美容の極み

"メディカル情報をもしもの時の備えに。 医療情報をチェックチェック!"

Sep 16, 2009
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1.新型インフル、札幌市が注意報 道内初の発令
2.北海道招待旅行で医師確保 北海道・赤平総合病院
3.新型インフルエンザA/H1N1 輸入ワクチンの1つが国内で治験入り
4.無煙タバコも心筋梗塞死亡と脳卒中死亡のリスクを高める
5.日常診療のピットフォール 急速に進んだ認知障害―認知症か、器質的疾患か?
6.新規第Xa因子阻害薬otamixaban、非ST上昇急性冠症候群の虚血イベントを抑制
7.ラルテグラビルは、未治療HIV-1感染患者の1次治療の併用薬として有用
8.単価H1N1ワクチンの単回接種は免疫原性がある模様
9.JUPITER試験において高齢患者にスタチン療法が奏効
10.心臓以外の外科手術に関する初めてのESCガイドラインがベータ遮断薬の使用を支持
11.医療事故情報収集等事業医療安全情報[No.34] 電気メスによる薬剤の引火
12.新型インフルエンザの流行に伴う診療報酬上の臨時的な取扱いについて
13.新型インフルエンザに関する報道発表資料
14.プレスリリース
1) FDA Requires Boxed Warning for Promethazine Hydrochloride Injection
2) FDA Approves Vaccines for 2009 H1N1 Influenza Virus
3)ファイザーなど、50歳以下のCOPD患者の呼吸機能低下をスピリーバが抑制などデータ解析結果を発表
4)東北大学とヤマハ発動機、「二輪車乗車と脳の活性化の関係」で研究開始
5)TomoTherapy社、東京の江戸川病院に2機目の放射線治療システムを導入―導入事例の増大により、日本は、TomoTherapy社の世界第2の市場に
6)ユーズテックDICOM画像検像システム「Rad ACE(ラド エース)」発売
7) 東芝メディカルシステムズ 多様な検査に対応したCアーム型X線TVシステム「Ultimax-i」の販売を開始
8) レールダル メディカル ジャパンの新しい心肺蘇生教育キット「MiniAnne(ミニアン)」が東京都の認定受ける
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1.新型インフル、札幌市が注意報 道内初の発令
北海道新聞社2009年9月17日

 札幌市保健所は17日、市内の新型インフルエンザの感染拡大で、今後の流行に注意を促す「注意報」を道内で初めて発令した。7~13日の1週間の1定点医療機関当たりの患者数(速報値)が、発令基準の10人を超えて12・0人となったため。
 調査は同保健所が市内の56医療機関に行っている。新型と季節性を区別していないが、ほとんどが新型とみられる。前週の患者数は道内各保健所管内で最多の8・14人だったが、1週間で約1・5倍に増えた。
 同保健所によると、市内での集団発生は16日までに196施設に上っており、大半が教育関連施設。


2.北海道招待旅行で医師確保 北海道・赤平総合病院
産経新聞社2009年9月17日

医師不足に悩む北海道赤平市の市立赤平総合病院(内山久士院長)が、東京など首都圏の医師を対象に病院視察のほか近隣の富良野市、旭山動物園(旭川市)など観光地も招待するツアーを行っている。目的は医師確保で、周辺の環境も紹介し地域に定着させることが狙いだ。医師不足は全国共通の課題だが、招待旅行まで企画している自治体病院は全国でも珍しいという。都会の医師を呼び込むことができるか-。
 北海道中央部に位置する赤平市は石炭産業で栄え、ピーク時は約5万9千人の人口を擁したが、現在は1万3千人台まで減少。市財政は「財政再建団体となった夕張市に次いで厳しい状態」(市担当者)という。
 同病院は医師不足と経営悪化の悪循環に陥った。大学からの医師派遣が減り、平成16年には18人いた医師は昨年は9人に減少、産婦人科は休診。患者の受け入れを制限せざるを得ないため経営悪化に拍車をかけ、市財政を圧迫している。
 同病院は医師確保策の一つとして昨年7月「体験視察会」を始めた。医師1人の交通費、宿泊費、食費を病院が負担し2泊3日で病院や市内を視察してもらうほか周辺観光地も案内。短期、長期滞在も応じる。
視察会には1年間で男性医師3人が参加。内科医、整形外科医の2人が採用され、1人が検討している。
 同病院の東元紀参事は、臨床検査技師で心電図、血液検査などが本来の仕事だが、病院の危機に医師確保策業務を優先する。「高齢化率も高い地域。高齢者の話をじっくり聞き、リウマチや糖尿病治療などに得意分野を持っている方がありがたい。3~5年と長期間働いてもらえれば」と話している。
【問い合わせ】0125-32-3211


3.新型インフルエンザA/H1N1 輸入ワクチンの1つが国内で治験入り
日経メディカル2009年9月17日

アジュバントを添加した細胞培養ワクチン
輸入ワクチンの1つであるノバルティスファーマの新型インフルエンザワクチン(海外での製品名はCeltura)の国内での治験が始まった。9月17日、鹿児島市内の治験専門クリニックでは、健常成人25人がワクチンの接種を受けた。
 被験者は、治験専門クリニックのボランティア組織にあらかじめ登録している人の中から募集した。「通常は、被験者の登録に時間がかかることもあるが、今回はすぐに集まったのですぐに募集を締め切った」と、同クリニックの院長は話す。
 ノバルティスファーマのワクチンは、新型インフルエンザウイルスA/California/07/2009株由来のサブユニットワクチンだ。ウイルスをMDCK細胞(イヌの腎臓由来の培養細胞)で培養後に不活化し、HA表面抗原だけを取り出して、アジュバントとしてMF-59を加えたもの。MF-59は、スクアレン、ポリソルベート80、トリオレイン酸ソルビタンを成分とするoil-in-water型の乳剤だ。
 国内では、健常成人200人を対象に2カ所の医療機関で治験を行う。被験者は、7.5μgの抗原にアジュバントを加えたワクチン、または3.75μgの抗原にアジュバントを加えたワクチンを21日間隔で2回接種。安全性、有効性、接種回数、用量を検討する。
 治験では、被験者から1回目の接種前、2回目の接種前、2回目の接種から21日後の合計3回、血液を採取して血清中の赤血球凝集抑制抗体価を解析する。インフルエンザウイルスは赤血球凝集能を持っているが、血清中の抗体によって赤血球凝集能が抑制される。一般的に、赤血球凝集抑制抗体価が40倍を超えていると感染防御が期待できるとされており、治験ではその割合を評価する。
 成人を対象とした治験において、急性期に起きる副反応などの安全性に問題がないと判断されれば、ノバルティスファーマは小児120人を対象とした治験もスタートさせる。成人の治験は11月に、小児の治験は12月に終了予定だ。
 同社は現在、厚労省とワクチンの輸入について交渉を進めている。まだ契約はまだ成立していないが、成立すれば、国内治験のデータと、海外で行われている治験のデータを合わせて厚労省に提出し、審査の一部を省略して、年内にも承認される可能性が高い。


4.無煙タバコも心筋梗塞死亡と脳卒中死亡のリスクを高める
日経メディカル2009年9月17日

(BMJ誌から)欧州や北米で市販されている製品での検討
世界的に、特に若い世代において、噛みタバコ、嗅ぎタバコといった無煙タバコ製品の使用が増えている。フランス癌研究所のPaolo Boffetta氏らは、メタ分析を行い、無煙タバコの使用が心筋梗塞死亡と脳卒中死亡のリスクを有意に高めることを明らかにした。詳細は、BMJ誌2009年8月29日号に報告された。
 無煙タバコが人に対する発癌性を持つことは明らかだが、それ以外にも、心筋梗塞、脳卒中、不妊などに対する影響が懸念されている。罹患率と死亡率が高い心血管疾患との関わりを明らかにすることが重要と考えた著者らは、観察研究の系統的レビューとメタ分析を行った。
 PubMed、ISI Web of Scienceに登録された研究の中から、無煙タバコ製品の使用と心筋梗塞、脳卒中リスクの関係を定量的に推定した研究を探した。アジアで流通している無煙タバコは、欧州や北米で市販されている製品とは異なるため、アジアで行われた研究は除外した。
 スウェーデンで行われた8件と米国で行われた3件、計11件の研究(論文は10本)を選出。対象者は主に男性だった。8件は前向きコホート研究、3件は集団ベースのケースコントロール研究で、9件は喫煙歴のない人々のみを対象にしており、2件は過去に喫煙歴がある人も含めていた。
 ランダム効果モデルを用いてサマリー相対リスクを求めた。
 あらゆる心筋梗塞のリスクについて分析していたのは、9件の研究。無煙タバコ製品の使用歴と心筋梗塞リスクの間に有意な関係は見られなかった(使用歴なし群と比較した相対リスクは0.99、95%信頼区間0.89-1.10)。無煙タバコの現在の使用者に限定しても、相対リスクは1.03(0.91-1.17)で有意差なし。
 致死的心筋梗塞について分析していたのは8件の研究。無煙タバコ製品の使用歴がある人々の相対リスクは1.13(1.06-1.21)と有意で、リスク上昇は現在の使用者のみに見られた(1.17、1.09-1.25)。過去の使用者では0.76(0.58-0.99)だった。
 あらゆる脳卒中について分析していたのは、6件の研究。無煙タバコ使用歴あり群のリスクは1.19(0.97-1.47)で、差は有意ではなかった。
 致死的脳卒中について分析していたのは5件。無煙タバコ使用歴あり群の相対リスクは1.40(1.28-1.54)と有意に高く、現在の使用者は1.44(1.31-1.59)、過去の使用者は0.86(0.26-2.79)となった。
 スウェーデンで行われた研究と米国で行われた研究を別個に分析しても、致死的な心筋梗塞と脳卒中による死亡リスクには有意な上昇が見られた。
 心筋梗塞または脳卒中による死亡と、無煙タバコ製品の使用頻度または使用期間の関係についてのデータは限定的にしか得られず、強力な用量反応関係は見出せなかった。
 人口寄与割合を推定したところ、無煙タバコの使用は米国の心筋梗塞死亡の0.5%、スウェーデンでは5.6%に寄与しており、脳卒中死亡におけるその割合はそれぞれ1.7%と5.4%になった。
 以上のように、無煙タバコ製品の使用と致死的心筋梗塞、致死的脳卒中リスクの関係が示唆されたが、リスク上昇幅はさほど大きくなかった。今後さらに研究を進めて、無煙タバコ製品の作用機序を明らかにする必要がある、と著者らは述べている。
 原題は「Use of smokeless tobacco and risk of myocardial infarction and stroke: systematic review with meta-analysis」


