culprit Oike's team identifies is a fat-derived protein called angiopoietin-like protein 2, or Angptl2. In mice, Angptl2 levels are elevated in fat tissue. Those levels increase even more in the oxygen-deprived conditions typically found within obese fat tissue.
Higher Angptl2 levels are also found in the blood of people with higher body mass index and insulin levels.
Obese mice lacking Angptl2 show less inflammation in their fat tissue and are less insulin resistant, the researchers report. Likewise, otherwise healthy mice made to have higher than normal Angptl2 levels in their fat tissue develop inflammation and insulin resistance.
Angptl2 starts an inflammatory cascade, causing blood vessels to remodel and attracting immune cells called macrophages, they note.
The researchers concluded that Angptl2 is a new molecular target that could be used to improve the diagnosis and treatment of obesity and related metabolic diseases.
21.新型インフルエンザに関する報道発表資料
厚生労働省2009年9月2日
新型インフルエンザ患者が集中治療室を利用した症例について(大阪府)
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/houdou/2009/08/dl/infuh0901-04.pdf
感染症法に基づく急性脳炎としての届出が行われた新型インフルエンザ患者について(京都府)
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/houdou/2009/08/dl/infuh0901-03.pdf
感染症法に基づく急性脳炎としての届出が行われた新型インフルエンザ患者について(栃木県)
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/houdou/2009/08/dl/infuh0901-02.pdf
新型インフルエンザ重症患者の発生について
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/houdou/2009/08/dl/infuh0901-01.pdf
22.新型インフルエンザA(H1N1)の治療
国立感染症研究所感染症情報センター2009年9月2日
抗インフルエンザ薬
新型インフルエンザウイルスA(H1N1)に対して、リン酸オセルタミビル(商品名:タミフル)、またはザナミビル(商品名:リレンザ)などのノイラミニダーゼ阻害剤は効果が期待されるが、アマンタジン(商品名:シンメトレル)またはリマンタジン(国内未承認)は耐性遺伝子が確認されており、推奨されていない。抗ウイルス薬の効果に関しては、新型インフルエンザA(H1N1)に関する知見は限られているが、季節性インフルエンザでは、早期投与により有症状期間を短縮することや、重篤な合併症を防ぐ可能性が報告されており、これらに準じるものと考えられる。有症状期間の短縮は1日前後との報告が多い1)。
また肺炎、脳症などを予防できるとする十分なエビデンスはない。新型インフルエンザA(H1N1)ウイルスに感染したほとんどの症例は、合併症なく短期間で治癒していることと合わせ、生来健康で合併症のリスクが少ない場合には、抗インフルエンザ薬は推奨しないとするガイダンスも多い。米国CDCでは合併症のリスクが高い場合や、入院を要するケースに対しての投与を勧めている2)(「臨床像」の表参照)。WHO(世界保健機構)も合併症のリスクが高い群に対して早期からの投与を推奨している3)。国内では多くの患者に対して抗インフルエンザ薬が投与されているが、投与のタイミング、副作用、耐性の出現、国内備蓄量の限界などの要素を勘案し、投与の必要性を慎重に決定すべきである。
投与量、投与方法
現在までの知見では、季節性インフルエンザと同様に考えていくことが妥当である。具体的な投与量に関しては薬剤の添付文書などを確認されたい。ただし、重症例に対して通常量の倍量を投与している報告もある4)。なおリン酸オセルタミビル(商品名:タミフル)に関しては、10歳以上の未成年者における異常行動との関連について議論がある。この点に関しては日本小児科学会が、1歳未満を含め、治療の有益性が危険性を上回ると判断された場合、患者・両親の承諾の下で使用することは可能との提言を発表している5)。
その他の治療
1. 解熱剤
発熱に対する解熱剤(アセトアミノフェンなど)や、脱水症状への補液などの対症療法は、必要に応じて行う。サリチル酸(アスピリンやアスピリン含有薬剤など)やジクロフェナクナトリウム(商品名:ボルタレンなど)やメフェナム酸(商品名:ポンタールなど)は、季節性インフルエンザにおいて、ライ症候群のリスクや急性脳症発症時の致死率の上昇と関連している可能性が指摘されている6)ため、15歳未満には使用すべきではない。