5.日常診療のピットフォール 急速に進んだ認知障害―認知症か、器質的疾患か?
日経メディカル2009年9月17日

大原綜合病院(福島市)救急症例検討会より
主訴 84歳、女性。認知障害。
 約3カ月前から布団に横になることが増え、デイサービスに行っても翌日にはそのことを覚えていないなど、物忘れがひどくなった。便失禁も頻回に認められた。また、息子を認識できず、体を動かしたがらなくなった。家族が近医を受診させたところ、精神科への受診を勧められた。患者は息子とともに車椅子で来院した。
・大原綜合病院(福島市) 救急症例検討会
・プログラム責任者:星野正美(副院長)
・症例提示:柳川明弘(2年次研修医)、鈴木喜明(指導医)
・出席者:研修医A、B、C
・研修医対象のカンファレンスで、月1回開催。同院研修医が体験した救急症例を題材とし、鑑別までの流れを学ぶことを目的としている。
柳川 84歳女性です。付き添ってきた息子さんの話では、急に認知障害が進んだということでした。診断する上で何に注意すべきでしょうか。
研修医A 認知障害が進んだということは、脳に原因があると思うので、まず最初に神経学的な診察をします。あとは問診で病歴、外傷の有無や返答内容、または血栓や塞栓が疑われるエピソードがないかを聞きます。
柳川 そうですね。認知障害と関連する状態として、加齢による、いわゆる老人性の認知症と、せん妄、うつ病による仮性認知症が挙げられます。これらの精神症状の違いに留意した上で、問診を行いました。
 既往歴ですが、22年前に胃癌のため胃を全摘出しています。2009年2月に脳梗塞で入院し、その後定期的に外来を受診していました。以前から認知障害はあったものの、そこでは加齢によるものだと言われていたそうです。糖尿病や高血圧、心疾患の既往はないようです。ただ、息子さんは一緒に暮らしているわけではないので、本人の加療歴や内服薬についてはよく分からないとのことでした。
 普段は家の中で過ごしていることが多く、たまに散歩に出かけていました。身の回りのこともある程度自分ではしていて、週に1回デイサービスに通っていました。しかし、最近は食事を取っているかも不明で、薬も過量服用か飲み忘れをしていた可能性があるようです。夜間不穏、暴力、徘徊、不眠などは、息子さんが見る限りないということでした。
鈴木 初診時のバイタルサインはどうでしたか。
柳川 体温は36.5℃、血圧は150/80mmHg、脈拍数は76回/分です。長谷川式簡易知能評価スケールが30点中3点と認知障害を認めました。質問に対しては答えるものの、答えは的を射ず、見当識障害も認めました。不安、焦燥、心気症状などは見られませんでした。表情は笑顔でしたが、乏しく見受けられました。
研修医A 外傷はありますか。
柳川 一人暮らしなのではっきりとは分からないそうです。ただ、息子さんの話では、以前はゆっくりであれば歩いていましたが、最近はちょっと右足を引きずっていたかもしれないということで、右不全麻痺の存在も否定できません。
検査値は異常なし
柳川 認知症を疑う場合は、まずその経過が慢性か急性かが重要となります。では次に、何を鑑別に挙げ、どのような検査をしたらよいでしょうか。
研修医B 脳血管障害や脳腫瘍などがないかを画像診断で調べる必要があります。また、アルコールの影響などがないかどうかや、睡眠障害、内分泌代謝疾患などの可能性も検討すべきだと思います。
 脳の疾患であればハンチントン氏病、アルツハイマー病、進行性核上性麻痺などの変性疾患や、脳出血、脳梗塞、慢性硬膜下血腫などの脳血管障害。内分泌代謝疾患であれば、尿毒症や肝性脳症、クッシング、あとは可能性は低いかもしれませんが、社会不安障害(SAD)や神
経ベーチェットの可能性も考えられるのではないかと思います。
柳川 ほかに何か確認しなければいけない疾患はありますか。
研修医C 甲状腺の機能低下でも活動性が鈍り、うつ病や認知症のような症状が見られます。
研修医A ビタミン欠乏症、ウェルニッケ脳症、ペラグラなどでも同様の症状を来すといわれています。ほかにも酸素欠乏性の認知症ということで、心不全などでも同様の症状が見られるということです。感染性の脳炎や髄膜炎、外傷、アルコール、有機溶剤による中毒でも、認知症様の症状を来すことがあります。
星野 これらを踏まえて、血液検査と尿検査の結果はどうでしたか。
柳川 肝機能、腎機能は問題ありませんでした。直接ビリルビンは0.46mg/dLと、軽度上昇しています。また、カリウムの値が3.0mmol/Lと低く、軽度の貧血が認められました。ただし、以前の状態が分かっていないのと、年齢も考慮すると、急激に低下したのかどうかは評価できません。
 尿検査の結果は、pH7.0、尿蛋白(±)、尿糖(-)、ケトン体(2+)、尿潜血(±)、ウロビリノーゲン4.0、ビリルビン(-)、白血球(±)でした。軽度の尿中ケトン体が出ていますが、食事をしていなかった可能性もあるので、その影響とも考えられます。これらのデータは急性の認知障害の原因とは考えにくいです。
頭部CTで血腫を認める
柳川 次に、胸部のX線写真を見て言えることはあるでしょうか。
研修医C 肺動脈径系が肋間より細いので、肺動脈の拡大はないと思います。大動脈の石灰化が見られますが、肺炎や腫瘍を疑わせる所見は認められません。心胸郭比(CTR)で心拡大は認められず、腹水などの心不全徴候もないように思います。
柳川 はい。特に心不全を疑う所見は認めませんでした。次に頭部CTの結果です。
研修医A ミッドラインシフトが見られ、頭蓋骨と脳実質との間にほぼ等吸収域の三日月状の血腫が認められます。また、脳溝の消失や、脳室の圧迫、変形、偏位などが見られるので、慢性硬膜下血腫の可能性が高いと思います。
柳川 実はMRIの空きがあったので、順序は逆になるのですが先にMRI検査を行いました。T1強調画像では、やや高信号域で三日月状の陰影を認めました。T2強調画像では、低信号域または一部高信号域になっているものがあり、慢性硬膜下血腫の所見を確認できました。
 慢性硬膜下血腫は、頭部外傷後にクモ膜と硬膜との間の脳漿の髄液などと混ざった血性貯留液が徐々に被膜を形成し、血腫が慢性的に形成されたものです。通常、男性に多く、高齢者や出血傾向のある人、アルコール多飲者に多いといわれています。
 臨床症状としては、頭蓋内圧の亢進症状、風邪も引いていないのに頭痛を訴える、悪心・嘔吐を認める、不全片麻痺症状を認めることがあります。不全片麻痺症状は、片方の手足がしびれる、はしやコップを落とす、つまずきやすい、うまく歩けないなどです。特に高齢者の場合は、認知障害が初発にあることが多いのが特徴です。早期に発見し、適切な治療を行えば、回復可能な認知症の一つと見られています。
星野 治療経過はどうなりましたか。
柳川 他院の脳外科に紹介し、同日穿頭ドレナージ術を施行しました。術後、症状は速やかに改善し、経過も良好で、3日後に退院となりました。以後、同院で経過観察されています。
 退院前にもう一度長谷川式簡易知能評価スケールを行ったところ、30点中4点でした。しかし、点数の低さと重症度の相関はないということと、以前から認知障害が認められていたこともあり、状態が悪化したわけではないと思われます。しかし、右不全麻痺はほぼ改善し、歩行も安定しました。表情も富み、会話も成立しており、見当識障害も完全に改善しました。
星野 昔の経験ですが、慢性硬膜下血腫は片麻痺を認めることが多かったように思います。歩行時に左右のどちらかに寄ってしまったり、階段を下りられなくなったりして受診してくるケースです。主訴が精神症状というのは、高齢であることも関係あるのでしょうか。
鈴木 症状にはかなりバリエーションがあると思います。よく話す人が急に話さなくなったなどということから発見されることもあります。高齢になって、一人暮らしの人が滑って転んだのに片麻痺に気付かないために、このような症例が増えているのかもしれません。
星野 片麻痺がなく、主訴が認知障害のみのケースもあるというのは参考になりました。
鈴木 認知症のほとんどは月単位、年単位で進行するものなので、1週間で進行したという場合は何か別の原因が考えられます。一番多いのは、環境が変わってせん妄が起きたということですが、せん妄の治りが悪いと思って頭部CTを撮ったところ、慢性硬膜下血腫だったということもまれにあります。慢性硬膜下血腫の症状のうち、頭蓋内圧亢進症状などが見られたときには、脳ヘルニアを起こす可能性が高く、速やかに脳外科に紹介する必要があります。
柳川 このような症例は決して珍しくないので、精神症状や不定愁訴については、頭から精神科と決め付けず、頭部CTを撮る、電解質を測る、甲状腺の検査などを行うなどして、重大な器質的疾患を見逃していないか確認することが望ましいです。
 一般によくいわれていますが、精神疾患を疑う場合には、まず器質的疾患を除外することが基本だと改めて実感しました。
◆結果 慢性硬膜下血腫
 認知障害を来す疾患としては、アルツハイマー、進行性核上性麻痺、脳出血、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫といった脳の疾患のほか、甲状腺機能低下症などの代謝系疾患、外傷、アルコール、有機溶剤による中毒などが挙げられる。
 認知障害の進行は、その進行度が慢性か急性かが重要となる。認知症のほとんどが月単位、年単位での慢性的な経過をたどるのに対し、急性に発症した場合には器質的疾患が強く疑われる。頭蓋内圧の亢進症状や、原因不明の頭痛、悪心・嘔吐、片方の手足がしびれたり物を落としたりする不全片麻痺症状などを認めた場合や、認知障害が日数単位で悪化した場合には、器質的疾患を疑う。その際、脳疾患の検査としてCT、MRI、PETなどが有用である。さらに、血液検査、尿検査、心電図、神経学的検査などを合わせて行うことが望ましい。
POINT――急激に進行する認知障害は、器質的疾患を疑い、精査する必要がある。


6.新規第Xa因子阻害薬otamixaban、非ST上昇急性冠症候群の虚血イベントを抑制
CareNet2009年9月17日

新規の直接作用型選択的第Xa因子阻害薬otamixabanの静注投与は、従来法に比べ非ST上昇急性冠症候群(ACS)における虚血イベントを抑制することが、アメリカHarvard大学医学部循環器内科TIMI studyグループのMarc S Sabatine氏らが実施した第II相試験(SEPIA-ACS1 TIMI 42試験)で明らかとなった。これまで、非ST上昇ACS患者の抗凝固療法には未分画ヘパリンが使用されてきたが、その作用は非直接的で非選択的であり、血栓結合トロンビンを抑制できない、血小板減少の誘導、PK活性が予測不能などの問題点があった。Lancet誌2009年9月5日号(オンライン版2009年8月30日号)掲載の報告。
5つの用量と対照を比較する二重盲検無作為化第II相試験
SEPIA-ACS1 TIMI 42試験の研究グループは、非ST上昇ACSにおけるotamixabanの有効性と安全性を評価し、第III相試験でのさらなる検討に向けて最適な用量範囲を同定するための二重盲検第II相試験を実施した。
2006年6月~2008年11月までに、36ヵ国196施設から3,241例の非ST上昇ACS患者が登録され、otamixaban 0.08mg/kgを静脈内ボーラス投与後に5種類の用量を静注する群[0.035mg/kg/時(125例)、0.070mg/kg/時(676例)、0.105mg/kg/時(662例)、0.140mg/kg/時(658例)、0.175 mg/kg/時(671例)]あるいは対照として未分画ヘパリンと糖蛋白IIb/IIIa阻害薬eptifibatideを投与する群(449例)に無作為に割り付けられた。
治療の割り付けに関する情報は、研究者および患者のいずれにも知らされなかった。データ監視委員会の勧告により最低用量群への登録は早期に中止された。
有効性に関する主要評価項目は、7日目までの心筋梗塞、緊急血行再建術、糖蛋白IIb/IIIa阻害薬の救済的投与の複合エンドポイントとした。安全性に関する主要評価項目は、冠動脈バイパス移植術(CABG)とは関連しない大出血あるいは小出血(TIMI出血基準)とした。有効性についてはintention to treat解析を行い、安全性の解析では実際に治療を受けた患者を対象とした。
0.100~0.140mg/kg/時で虚血性イベントを抑制、安全性は同等
有効性の複合エンドポイントの発現率は、0.035群7.2%、0.070群4.6%、0.105群3.8%、0.140群3.6%、0.175群4.3%であった(傾向性に関するp値=0.34)。対照群の複合エンドポイントの発現率は6.2%であり、実薬群に対する相対リスクはそれぞれ1.16、0.74、0.61、0.58、0.69であった。
安全性の1次エンドポイントの発現率は、実薬群がそれぞれ1.6%、1.6%、3.1%、3.4%、5.4%であり(傾向性に関するp値=0.0001)、対照群は2.7%であった。
著者は、「非ST上昇ACS患者に対する抗血栓療法としてのotamixaban静注投与では、0.100~0.140mg/kg/時の用量で虚血性イベントが抑制される可能性があり、その安全性は未分画ヘパリン+eptifibatideの併用投与と同等であることが示唆される。第III相試験によるさらなる検討が正当化される」と結論している。
また、「prasugrelやticagrelorなどの経口抗血小板薬の臨床適用が進むに従って、otamixabanとこれらの薬剤との併用療法の評価や、糖蛋白IIb/IIIa阻害薬の最適な投与のタイミングの再検討が必要となるだろう」と指摘している。
Sabatine MS et al. Otamixaban for the treatment of patients with non-ST-elevation acute coronary syndromes (SEPIA-ACS1 TIMI 42): a randomised, double-blind, active-controlled, phase 2 trial. Lancet. 2009 Sep 5; 374(9692): 787-95. Epub 2009 Aug 30.


7.ラルテグラビルは、未治療HIV-1感染患者の1次治療の併用薬として有用
CareNet2009年9月17日

ラルテグラビル(商品名:アイセントレス)ベースの併用療法は、未治療のHIV-1感染患者において迅速かつ高い抗レトロウイルス活性を示し、その有効性はエファビレンツ(同:ストックリン)に劣らないことが、アメリカEmory大学のJeffrey L Lennox氏らが実施した無作為化対照比較試験で判明した。すでに、最適な基礎療法のもとでのラルテグラビルの併用は、既治療の多剤耐性HIV-1感染患者に有効で、耐用性も良好であることが示されている。Lancet誌2009年9月5日号(オンライン版2009年8月3日号)掲載の報告。
ラルテグラビルのエファビレンツに対する非劣性試験
研究グループは、未治療例に対する併用抗ウイルス療法としてのラルテグラビルとエファビレンツの安全性および有効性を比較する多施設共同二重盲検無作為化対照比較試験を行った。
対象は、血漿ウイルスRNAコピー数>5,000/mLのHIV-1感染者で、ベースライン時にエファビレンツ、テノホビル(同:ビリアード)、エムトリシタビン(同:エムトリバ)に耐性のない症例とした。これらの患者が、テノホビル+エムトリシタビンとの併用療法として、ラルテグラビル400mgを1日2回経口投与する群あるいはエファビレンツ600mgを1日1回経口投与する群のいずれかに無作為に割り付けられた。
有効性に関する主要評価項目は、48週における血漿ウイルスRNAコピー数<50/mLとした。per protocol解析を行い、非劣性の境界基準は12%とした。
ウイルス抑制効果は同等、有害事象は有意に低減
2006年9月~2008年6月までに5ヵ国67施設から登録された566例のうち、実際に治療を受けたのはラルテグラビル群が281例、エファビレンツ群は282例であり、3例は治療を受けなかった。ベースライン時に、297例(53%)が血漿ウイルスRNAコピー数>100,000/mLで、267例(47%)がCD4細胞数≦200/μLであった。
48週における血漿ウイルスRNAコピー数<50/mLの達成率は、ラルテグラビル群が86.1%、エファビレンツ群は81.9%であった(群間差:4.2%)。ウイルス抑制の達成までの期間は、ラルテグラビル群がエファビレンツ群よりも有意に短かった(log-rank検定:p<0.0001)。
薬剤関連の臨床的な有害事象の発現率は、ラルテグラビル群が44.1%であり、エファビレンツ群の77.0%に比べ有意に少なかった(群間差:-32.8%、p<0.0001)。重篤な薬剤関連有害事象の頻度は両群とも2%未満であった。
著者は、「ラルテグラビルベースの併用療法は迅速かつ高い抗レトロウイルス活性を示し、投与48週における効果はエファビレンツに劣らない。未治療例に対する抗HIV-1併用レジメンとして、ラルテグラビルはエファビレンツに代わる良好な耐用性を有する」と結論している。
また、この知見を踏まえ、「ラルテグラビルは、未治療例の1次治療においてエファビレンツと代替可能であり、テノホビル+エムトリシタビンとの併用薬として考慮すべきである」と指摘している。
Lennox JL et al. Safety and efficacy of raltegravir-based versus efavirenz-based combination therapy in treatment-naive patients with HIV-1 infection: a multicentre, double-blind randomised controlled trial. Lancet. 2009 Sep 5; 374(9692): 796-806. Epub 2009 Aug 3.