2. コルチコステロイド
インフルエンザ脳症ガイドライン7)において、インフルエンザ脳症の特異的治療として、オセルタミビルやγ-グロブリン大量療法と合わせ、メチルプレドニゾロン・パルス療法が推奨されている。これは季節性インフルエンザによる脳症に対する推奨であるが、現時点では新型インフルエンザによる脳症においても同様に考えることが妥当と思われる。なお、米国からの報告ではステロイドは使用していないようである8)。
一般的にARDSに対するステロイドの使用は否定的な見解が多くなってきている。発症早期での投与や高用量投与は予後を改善しないことがすでに示されている9)。発症から1週間以上経過してからの中用量長期治療が期待されたが、大規模試験ではこれを肯定する結果は得られていない10)。感染症に伴うショックについても、相対的な副腎不全を補うためのステロイド投与についてさまざまな検討が行われてきたが、大規模試験ではステロイド投与群の予後は改善しなかった11)。これらの結果からは、ARDSや感染症に伴うショックにおけるステロイドの役割は、あったとしてもごく限定的なものと考えられる。
3.抗菌薬治療
肺炎等の予防を目的として抗菌薬を投与すべきではない。肺炎を呈しており、細菌感染の合併が疑われるようなケースにおいては市中肺炎に準じて、抗菌薬を使用する。新型インフルエンザA(H1N1)感染後には、黄色ブドウ球菌による重篤な肺炎をきたすことがあり注意を要する12)。
妊婦に関して
妊婦は、新型インフルエンザA(H1N1)感染によって肺炎などの合併症のリスクが特に妊娠後期に高くなることが知られている13)。WHOは、妊婦に対しては速やかにリン酸オセルタミビル(商品名:タミフル)を投与することを勧めている14)。薬剤の安全性は比較的高いものと考えられており、日本産婦人科学会では、服用による利益は、可能性のある薬剤副作用より大きいと判断している15)。
文献)
1)Jefferson T, Demicheli V, Rivetti D, Jones M, Di Pietrantonj C, et al. Antivirals for influenza in healthy adults: systematic review. Lancet 206;367:303-313
2)Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Interim Guidance on Antiviral Recommendations for Patients with Novel Influenza A (H1N1) Virus Infection and Their Close Contacts
3)WHO Guidelines for Pharmacological Management of Pandemic (H1N1) 2009 Influenza and other Influenza Viruses (Publication date: 20 August 2009)
4)Centers for Disease Control and Prevention (CDC).Intensive-Care Patients With Severe Novel Influenza A (H1N1) Virus Infection --- Michigan, June 2009
5)日本小児科学会 新型インフルエンザにおける小児科診療に関する提言
6)厚生労働省 インフルエンザによる発熱に対して使用する解熱剤について(医薬品等安全対策部会における合意事項)
7)厚生労働省インフルエンザ脳症研究班 インフルエンザ脳症ガイドライン.
8)Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Neurologic Complications Associated with Novel Influenza A (H1N1) Virus Infection in Children --- Dallas, Texas, May 2009. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2009;58(28):773-778
9)Bernard GR, Luce JM, Sprung CL, et al. High-dose corticosteroids in patients with the adult respiratory distress syndrome. N Engl J Med. 1987;317:1565-1570.
10)Steinberg KP, Hudson LD, Goodman RB, et al. Efficacy and safety of corticosteroids for persistent acute respiratory distress syndrome. N Engl J Med 2006;354(16):1671-84.
11)Sprung CL, Annane D, Keh D, et al. Hydrocortisone therapy for patients with septic shock. N Engl J Med 2008;358(2):111-24.
12)Clinical management of human infection with new influenza A(H1N1) virus: initial guidance. 21 May 2009
13)Jamieson DJ, Honein MA, Rasmussen SA, et al. H1N1 2009 influenza virus infection during pregnancy in the USA. Lancet 2009; 374: 451-458.