8.単価H1N1ワクチンの単回接種は免疫原性がある模様
Medscape Medical News2009年9月17日

『New England Journal of Medicine』9月10日号オンライン版に掲載された2つの研究で、2009インフルエンザA(H1N1)の単価ワクチンが成人で免疫原性があるらしく、ワクチン関連反応は軽度から中等度であることが示された。
「41年ぶりのインフルエンザパンデミックは、新型インフルエンザ(2009 H1N1)ウイルスによる」とオーストラリアのCSL社(ヴィクトリア州パークヴィル)のMichael E. Greenberg, MD, MPHらが記している。「安全で有効なワクチンが急ぎ必要である。オーストラリアの単一施設において18歳から64歳までの健常成人を対象にして、2009 H1N1ウイルスの不活化成分ワクチンの2種類の用量を評価したランダム化観察者盲験化並行群試験を実施している。」
今回の予備的報告では、2回予定されている接種のうち1回目から21日後の免疫原性と安全性について記述している。対象被験者は240例で、2つの年齢層(50歳未満と50歳以上)に同人数が含まれる。被験者をランダム化して、ヘマグルチニン抗原を15μgもしくは30μgのいずれかの用量で筋肉内注射した。
ベースライン時と接種21日後の抗原力価を血球凝集抑制アッセイとマイクロ中和アッセイで測定した。免疫原性を反映した転帰は、血球凝集抑制アッセイにおける抗体力価が1:40以上の被験者の割合、抗体陽性に転じるか抗体力価が有意に増加した被験者の割合、力価幾何平均の係数の増加である。
接種21日後の抗体力価が1:40以上であったのは、ヘマグルチニン抗原15μgを接種した被験者120例のうち116例(96.7%)と、30μgを接種した被験者120例のうち112例(93.3%)であった。
1つ目の研究:免疫原性と軽度有害事象
有害事象の強さはほとんどすべて軽度から中等度であった。事象としては、注射部位の圧痛または疼痛が46.3%、頭痛等の全身症状が45.0%の被験者に見られた。死亡、重篤な有害事象、注目すべき有害事象は報告されなかった。
「2009 H1N1ワクチン 15μgの単回接種は成人において免疫原性があり、ワクチン関連反応は軽度から中等度であった」と論文著者らは記している。「複数のワクチン有効性試験を行うことで、このワクチンを集団ワクチン接種プログラムで用いた時の真の有効性が推測できる。」
この研究の限界としては、健常成人以外の集団や別の地域の集団には一般化ができないことが挙げられる。
2つ目の研究は、レスター大学(英国)のTristan W. Clark, MRCPらによるもので、単一施設において、インフルエンザA/カリフォルニア/2009(H1N1)表面抗原の単価ワクチンをMF59アジュバント剤と非アジュバント剤で検証した。被験者の年齢は18歳から50歳までであった(n = 175)。
被験者をランダム化して、ワクチンの筋肉内注射を行った。接種は、ヘマグルチニン7.5μgを含むワクチンを第0日に両腕に計2回か、第0日に1回接種して第7、14、21日のいずれかにもう1回行う場合と、MF59アジュバントワクチン3.75μgもしくは7.5または15μgの非アジュバントワクチンを21日間の間隔をあけて2回行う場合とした。血球凝集抑制アッセイとマイクロ中和アッセイを1回目の接種の第0、14、21、42日後に行い、抗体反応を判定した。
試験した7群のうち4群の被験者100例のデータを用いて、7.5μg用量のMF59アジュバントワクチンに対する14日間および21日間の反応を中間分析した。
もっとも多く発生した局所反応は注射部位の疼痛であり、被験者の70%に見られた。もっとも多く発生した全身反応は筋痛であり、被験者の42%に発生した。1回目の接種後の発熱(体温38℃以上)は2例に見られた。
2つ目の研究:14日後には防御効果があるようだ
幾何平均で表現した第14日での抗体力価は、7.5μg用量のMF59アジュバントワクチンを2回受けた群のほうが、その時に1回しか受けなかった群よりも全般的に高かった(血球凝集抑制アッセイでP = .04、マイクロ中和アッセイでP < .001)。
血球凝集抑制アッセイとマイクロ中和アッセイの測定による、7.5μgの用量のMF59アジュバントワクチンの1回目の接種から21日間での抗体陽性化率は、その時までに接種を1回しか受けていない群(2回目の接種が第21日に予定されていた群)では76%と92%であり、すでに2回の接種を受けていた群では88%から92%と、92%から96%であった(それぞれP = .11とP = .64)。
「今回の予備的分析によれば、インフルエンザA(H1N1)2009の単価MF59アジュバントワクチンで、単回接種から14日以内に防御力を伴う可能性が高い抗体反応が起きた」と著者らは記している。
この研究の限界としては、免疫原性のデータと免疫との相関性の把握がされていないことと、H1N1の無症状感染が除外できていないことが挙げられる。
関連する解説記事において、非営利団体PATH(ワシントン州シアトル)のKathleen M. Neuzil, MD, MPHが「抗体反応には堅牢性と一貫性があり、国際標準の反応薬と対照薬が使用されていることから、GreenbergらとClarkらの結果は説得力があり、信頼性がある。」
「インフルエンザワクチンの需要が供給量をはるかに超える現在の世界的な状況では、接種回数を節約する戦略が求められる」とNeuzil博士は記している。「接種の回数を減らしたり少なくしたり、アジュバント製剤を利用することはいずれも、増えつつある世界のワクチン需要に貢献できる。GreenbergらとClarkらの研究は、今回のパンデミックに対してそうした戦略が有効である可能性を示すエビデンスである。」
1つ目の研究はCSLが支援し、オーストラリア保健・高齢化省(Department of Health and Aging)の資金提供を受けており、著者の全員が同省の職員である。2つ目の研究は、レスター大学とNovartis社から助成金を受けており、著者らの一部は、Illumina社、Novartis社、GlaxoSmithKline社、Baxter社、Sanofi Pasteur社、Hoffmann-LaRoche社との間でさまざまな金銭的関係がある。Neuzil博士の開示情報には、関連する金銭的利害関係はない。
N Engl J Med. Published online September 10, 2009.


9.JUPITER試験において高齢患者にスタチン療法が奏効
Medscape Medical News2009年9月17日

LDLコレステロール値は正常であるがC反応性蛋白質(CRP)によって評価された全身性炎症を有する高齢者にスタチン療法を用いると、心血管疾患の罹病および死亡のリスクは、それより若年の患者と同程度に有意に低下することが新規研究から示されている。
Justification for the Use of Statins in Primary Prevention: An Intervention Trial Evaluating Rosuvastatin (JUPITER) に基づいたこの解析により、70歳以上の成人は70歳未満の人たちと比較すると、相対リスク低下は小さいが絶対リスク低下は大きいため、また特に有害事象が重篤であるために、治療必要数は少なくなることが示されていると研究者らは述べている。
「この試験では大きなベネフィットが認められており、これはランダム割付けの時点で70歳以上であった患者集団の32%に集中している」と筆頭研究者のRobert Glynn博士(ブリガム・アンド・ウィメンズ病院、マサチューセッツ州、ボストン)はheartwireに話している。「心血管疾患は年齢との関連が強い疾患であることから、この32%の患者は主要評価項目の49%を有していた。観察的研究に基づいたこの知見について実に興味深いことは、コレステロールの作用は年齢とともに著明に弱まるのに、年齢は心血管疾患の主要なリスク因子であるという点である」
この研究の結果は先週、欧州心臓病学会2009年会議(European Society of Cardiology 2009 Congress)(バルセロナ)で発表されたものである。
臨床試験最新情報セッションの主要な討議参加者であるGabriel Steg博士(Centre Hospitalier Bichat-Claude Bernard、フランス、パリ)は、同解析によって全コホートで認められた結果が確認されたが、さらに重要なことは、高齢者集団において、脳卒中の有意な減少など、一次予防に関する確たるデータが得られたことであると述べている。
「この解析から、高齢者でもスタチンの効果は損なわれないことを示す強力なエビデンスが得られている」とSteg博士は述べている。とはいえ、こうした新たなデータがあるにも関わらず、LDLコレステロールが低くCRP濃度が高いという特定の患者を組み入れたJUPITERには、この知見がCRPが高くない人たちにも拡大できるかどうかという未解決の問題が残っているので注意が必要であるSteg博士は述べている。
JUPITER試験
以前にheartwireが報告したように、JUPITERは大規模、多国共同、長期、二重盲検、プラセボ比較対照、ランダム化臨床試験であり、健常な男性および女性17802名を組み入れ、これらの被験者をロスバスタチン(商品名クレストール、AstraZeneca社)20mgまたはプラセボの投与に割り付けている。この研究は、LDLコレステロールは正常であるがCRP濃度が2.0mg/dLを超える、外見上は健常な人たちにスタチン療法を施行すべきかどうかを評価するためにデザインされたものである。
Glynn博士はheartwireに対して、同研究の発表中にSteg博士が話したように、コレステロール濃度上昇の相対リスクは加齢とともに低下すると述べている。そして、例えば、40歳の心疾患患者においてLDLコレステロールの約40mg/dLの低下は心疾患イベントのリスクの約56%の低下をもたらす一方、70歳の患者における同じLDLの低下はわずか17%しかリスクを低下させないことが、最近のメタ解析で示されているとGlynn博士は述べている。フラミンガム・リスクスコアはこうした年齢との相互作用を表しているとGlynn博士は話している。
このJUPITER試験の解析において、ロスバスタチンは(高齢者において)LDLコレステロール濃度を全コホートにおける濃度と同程度まで、すなわち約55 mg/dLまで低下させることが示されている。高齢者コホートにおけるロスバスタチン20mgの投与は主要評価項目(非致死的心筋梗塞[MI]、脳卒中、血行再建、不安定狭心症、心血管死からなる複合項目)をプラセボ投与患者と比較して39%低下させた。個々の評価項目でも、脳卒中における45%の低下など、同様の低下が認められた。
JUPITER: 70歳以上の患者における主要評価項目および各評価項目
評価項目 ハザード比 (95%信頼区間)
主要評価項目(非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、血行再建、不安定狭心症、心血管死) 0.61 (0.46-0.82)
心筋梗塞 0.55 (0.31-1.00)
脳卒中 0.55 (0.33-0.93)
血行再建または不安定狭心症 0.51 (0.33-0.80)
MI、脳卒中、心血管死 0.61 (0.43-0.86)
全ての死亡 0.80 (0.62-1.04)
静脈血栓塞栓症 (VTE) 0.59 (0.31-1.11)
主要評価項目および全ての死亡 0.69 (0.56-0.85)
主要評価項目および全ての死亡またはVTE 0.69 (0.56-0.84)
(70歳以上の患者において)絶対リスク低下は70歳未満の患者より大きかったものの、こうした相対リスク低下は70歳未満の患者より小さかった。より大きい絶対リスク低下を前提とすると、主要評価項目1例を予防するための5年間の治療必要数は70歳以上の患者ではわずか19名であったのに対して、70歳未満の患者では29名であったとGlynn博士は述べている。心筋梗塞、脳卒中、または心血管死を1例予防するための治療必要数は70歳以上の患者では29名であったのに対して、70歳未満の人たちでは55名であった。
「CRP値に基づいて行われる治療は高齢者において有効であるとのエビデンスは現在得られているが、コレステロール値に基づいて行われる治療が高齢者において有効であることを示すランダム化試験のエビデンスはまったく得られていない」とGlynn博士はheartwireに話している。「したがって、確かに、この集団における治療の適応は何かを考えることは現段階で必要なことではあるが、この結果から、(この薬剤を)一次予防のために高齢者に投与することが強く求められていると私は考える」
高齢者における一次予防の研究は少ないとGlynn博士は述べ、高齢者における数少ない研究のひとつであるPROSPER研究ではプラバスタチンが血管疾患の発生率を15%低下させることが示されていると指摘している。しかし、血管疾患のない人の56%では、6%という非有意のリスク低下が認められたのみであった。
Steg博士は同研究についてコメントし、JUPITER試験で対象とした高齢者の平均年齢は74歳に過ぎなかったことから、まさに高齢者といえる80歳を超える人たちがスタチンからどの程度一次予防効果を得るかについては未だに十分にわかっていないと指摘している。
JUPITER試験はAstraZeneca社の資金援助を受けている。Glynn博士はAstraZeneca社などの複数のスタチン製造会社から研究助成金および顧問料を受け取っている。JUPITER試験の筆頭研究者であるPaul Ridker博士(ブリガム・アンド・ウィメンズ病院、マサチューセッツ州、ボストン)は、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院が炎症バイオマーカー使用について保有している特許の共同発明者であり、同バイオマーカーはDade-Behring社およびAstraZeneca社に使用が許可されている。


10.心臓以外の外科手術に関する初めてのESCガイドラインがベータ遮断薬の使用を支持
Medscape Medical News2009年9月17日

欧州心臓病学会(ESC)が、心臓以外の手術における心臓リスクの管理に関する初めてのガイドラインを公表した[1,2]。このガイドラインでは実践的かつ段階的に患者を評価し、心臓リスクを階層化して、費用がかかるだけでなく手術を遅らせる不必要な術前検査を削減することに焦点を当てていると、Dr Don Poldermans(エラスムス医療センター、オランダ、ロッテルダム)が2009年欧州心臓病学会会議の記者会見で語った。
Poldermans博士の説明によれば、心臓以外の手術を行う患者での死亡・後遺症の主な原因は心臓事象であり、そのため心臓専門医は不必要に手術を遅らせることなしにこうした事象のリスクを低減する方法に関する決定を日々迫られている。心臓合併症のリスクは、手術前の患者の状態、心疾患の有病率、そして実施する手術の規模と時間とに依存する。
「我々は、こうした患者のケアを改善させるガイドラインを必要としており、この新しい助言によって、我々は術後転帰だけでなく、長期転帰も改善できるものと確信している」と博士は述べている。このガイドラインでは、内科療法、術前検査の削減、術前冠動脈形成に重点を置いており、β遮断薬、スタチン、アスピリン、クロピドグレル、ACE阻害薬の使用を明確に推奨しており、心臓以外の手術を、心臓事象の二次的予防とするひとつの機会とすることを目指していると、博士は言い添えた。
抗血小板療法とベータ遮断薬の増量については特定の推奨として扱っている。「というのもこの2つはもっとも扱いが難しいからだ」と博士は言う。心臓以外の手術を行う患者にベータ遮断薬を術前投与するべきかどうかという問題は、heartwireの報道にもあるように、ここ数年間で特に議論されている。今回の新たな欧州指針は、術前に低用量のベータ遮断薬から開始し、心拍数(HR)が毎分60から70 bpmになるまで増量していくことを推奨している。
ヨーロッパのベータ遮断薬推奨は「配慮が行き届いている」
Poldermans博士はベータ遮断薬の使用に関する議論を次のように説明した。「こうした患者で重要なのは、心拍数を減らすことであって心拍反応を遮断することではない。例えば、手術中に出血があった時には、心臓が血圧を維持してほしいと思うはずだ。やり過ぎてしまった場合、ベータ遮断薬を取りやめる。POISE試験(手術前のベータ遮断薬使用に関する懸念を初めて提示した臨床試験)では、手術の4時間前にベータ遮断薬を開始して、高い固定用量で投与した。患者の平均年齢は70歳で、一部の患者は手術中に出血を起こした。」
「我々は、手術の1か月前か遅くとも1週間前から低用量のビソプロロールまたは低用量のメトプロロールを開始することを推奨する。できるだけ早期に開始したい。我々は患者の血行動態を安定させ、そして、過剰投与はしない。
今回の新たな欧州指針へのコメントの求めに応じて、Dr Sidney Smith(ノースカロライナ大学、チャペルヒル)はこう述べている。このガイドラインは「米国が2007年に発行した既存のガイドラインに非常によく似ている。大きな違いは、ベータ遮断薬に関する推奨にある。」
博士はheartwireにこう述べている 。「我々はこれまで、ベータ遮断薬は誰にとっても有益であるという感覚から離れて、低リスク患者が場合によってはベータ遮断薬によって増悪を示すということを示す試験、そしてそれをどのように投与すべきかの議論を行ってきた。POISE試験は非常に論争を呼んだ。POISE試験でリスクがあった群と、その群がどのように治療されたかについて考察する必要がある。こうしたデータとガイドラインから浮かび上がるのは、高リスクの手術を行う高リスク患者に対してはベータ遮断薬をより早期に投与し、HRが60から65 bpmになるような用量にすることでベネフィットが得られると思われる、ということだ。」
「欧州指針では、ベータ遮断薬を手術の(遅くとも)1週間前に投与することを推奨しており、心拍数によって増量させるという、よく考慮された推奨がされている。私は、このガイドラインはエビデンスの考察でいい仕事をしていると思う」とSmith博士は言い添えた。
博士によれば、米国は現在、心臓以外の手術における術前のベータ遮断薬使用に関する改訂を行う準備作業をしているところであり、今年の末には公表されることになっている。「レビュー過程で変更になる可能性があるので、それが最終的にどういう内容になるのかをコメントすることはできない。」と博士は語る。
心臓以外の手術:またとない介入機会
Poldermans博士によれば、ヨーロッパでは、年間およそ4000万件の手術が行われており、術中MIがおよそ40万件(1%)発生しており(ただし、この数値は過少見積だと考えられている)、心血管死亡が13万3000件(0.3%)起きている。これらの発生率は、手術を受ける患者の年齢が高齢化するほど、上がっていく傾向がある。高齢者は併発症を有することが多く、心疾患、神経疾患、腎機能不全などを有することも多くなるからであり、したがって、こうした患者の治療を改善するための指針が必要なのだ、と博士は言う。
1つ目の段階としては、心臓事象のリスクに応じた患者の層別化を目的として、術前評価を行うことだとPoldermans博士は言う。「すべての検査を省略してよい低リスク、リスク低減の対策が推奨される中リスク、そして高リスクに患者を層別することができる。最後の高リスクは、複数のリスク因子を有していて高リスク手術が予定されている者であり、心電図や運動負荷検査を行う必要がある。」
博士によれば、予防的冠動脈形成術の使用を制限することも強調されている。その理由は、手術中の患者にそれが適応になることがめったにない上に、クロピドグレルなどの抗血小板療法は術中管理が複雑になるからである。
全体の目的は、患者の術前の心臓リスクの完全な評価を実施し、それをリスク因子の特定と治療のまたとない機会とみなし、二次予防としての生活習慣の改良と内科的治療を開始することにある。「患者が手術から生還したならば、外科医は、薬物療法はもう用済みで、全部やめるように言うのが一般である。しかし、当然ながら心臓を手術したわけではなく、薬物療法は術中および術後の転帰を改善するので、すべて続けるようにと我々はいつも指示する」とPoldermans博士は説明する。
術中心臓事象の原因は複合的なので、ベータ遮断薬、スタチン、アスピリン、ACE阻害薬を併用するのが「おそらく最良の内科的選択肢だ」と博士は言う。
今回の欧州指針の推奨では、ベータ遮断薬に関する推奨と同様に、スタチン類の使用についても指針が出されている。それによると、手術直後で経口摂取ができない時期でのつなぎとして、長半減期性または徐放性の製剤を使用することが推奨されている。また、「アスピリンも今度から明確な適応であり」、手術中に止血の抑制が困難な患者を除き「アスピリン療法を中止しない」とPoldermans博士は述べている。
Smith博士は、今回のヨーロッパの新ガイドラインでもっとも勇気づけられたことの一つとして、術前に実施される検査の量を削減しようとする取り組みが行われていることを挙げている。
「私は大変に感銘を受けている。今回のガイドラインは、一つ一つにおいて患者を評価して治療する構造的なアプローチがされており、全体では患者や主義のリスクを考察することに力点が置かれ、そうした状況のすべてで検査を少なくする対策を講じている。ここに心臓専門医が一同に会し、検査を減らすことを推奨している。」
DECREASE III試験結果発表
オランダ、ロッテルダム ---- 血管手術を受ける患者でまだスタチンを使用していない者は、徐放性フルバスタチン(Lescol XL、Novartis社製)を術中に使用すると、心筋虚血がほぼ50%減少し、心血管死亡/非致死性MIも減少するという「Stress Echo IIIを応用したオランダ心臓リスク心エコー評価(DECREASE III)」試験の結果が発表された[3]。この知見は、heartwireが報道したように、まず2008年欧州心臓病学会会議で発表され、最近になって、Dr Olaf Schouten(エラスムス医療センター、オランダ、ロッテルダム)らが『New England Journal of Medicine』2009年9月3日号に発表した。
著者らの説明によると、血管手術では一般手術よりも心血管死亡それ自体が問題になり、心血管死亡率は2%で、そのほとんどは術中MIによる死亡である。フルバスタチンを使用した患者は主要エンドポイントが明白に減少し、手術の30日後において、心筋虚血を起こした患者数はスタチン群が27名(10.8%)で、プラセボ群が47名(19.0%)であった(ハザード比は0.55、p = 0.01)。この論文の指導著者であるPoldermans博士は昨年の発表の時にheartwireに対して次にように語った。「(末梢動脈疾患の患者の)転帰を改善したいのならば、(スタチンを)手術よりも先に使用するとさらにベネフィットが得られるので勧められる。皆に知って欲しいのは、(患者の)コレステロール値が亢進していなくとも、スタチンにはベネフィットがあることだ。」
DECREASE III試験は、Novartis社から制限条件なしの研究助成金を受けている。Poldermans博士は、Medtronic社、Novartis社、Merck社からコンサルタント料を、Novartis社から助成金を受けていることを開示している。DECREASE III論文のその他の著者の開示情報は原著に記されている。