14)World Health Organization, Pandemic influenza in pregnant women, 31 JULY 2009
15)日本産婦人科学会、新型インフルエンザ(H1N1)感染に対する対応Q&A (医療関係者対象)
23.新型インフルエンザA(H1N1)の診断ガイダンス
国立感染症研究所感染症情報センター2009年9月2日
診断の基本的な考え方
新型インフルエンザA(H1N1)は、診断過程において臨床症状や身体所見から季節性インフルエンザとの鑑別は不可能である。また、下記に述べているようにいわゆる迅速診断キットの性能は病原診断として完璧なものではないという認識を持って使用すべきものである。RT-PCR検査はより性能が高いものであるが、日常的な検査法でないことは言うまでもない。
新型インフルエンザA(H1N1)の診断においては、地域や職場、家庭内、学校における流行の状況ならびに有症状者との接触の有無、程度を勘案し、迅速診断キットの結果にかかわらず、臨床的な総合診断を中心にするという診療スタンスが望ましい。また、インフルエンザ以外の発熱や呼吸器症状をきたす疾患である可能性についても常に念頭に置く必要がある。
迅速診断キット
迅速診断キットは感度がそれほど高くはないため、その結果が陰性でもインフルエンザ感染を否定することはできない。米国からの報告では新型インフルエンザA(H1N1)に対する感度は40~69%とされている1)。国内では、2009年5月の神戸・大阪での調査から53.5~77%と報告されている2,3)。検査結果に影響を与える要因としては、発症から検体採取までの期間、検体採取部位、年齢、メーカーによる違いなどが考えられている。発症翌日に検体が採取された場合に感度が高いとされているが、それでも40~80%程度である2,3)。発症当日や発症後数日以降に採取された場合はさらに感度が下がる。採取部位による違いに関して新型インフルエンザA(H1N1)でのデータはないものの、季節性インフルエンザでは鼻腔からの検体採取が勧められている4)。小児では、成人よりも感度が若干高いかもしれない。特異度に関しての十分なデータはないものの、ある程度高いものと考えられている。米国CDCが示す迅速診断キット使用のアルゴリズム5)を図に示す。
無症状者に対して迅速診断キットを使用した場合には、その意結果が陽性であってもその意義は不明であり、また陰性であっても今後の発症を保証するものではなく、臨床上の有用性はほとんどない。
RT-PCR検査
診断のゴールデンスタンダードと考えられているRT-PCR検査であるが、横浜市衛生研究所からの報告6)にあるように、RT-PCR検査が陰性であってもウイルスが分離された症例が複数認められている。また、米国では、複数回にわたりRT-PCR検査が提出されて初めて診断のついた症例も経験されているとのことである。検体採取時や保存時の条件等により、RT-PCR検査が偽陰性を示す可能性があることに留意すべきである。RT-PCR検査に要する費用や検査スタッフの負担も決して小さくはないため、施行する際にはその必要性を充分検討するとともに、治療方針の決定は、検査結果のみにとらわれることなく、包括的な臨床診断によるべきである。
文献)
1)Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Evaluation of Rapid Influenza Diagnostic Tests for Detection of Novel Influenza A (H1N1) Virus --- United States, 2009. MMWR Morb MortalWkly Rep. 2009;58(30):826-829
2)国立感染症研究所感染症情報センター:2009年5月19日現在の神戸市における新型インフルエンザの臨床像(暫定報告)
3)国立感染症研究所感染症情報センター:大阪における新型インフルエンザの臨床像 (第二報)
4)Seasonal Influenza in Adults and Children-diagnosis, Treatment, Chemoprophylaxis, and Institutional Outbreak Management: Clinical Practice Guidelines of the infectious Diseases Society of America. Clin Infect Dis 2009; 48: 1003-1032.
5)Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Interim Guidance for the Detection of Novel Influenza A Virus Using Rapid Influenza Diagnostic Tests, August 10, 2009.
6)IASR速報 ウイルス分離により確認された新型インフルエンザの国内初症例について―横浜市
http://fcm-news.blog.so-net.ne.jp/2009-09-02