11.医療事故情報収集等事業医療安全情報[No.34] 電気メスによる薬剤の引火

http://www.med-safe.jp/pdf/med-safe_34.pdf


12.新型インフルエンザの流行に伴う診療報酬上の臨時的な取扱いについて
厚生労働省2006年9月14日付

http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/hourei/2009/09/dl/info0914-01.pdf


13.新型インフルエンザに関する報道発表資料

◆新型インフルエンザ患者の死亡について(沖縄県)
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/houdou/2009/09/dl/infuh0916-02.pdf
◆感染症法に基づく急性脳炎として届出が行われた新型インフルエンザ患者について(大阪府)
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/houdou/2009/09/dl/infuh0916-03.pdf
◆新型インフルエンザ患者の人工呼吸器使用症例について(千葉県)
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/houdou/2009/09/dl/infuh0916-06.pdf
◆新型インフルエンザ患者が集中治療室において人工呼吸器を利用した症例について(大阪府)
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/houdou/2009/09/dl/infuh0916-08.pdf


14.プレスリリース

1) FDA Requires Boxed Warning for Promethazine Hydrochloride Injection

The U.S. Food and Drug Administration is telling manufacturers of the drug promethazine to include a boxed warning regarding the injectable form of the drug. The warning, under FDA’s authority to require safety labeling changes, will highlight the risk of serious tissue injury when this drug is administered incorrectly. The agency is also alerting health care professionals to the new boxed warning for this product, which is used as a sedative and to treat nausea and vomiting.
Promethazine should neither be administered into an artery nor administered under the skin because of the risk of severe tissue injury, including gangrene, the boxed warning says. There is also a risk that the drug can leach out from the vein during intravenous administration and cause serious damage to the surrounding tissue. As a result of these risks, the preferred route of administration is injecting the drug deep into the muscle.
A requested revision in the Dosage and Administration section of the label states that if health care professionals choose to administer promethazine intravenously, they should limit the drug’s concentration and rate of administration and ensure a properly functioning intravenous line.
The companies that make promethazine are required to submit the requested safety label changes to the FDA within 30 days or provide a reason why they do not believe such changes are necessary. If they do not submit new language, or the FDA disagrees with the language proposed by the companies, the agency can order the label change as deemed appropriate to address the new safety information.
Promethazine was previously sold under the brand name Phenergan, but that formulation was discontinued by Wyeth Pharmaceuticals Inc. A number of companies currently market generic formulations of promethazine hydrochloride injection.
The FDA previously informed consumers and health care professionals about the risks of incorrect administration of promethazine in the December 2006 and February 2008 editions of FDA Patient Safety News. Current prescribing information for the drug contains information about the risk of tissue injury, possibly including gangrene, if the drug is inadvertently administered in the artery, but that information was not highlighted in a boxed warning.
Promethazine first went on the market in 1956. FDA has reviewed the published literature and post-marketing adverse event reports submitted to the agency’s Adverse Event Reporting System from 1969 to 2009 and identified cases of gangrene requiring amputation associated with administration of the drug.
More information is available in this Information for Healthcare Professionals


2) FDA Approves Vaccines for 2009 H1N1 Influenza Virus

Approval Provides Important Tool to Fight Pandemic
The U.S. Food and Drug Administration announced today that it has approved four vaccines against the 2009 H1N1 influenza virus. The vaccines will be distributed nationally after the initial lots become available, which is expected within the next four weeks.
“Today's approval is good news for our nation's response to the 2009 H1N1 influenza virus,” said Commissioner of Food and Drugs Margaret A. Hamburg, M.D. “This vaccine will help protect individuals from serious illness and death from influenza.”
The vaccines are made by CSL Limited, MedImmune LLC, Novartis Vaccines and Diagnostics Limited, and sanofi pasteur Inc. All four firms manufacture the H1N1 vaccines using the same processes, which have a long record of producing safe seasonal influenza vaccines.
”The H1N1 vaccines approved today undergo the same rigorous FDA manufacturing oversight, product quality testing and lot release procedures that apply to seasonal influenza vaccines,” said Jesse Goodman, M.D., FDA acting chief scientist.
Based on preliminary data from adults participating in multiple clinical studies, the 2009 H1N1 vaccines induce a robust immune response in most healthy adults eight to 10 days after a single dose, as occurs with the seasonal influenza vaccine.
Clinical studies under way will provide additional information about the optimal dose in children. The recommendations for dosing will be updated if indicated by findings from those studies. The findings are expected in the near future.
As with the seasonal influenza vaccines, the 2009 H1N1 vaccines are being produced in formulations that contain thimerosal, a mercury-containing preservative, and in formulations that do not contain thimerosal.
People with severe or life-threatening allergies to chicken eggs, or to any other substance in the vaccine, should not be vaccinated.
In the ongoing clinical studies, the vaccines have been well tolerated. Potential side effects of the H1N1 vaccines are expected to be similar to those of seasonal flu vaccines.
For the injected vaccine, the most common side effect is soreness at the injection site. Other side effects may include mild fever, body aches, and fatigue for a few days after the inoculation. For the nasal spray vaccine, the most common side effects include runny nose or nasal congestion for all ages, sore throats in adults, and -- in children 2 to 6 years old -- fever.
As with any medical product, unexpected or rare serious adverse events may occur. The FDA is working closely with governmental and nongovernmental organizations to enhance the capacity for adverse event monitoring, information sharing and analysis during and after the 2009 H1N1 vaccination program. In the U.S. Department of Health and Human Services, these agencies include the Centers for Disease Control and Prevention.
Vaccines against three seasonal virus strains are already available and should be used (see information on the seasonal flu). However, they do not protect against the 2009 H1N1 virus (see information on H1N1 flu).


3) ファイザーなど、50歳以下のCOPD患者の呼吸機能低下をスピリーバが抑制などデータ解析結果を発表

・スピリーバ(R)が50歳以下のCOPD患者の経年的な呼吸機能低下を有意に抑制
・大規模臨床試験UPLIFT(R)データ解析結果が示す
 大規模臨床試験UPLIFT(R)(Understanding Potential Long-term Impacts on Function with Tiotropium)データのpost-hoc解析の結果、スピリーバ(R)(一般名:チオトロピウム)が50歳以下のCOPD患者で、呼吸機能の経年的な低下を有意に抑制し、また健康関連QOL(※1)を有意に改善したことが、欧州呼吸器学会(ERS)年次総会で発表されました。4年間の試験期間を通じ、スピリーバ(R)の投与を受けた50歳以下のCOPD患者の呼吸機能の経年的な低下量は、同年代のコントロール群の患者に比べ34%改善しました(気管支拡張薬投与後FEV1〔ピークFEV1〕の低下量:スピリーバ(R)群が38mL/年、コントロール群が58mL/年, P=0.01)(※2)(*1)。
(※1)健康関連QOLは、SGRQ(St. George’s Respiratory Questionnaire)と呼ばれる呼吸器関連のQOL質問票のスコアで評価されました。SGRQでは4ポイント以上のスコアの改善で、臨床的に有意な健康関連QOLの改善を示したと見なされます。
(※2)UPLIFT試験では、コントロール群の被験者に対しても、吸入抗コリン薬を除くすべてのCOPD治療薬の使用、及び、使用しているCOPD治療薬の用量の変更が許された状況下で、スピリーバ(R)群とコントロール群が比較されました。
 UPLIFT(R)は、COPD患者に長時間作用型吸入抗コリン薬スピリーバ(R)の有用性を検討する最大規模の無作為化二重盲検プラセボ対照試験です。この解析は、50歳以下のCOPD患者356名を対象としました。スピリーバ(R)群ではコントロール群に対し、増悪の発症リスクを27%有意に軽減させました〔95%信頼区間,相対危険度0.73(0.56, 0.95), P=0.02〕。増悪は、疾患の臨床経過を悪化させることから、COPDの増悪回数を著しく減らすスピリーバ(R)による治療は、COPDの疾患予後を改善し、臨床経過に良好な影響をもたらす可能性が示されました(*2)。
 「50歳以下のCOPD患者を対象とした解析は、早期診断と早期治療が如何に重要であるかをより強く裏付けるもので、患者の方々と医療従事者の双方にとって重要な意味を持ちます。医師は50歳以下の患者に、健康関連QOLの改善と疾患の進行抑制のデータが発表されたことから、エビデンスに基づいてスピリーバ(R)を処方することができます。今回の解析データは、スピリーバ(R)が有効性面でのベネフィットを持ち、50歳以下のCOPD患者の疾患経過に好影響を与えることを強く示唆したものです」と、ドイツのマインツ大学呼吸器部門長のローラント・ブール教授は語りました。
<UPLIFT(R)のエビデンスが早期治療でのスピリーバ(R)のベネフィットを明らかに>
 これまで定期的な治療を受けてこなかったCOPD患者においてもスピリーバ(R)によって維持療法を開始することで臨床的ベネフィットをもたらすことが、UPLIFT(R)のpost-hoc解析の結果、明らかになりました。これは、スピリーバ(R)を最初の維持療法として推奨する、GOLD(※3)のガイドライン(*3)を補強するデータです。去る5月に米国胸部学会議(ATS 2009)で発表された解析結果は、長時間作用型β2受容体刺激薬、吸入ステロイド薬、テオフィリン、または抗コリン薬による定期的な治療を受けたことのないCOPD患者でのスピリーバ(R)の有効性を評価したものです(*4)。スピリーバ(R)群403名、コントロール群407名にのぼる2群が解析された結果、スピリーバ(R)群はコントロール群に対し、経年的な呼吸機能低下を抑制し、健康関連QOLを統計的に有意に改善させました。また、COPDの増悪による入院リスクもスピリーバ(R)群で明らかに減少しました(95%信頼区間, 相対危険度0.77(0.62, 0.94), P=0.012)。
(※3)Global Initiative for chronic Obstructive Lung Disease: 慢性閉塞性肺疾患の診断、管理、予防のグローバルストラテジー:世界的にCOPDへの意識を高め、予防と治療を向上させる目的で、米国国立心肺研究所(NHLBI)と世界保健機構(WHO)が共同で推進するプロジェクト
 スピリーバ(R)は、中等症COPD患者(GOLDのガイドラインでステージIIと規定される患者)の、呼吸機能の経年低下、すなわち疾患進行を抑制することが明らかにされています。8月にランセット誌で発表されたUPLIFT(R)のサブ解析データは、スピリーバ(R)が中等症(ステージII)にあるCOPD患者の呼吸機能を改善し、疾患進行を抑制する可能性を示したものです。4年間の試験期間中、気管支拡張薬投与後のFEV1(ピークFEV1)の経年的な低下量は、スピリーバ(R)群が43mL/年、コントロール群が49mL/年で、スピリーバ(R)群では有意に、呼吸機能の経年低下を抑制しました(p=0.024)。気管支拡張薬投与前FEV1(トラフFEV1)の経年的な低下量について両群間で差は見られませんでした(*5)。
 中等症(ステージII)のCOPD患者の増悪発症リスクは、スピリーバ(R)群がコントロール群と比べて18%低く、増悪の回数も20%減少しました(p<0.0001)。中等症(ステージII)は通常、患者が自身の呼吸機能の異常に気づき、労作時の息切れを感じはじめる時期と考えられます。患者はこの段階でCOPDの兆候に気づき、初めて診断を受けることが一般的です(*3)。
 「スピリーバ(R)に関するエビデンスはさらに補強され続けており、早期に診断を受け、スピリーバ(R)により治療を継続すれば、患者の臨床経過に好意的な影響をもたらすでしょう」と、ローラント・ブール教授は語りました。
<肺の生活習慣病COPD(慢性閉塞性肺疾患:慢性気管支炎・肺気腫)>
 COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)は、喫煙習慣が主な原因となる肺の生活習慣病で、以前は肺気腫や慢性気管支炎と呼ばれていたものを包括したものです。進行性で、息切れから日常生活に支障を来し(*3)、更には酸素吸入や死に直結します。WHOの統計から、2005年現在で世界には2億1,000万人がCOPDに罹患しており(*5)、乳がんと糖尿病を合わせた死者数よりも多い(*6)、年間300万人がこれを原因として亡くなるとの実態が示されました(*7)。日本では疫学調査から、500万人以上がCOPDに罹患していると推計されていますが、実際に治療を受けているのはわずか約22万人(厚生労働省統計2005年)に過ぎません。また進行したCOPD患者に起こる急性増悪は、呼吸機能の低下を加速させるといわれています(*3)。
 早期診断と適切な治療の継続が、患者の予後や生活の質を大きく好転させます。
<SpiNet(スピネット)のご案内>
 COPDに関する総合的な情報は、 http://www.spinet.jp (SpiNet〔スピネット〕)を通じてお知らせしています。
 SpiNet(スピネット)はCOPDについて、症状、診断、治療など総合的な情報提供を行うことを目的としています。肺の健康状態と、呼吸器疾患(主にCOPD)に対する予防と治療にお役立ていただけるよう、COPDの診療に取り組んでいる医療機関が検索できる「COPD医療機関サーチ」や、日本呼吸器学会が提唱している「肺年齢」に関するコンテンツなどを掲載しています。
<UPLIFT(R)について>
 UPLIFT(R)(Understanding Potential Long-term Impacts on Function with Tiotropium)は、4年に及ぶ多施設共同(470施設)、多国間(37ヵ国)、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間比較試験であり、2002年12月に開始されました。この試験には、男女のCOPD患者5,993名が登録されました。患者は、チオトロピウム18μgまたはプラセボを1日1回投与する群に、1:1の比で無作為化されました。いずれの群でも、COPDの治療のために通常処方されているその他の呼吸器系治療薬を、吸入抗コリン薬を除いてすべて使用できるとされていました。UPLIFT(R)試験の結果から、チオトロピウムが最長4年にわたり呼吸機能を持続的に改善することが示されました。(p<0.001)なお、呼吸機能の経年的な低下に変化は認められませんでした(*8)。
<スピリーバ(R)(一般名:チオトロピウム)について>
 スピリーバ(R)はベーリンガーインゲルハイムが発見・開発し、日本を含めグローバルでファイザー社とコ・プロモーションを展開する1日1回吸入の長時間作用型抗コリン性気管支拡張薬です。「COPD(慢性閉塞性肺疾患:慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解」を適応症として承認されています。COPDの臨床経過に好影響を与えるとともに、患者がCOPDと付き合いながら健やかな日々を送っていただくことに寄与します(*9,*10)。スピリーバ(R)は長時間作用型気管支拡張薬のひとつとして、GOLDや日本呼吸器学会などによる主な治療ガイドラインで、COPDに継続的に使用する治療選択肢として推奨されています。スピリーバ(R)は2002年6月に欧州で新発売されました。日本でも2004年12月に発売され、現在では米国を含む計80カ国以上で販売されています。


4) 東北大学とヤマハ発動機、「二輪車乗車と脳の活性化の関係」で研究開始

二輪車乗車と脳の活性化の関係
第2回目の研究開始について
 国立大学法人東北大学(総長・井上明久/所在・宮城県仙台市青葉区片平2-1-1)の加齢医学研究所・川島隆太研究室は、ヤマハ発動機株式会社(代表取締役社長・梶川 隆/所在・静岡県磐田市新貝2500)と2009年9月より「二輪車乗車と脳の活性化の関係」についての第2回目の研究を開始することとなりました。終了は2010年12月を予定しています。
 今回の研究は、脳活性化における因果関係を乗り物の種類などとの関連で測定し分析、市場でのマスサーベイを長期間行い活性効果の経時変化を測定します。
 ヤマハ発動機株式会社が参画する目的は、川島研究室による”スマートエイジング社会”を目指す研究を通じて、二輪車乗車と脳の活性化の関係をさらに深く研究し、二輪車市場の活性化につなげることにあります。ヤマハ発動機株式会社では、1)研究車輌の提供(二輪車他)、2)研究テストコースの提供、3)被験者の募集、4)スタッフの派遣を担当します。
 2008年の第1回目の結果では、1)二輪車に乗車することにより、運転者の脳が活性化されること、2)現役ライダーとブランクのあるライダーとでは脳の使い方や活性化に違いが生じること、3)日常生活に二輪車乗車を取り入れることにより様々な脳認知機能が向上しさらにメンタルヘルスにおいてもストレス軽減や脳と心の健康にポジティブな影響を与えること等が確認されました。
 第2回目の今回は、「テスト1」(2009年9月~10月)と「テスト2」(2009年10月~2010年12月)を設定。「テスト1」では、車両や走行環境、二輪操作の違い等が、脳活性化状況にどのような違いとなるかの調査を行います。「テスト2」は、経時変化と脳活性化状況の関連性を調べるもので、調査対象も広げ行います。
《研究の概要》
【テスト1】
 実施:2009年9月~10月
 場所:スポーツランドSUGO(宮城県柴田郡村田町)
 計測機材:携帯型光トポグラフィ技術試作機(日立基礎研)
 被験者:現役ライダー
【テスト2】
 実施:2009年10月~2010年12月
 場所:東京都内及び周辺
 検証方法:認知機能検査、メンタルヘルスに関するアンケート等 
 被験者:期間中、東京近郊YSP(ヤマハスポーツプラザ)で二輪車を購入するユーザー(任意参加)


5) TomoTherapy社、東京の江戸川病院に2機目の放射線治療システムを導入―導入事例の増大により、日本は、TomoTherapy社の世界第2の市場に

TomoTherapy Incorporated (NASDAQ: TOMO)は、江戸川病院が、東京江戸川がんセンターの拡張に伴い、2機目のTomoTherapy(R)治療システムを導入したことを発表しました。同機を東京江戸川がんセンター(TECC)に初めて導入した際、TomoTherapy社では、日本での導入事例を14か所の病院で治療システム16機になったと報じました。江戸川病院での導入に加え、2009年にTomoTherapyシステムは、北福島医療センターと福井県済生会病院にも導入されました。
 「TomoTherapyにより、放射線治療の未来の基盤が提供されます。」と、江戸川病院副院長の加藤隆弘医師は述べました。「TomoTherapy(SM)による治療法を初めて導入したのは2年以上前のことですが、それ以来、特に前立腺がんなどの非常に精密な治療で、フルに活用してきました。2機目を追加することで、患者の需要増大に対応することができますので、この先進的放射線治療ソリューションをさらに多くのがん患者様に使っていただけることでしょう。」
 TomoTherapyシステムは、汎用的CTスキャナーベースの装置で、患者の周囲のすべての角度から持続的に放射線治療を行うための、ヘリカル機能が、3D画像誘導機能に統合されています。これらの技術を組み合わせることで、高度な原体照射治療ができますので、医師は線量管理の改善ができ、患者は治療関連の副作用発生率を下げることができます。
 さらに、TomoTherapyシステムでは、プロセスの合理化や治療時間の短縮のために、治療計画作成、品質保証、患者設定、治療実施などで使いやすいソフトウェアを提供しています。
 「江戸川病院で2機目のシステム追加をしたことや、日本市場での弊社の成長は、TomoTherapyが医師と患者にそれぞれもたらすメリットの証明でもあります。」と、TomoTherapy社アジア太平洋事業本部長Paul Baumgartは述べました。「弊社の新しい流通パートナー、日立メディコ社と協力した結果、日本を再びTomoTherapyの成長エリアとして確立することができ、世界第2の大きさの市場にすることができました。」
ウィスコンシン州知事、納入式典に参加
2009年9月15日に江戸川病院で行われたTomoTherapy治療システム納入式典には、ウィスコンシン州知事ジョン・ドイル氏とTomoTherapy社関係者が参加しました。ドイル知事は、ウィスコンシン州のビジネスリーダーと政府要人による代表団を、日本と中国に派遣した貿易使節団の一員として、訪日しました。
「TomoTherapy社は、新しいがん治療を世界の何百万人もの患者に届けるというイノベーションを進めています。」と、ドイル知事は述べました。「ウィスコンシン州は、世界トップクラスの研究の中心地ですが、この理由のひとつには、TomoTherapy 社のような企業が研究所で行った発見を、商用機器に役立てていることが挙げられます。ウィスコンシン州で開発されたそのような製品・サービスが、日本や世界各地でますます使用されるようになってきているのを見て、光栄に感じています。」
TomoTherapy社、日本放射線腫瘍学会に出席
TomoTherapy社代表は、日立メディコ社とパートナーを組み、2009年9月17日に京都で開催される日本放射線腫瘍学会(JASTRO)の第22回年次学術大会に出席します。TomoTherapy社の治療技術について、9月19日に日立メディコ社が主催するランチョンセミナーで取り上げられる予定です。米国バージニア大学放射線腫瘍学准教授Paul Read博士(M.D., Ph.D.)が講師となり、肺と脊椎に対するヘリカルTomoTherapyベースの定位身体放射線療法(SBRT)の成果と将来的方向について論じます。


6) ユーズテックDICOM画像検像システム「Rad ACE(ラド エース)」発売

医療機関向けシステム開発の(株)ユーズテックは,DICOM画像データの統合管理ソフトウェアを搭載した「Rad ACE(ラド エース)」を2009年9月20日から放射線科関連販社を通して発売する。
 「Rad ACE(ラド エース)」は,快適なフィルムレス運用に必要な機能をあらかじめ備えたDICOM画像検像システム。画像の確認はもちろんのこと,画像の反転や回転などの修正,装置側で入力した患者属性をはじめとする情報の編集を容易にする。ログインユーザーのみで起動し,すべての操作においてユーザー名付きのログファイルを残すことで,システムを安全に運用することができる。また,自動タグ編集モジュールを追加することで,規定ルールによる自動タグ編集ゲートウェイとなり効率的なフィルムレス運用をサポートする。
●主な特長
DICOM通信機能(StoreSCP, StoreSCU, Q/R SCU, Q/R SCP機能)
リスト表示(検査一覧表示・検査シリーズ単位で展開表示・検査情報表示)
操作機能(項目別ソート・任意の検査を単一または複数選択・一定時間ごとに自動的にリスト更新)
画像(複製・削除・シリーズ編集他)
セキュリティ(ログインユーザー認証,操作ログ記録機能など)
DICOMメディア読み込み機能/DICOMディスク出力機能/DICOMタグ編集機能/自動送信機能/環境設定機能/他


7) 東芝メディカルシステムズ 多様な検査に対応したCアーム型X線TVシステム「Ultimax-i」の販売を開始

~17インチ角平面検出器と新画質コンセプトPureBrain搭載~
東芝メディカルシステムズ(株)は,Cアーム付の透視撮影台とデジタル画像処理装置を組み合わせて,消化管造影検査から血管造影検査まで幅広いX線検査の適用が可能な多目的デジタルX線TVシステムUltimax™-i(アルティマックス-アイ)を開発し,機能を充実させて販売を開始した。
 近年の医療環境の変化に伴い,設備の効率的な運用が求められるなか,X線TVシステムにおいても消化管造影検査に加えて,各診療科の多様な検査に対応することが望まれている。 従来のシステムは,透視方向と視野サイズが限定されていたため,たとえば血管造影検査はCアーム装置で,泌尿器検査はカセッテ撮影で行われており,効率的な運用が困難であった。Ultimax-iは,Cアーム搭載で多方向からの観察を可能とし,17インチ角の平面検出器(Flat Panel Detector:FPD)を組み合わせることで大視野を確保し,各科の検査要求に対応している。さらに,新画質コンセプト「PureBrain™」を搭載して,多くの検査で重要とされる透視画像の視認性を向上させ,「多方向・大視野・高画質」を実現した。
●機能の特長
1. Cアーム搭載起倒寝台と大視野平面検出器 FPD1717の融合
 X線TVシステムの特長である寝台起倒機能に,多方向透視・撮影を可能とするCアームを搭載し,通常のX線TV装置では観察が難しかった体位や部位の画像が容易に得られる。これにより体位変換が少なくなり,患者さんと操作者の負担を軽減する。また,イメージインテンシファイア(I.I.)を組み合わせたシステムに加え17インチ角サイズFPD“FPD1717”を搭載したシステムをラインアップした。従来の上部消化管検査,ERCP,嚥下造影検査,注腸検査,婦人科領域の検査,整形領域の検査,血管造影検査において多方向の診断情報を提供するとともに,泌尿器検査,脊椎単純撮影,救急対応など大視野を必要とする検査に対応し,より幅広い検査に適用できる。
2. 画質コンセプト“PureBrain”
消化管造影検査における残像の少ない透視画像,インターベンションにおけるカテーテルの視認性,小児検査や婦人科検査などにおける低被ばく,これらの要求に応えた画像フィルタ処理(Super Noise Reduction Filter:SNRF)を開発した。 SNRFは画像内の必要な信号とノイズを計算して有用な情報を抽出する同社特許技術を用いることで,微細な構造を残したまま粒状性ノイズを低減することに成功した。 従来の過去画像を加算するリカーシブフィルタに代表される時間フィルタや周波数変換によるノイズ除去方式とは異なり,FPDの鮮鋭度を保ち,残像を抑えた透視・撮影像を提供する。
 また,画像の高輝度部と低輝度部の明るさを自動補正するデジタル補償フィルタ機能(DCF)により,最も観察しやすい濃度の画像に調整する。
●Ultimax-iシステムの特長
1. 動態診断をサポート
透視自動記録機能により,透視画像を常時メモリに記録し,透視終了後に再生や保存をすることができる。 嚥下や関節の検査においてX線照射を繰り返すことなく動態観察することが可能。
2. 患者さんへのアプローチが容易
天板の左右両側にワーキングスペースを確保して,内視鏡検査,超音波検査,カテーテル検査などでの使いやすさを向上させた。
3. 高画質な画像と静かな検査環境を提供
国内メーカで初めてX線TVシステムに液体金属ベアリングx線管装置を採用したことにより,管電流100mAのパルス透視による高画質の透視画像と,0.3mmの小焦点撮影による高精細の撮影画像が得られる。 また,液体金属ベアリングの採用により騒音が大幅に低減し,静かな検査環境を提供する。
4. 患者さんの乗降りが容易
寝台を立てて患者さんを乗せるとき,高齢者や腰の曲がった方は体が前傾して転落する危険性がある。操作卓から「あんしん起倒モード」を選択すると,立位になる手前の角度で一時的に停止するため,その位置で患者さんを降ろすことができる。また,「水平乗降モード」を選択すると天板が下がるため,患者さんを腰掛けて乗せることができる。


8) レールダル メディカル ジャパンの新しい心肺蘇生教育キット「MiniAnne(ミニアン)」が東京都の認定受ける

東京都による新事業「東京トライアル発注認定制度」の結果が公表され、医療分野の教材では唯一、レールダル メディカル ジャパン株式会社(本社:東京都千代田区一番町8 )の心肺蘇生訓練キット「MiniAnne (ミニアン)」が認定を受けた。
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2009/08/20j8k800.htm
「MiniAnne (ミニアン)」製品ページはこちらからhttp://www.cpr-aed.jp/
 東京トライアル発注認定制度とは、発売から概ね5年以内の中小企業の新規性の高い優れた新商品の普及を応援するため、都が新商品を認定してPR等を行うとともに、一部を試験的に購入し評価する制度。今回は213商品の応募があったなかで、外部専門家等による厳しい審査会を経て64商品が認定されている。認定商品は今後、都のホームページ等により広く紹介され、都の機関でも試験購入・評価の公表などを通じて新商品の普及を支援する。
 http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/shoko/sogyo/trial.html
 「MiniAnne (ミニアン)」はCPRの手順とAEDの取り扱いを、DVDを見ながら学習できる、レールダル社が開発した新しいコンセプトのトレーニングキット。練習用のマネキンと模擬AED、DVD、学習テキストなどが1つのパッケージに収納されている。DVDを見ながら約35分でトレーニングを完結でき、従来の講習と同様の教育効果が得られることが証明されている。
 「MiniAnne (ミニアン)」は、医学会や教育機関などでも高く評価されており、(財)日本学校保健会、ならびに日本蘇生協議会からも推薦を受けている。
詳細はhttp://www.CPR-AED.jp/
【CPR(心肺蘇生)について】
 心肺蘇生(しんぱいそせい)は語源の頭文字を取ってCPR(Cardio Pulmonary Resuscitation)と呼ばれる。119番通報から救急車が現場へ到着するまでの全国平均は約7分。心停止から1分経過するごとに助かる確率は10%ずつ低下するといわれており、この間に適切な処置が行われる必要がある。過去の統計では発生現場の7割が自宅内と報告されており、家族に対するCPR教育の普及が急がれる。
【レールダル メディカル ジャパン株式会社について】
 レールダル社は1940年ノルウェーで設立され、1960年初頭から応急手当訓練用マネキンや等身大で生体そのものに近い医療処置トレーニング用マネキンを開発・製造販売し、救急救命分野の世界トップシェアを誇る。日本法人は1998年に設立、近年は関連医療機器、および医師・看護師・救急救命士などへ向けて専門技術やチームワークの向上トレーニングを目的とした患者シミュレータをラインアップに加え、医療チームの能力向上を通じた救命率アップを目的としたソリューションを提供している。
詳細はhttp://www.laerdal.co.jp/

http://fcm-news.blog.so-net.ne.jp/2009-09-17

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